特集 2025年3月20日

モンゴルの春は動物がたくさん生まれている春です 春の遊牧1日入門

ヒツジもウシも生まれています

子犬たちを可愛がりまくっていると、近所の家ではヒツジも生まれているぞと情報が入ってきた。なんだなんだ、けっこう忙しいではないか。

例によってヒツジたちも春に生まれる。何百頭も飼っているので3月や4月には毎日のように生まれるが、それの第一弾が始まったというわけだ。

近くのゲルに連れて行ってもらうと、ヒツジの親子が家畜小屋に入れられていた。

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生まれている!

めちゃくちゃかわいいではないか。子犬のように駆け寄ってきてくれるわけではなくむしろ近づくと逃げられるが、お母さんにくっついている様子が愛らしい。

ラム肉、つまり子羊の肉はクセがなくておいしい、とか言われているが、そりゃこんな小さいのにクセもなにもねえだろう、と思いがよぎる。ちなみにモンゴルでは子羊を食べることはない(かわいいからではなく、もったいないからだと思う)。

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こちらも抱っこされるとおとなしい。まだまだ軽いな
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立派なヒツジになってください!

お隣ではウシも生まれていて、こちらもかわいい。てこてこ歩いているのが不安になるがかわいい。小さい不安定なもの、それこそがかわいいものなのかもしれない。

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服を着せられているのもかわいい
お母さんウシににらまれたので退散
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遊牧仕事に入門!

さて、このまま動物の赤ちゃんをかわいがって過ごしていてもいいのだが、せっかくなのでこの季節の遊牧民仕事も見ておきたい。

ゲルで「この時期の仕事を見せてほしい」と申し出ると、少年がガイドをしてくれることになった。

3年前の秋に来たときに出会った少年・ボヤントフトフくんである。髪が伸びて悪ガキ感が増している。

少年をガイドに任命、名をボヤントフトフという。去年の夏にプレゼントした双眼鏡、もうなくしてやがった!

3年前にゲルで会ったときは恥ずかしがって名乗ってくれなかったのだが、去年の夏にようやく名前が判明したのだった。

その後毎年会うとフザケてばかりだが、今日はお客を案内してくれるらしい。たのむぜ。

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3年前のボヤントフトフ。過去に公開した記事「これが本当のノマドワーカーだ!モンゴルの草原からリモートワークする」にも登場しています
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とりあえず家畜小屋をチェック。風をよけると暖かいんだぜ!
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凍った川を砕いて牛に水をやろう

仕事を任されて得意げなボヤントフトフ(と彼の父・ゴンゴルさん)に連れられて、朝の仕事へ。

向かった先は川である。来たときに車で通った、ガチガチに凍った川だ。ここでウシに水をやるのがひとつめの仕事である。

氷の上ではコケやすいので気をつけような

夏のあいだは勝手に川から水を飲んでいるウシたちだが、寒いと川が凍ってしまって困るらしい。人間が穴を開けてやる必要があるのだ。ウシが並んで水を飲めるような溝を、交代でガリガリ掘っていく。

鉄筋を使っていてワイルド
交代で掘り進める

まだ川は凍ったままの気温とはいえ、重たい鉄筋を振り回していると暑いほどだ。毎日やってるのかたずねると、2日か3日に一度ということだった。冬のはじめは薄い氷が、時間が進むとだんだん厚くなってしまうらしくて大変だ。

冬のあいだ掘り続けた穴。iPhone落としたらアウトです

しかし氷をガリガリ砕くのはなかなか爽快感もあった。ゴンゴルさんもわりと楽しそうである。

サラリーマン用語で「アイスブレイク」というのがあるが、実際にこれをやったら初対面でもけっこう仲良くなれるだろう。会議室にでっかい氷を用意してください。

ウシも滑るので
砂で道を作ってやって、
ようやくミッション達成!

⏩ 革ひもづくりはスクワット

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