緊張した
撮影中、万が一のことを考えてAirTagをつけた。
AirTagをつけたところで「むき出しの現金」という素っ裸状態は変わらない。むしろ裸に靴下だけはいているような雰囲気になった。
新しいiPhoneは364,800円だそうだ。iPhoneDUOという折りたたみのタイプだ。
さんじゅうろくまん、よんせんはっぴゃくえん。
円安、メモリの高騰などいろいろ理由はあるが、そういう事情をさっ引いても「なに考えてるんだ?」という値段である。
それがどれほどのものか体験してみようじゃないか。
アップルのサイトを見て同じサイズになるようにダンボールを切った。持ってみるとなかなか収まりが良い。ポケットに入れても邪魔にならない。
iPhoneDUOの厚みは11mm、365,000円を二つ折りするとだいたい同じ厚みになった。①365,000円の価値があって②iPhoneDUOと同じ形。もうこれはiPhoneDUOだ。
ちなみに365,000円を口座から降ろすのに2回に分ける必要があり、手数料を2回取られたことを悔やんでいる。
ショート動画があるわけでもないのに見入ってしまう。
4年前iPhoneと同じ額の現金を持ち歩いたときは会社員だったので半笑いだったが、いまはデイリーポータルZを経営している立場なので365,000円の重みが違う。「運転資金」だ。今月末は決算だ。
この切なさを仲間である井上さんと石川さんにも体験してもらおう。
ガジェット好きの井上さんも気になっていたようだ。
頼んでないレビューを始めてしまった。ポケットに入れてるんだから落ちないに決まっているだろう。
iPhoneDUOとか関係なく、大金が輪ゴムで留まっているのを見て笑っている。退行だ。
新型iPhoneの金額がストレスになっているに違いない。
おもしろサイト編集部という楽しい職場のギスギスが出た。
iPhoneDUOを発売に先駆けて2日ほど持ち歩いて人に自慢してみた。反応は概ね、爆笑→恐怖だった。人は365,000円を見ると笑うのだ。
マルクスも資本主義では人は貨幣を崇拝してしまうと言ってたみたいだけど、それが分かりやすく目の前に現れた。iPhoneDUOのすごさを感じる。
ガジェットに興味がある人は大きさを吟味しはじめるが、なかを開いたときの現金の存在感で我に返る。
そう、これはダンボールに挟んだ現金だ。 現金が落ちないように太い輪ゴムにしたのが工夫だ。輪ゴムはダイソーで100円だった。
365,000円のもので猫が犬を叩いたり、滑り台を転がり落ちる外国人の動画を見るのだ。ご先祖様に叱られそうだ。
唐突に「ご先祖様」なんて言葉が出るほど試されている。
さすがにカフェや電車で出す勇気はなかったので、駅のベンチで眺めてみた。
撮影中、万が一のことを考えてAirTagをつけた。
AirTagをつけたところで「むき出しの現金」という素っ裸状態は変わらない。むしろ裸に靴下だけはいているような雰囲気になった。
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