特集 2019年8月6日

その辺の雑草をモヒートにして飲んでいく

モヒートとはミントを使ったカクテル。その辺に生えてる草でモヒートができないか?

モヒートとはミントとラム酒によるカクテルである。ミントとはハーブであり、野生化してその辺に生えてたりもするらしい。

もはや雑草…ということはその辺の雑草をどんどんモヒートにしていけるのではないか!

雑草モヒート、安全を確認※したうえでやってみると山菜採りにも似た美味しさと楽しさがあった。 ※死ぬ毒草はたくさんあるので注意を!

1980年生。明日のアーというコントのユニットをはじめました。動画コーナープープーテレビも担当。記事はまじめに書いてます(動画インタビュー)

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> 個人サイト Twitter(@ohkitashigeto) 明日のアー

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ことの発端は理科の先生でもある加藤さんと林さんによる雑談から

地球はでっかいカクテルバーだ

デイリーポータルZのWebマスターである林さんと理科の先生でもある加藤まさゆきさんと撮影をしていたときのことだ。※ストへぇ『洗足池編2』

加藤さんが「あの草には毒がありますよ」と教えてくれると林さんが「その辺の草でモヒートができないかな」と言い出した。毒だって言ってるのに。

後日、本当にやるという。とはいえ危なくない草でモヒート。もしその辺の草をふらっと酒にして飲めたら近所の散歩がカクテルパーティーだ。かっこいい。我々がトム・クルーズとなって雑草を物色するのである。

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理科の先生でもある加藤さん。氷やお酒一式を揃えたクーラーボックスを携えて。その辺の雑草モヒート屋としてセカンドキャリアを歩めそうだ
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今回はこの『街で見かける 雑草・野草図鑑』著:金田 一(交通新聞社 2018年)を見て同定してから飲むことになった。毒かどうかが書いてあって便利だという

根本的には全部毒です

まず危惧されるのは毒について。今回は植物にくわしい加藤さんが同定してくれるのと毒かどうかすぐわかる植物図鑑も携帯している。

加藤さん、図鑑によると毒マークはどれくらいありますか?

「本に載ってるのは半分くらいが毒ですかね。でも根本的には全部毒ですから。もし大丈夫なんだったらもっと食べてますよ、雑草も。

山菜とかも食いすぎると毒じゃないですか。ふきのとう10個食べたらお腹くだるし、ギンナンは幻覚見るっていうし。品種改良されてないのは基本的にダメですね」

本や先生がいないと全くおすすめできない雑草モヒートの世界。この人か本が嘘をつくと野生のトム・クルーズたちは全員死ぬ!!

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今日回るコースは完璧です、いろんな雑草が見られるコース作ってきました、と加藤さん。雑草モヒートを作るために生まれてきたような男だ…
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あ、これローズマリーですよ。ほら。といってカジュアルに嗅ぎ出す加藤さん。あ、こんな身近なところにローズマリーとかあるんだ
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ほんとだいい匂いがしますね。その辺の草をかぐって楽しいですね、と林さん
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これはドクダミ。薬草としても昔からある。「毒ではないですけどくさいですよ」と加藤さん。
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うわー、これを飲むのか!というドクダミの香り。草むしりの嫌な匂いそのもの。しかし薬草だしラム酒で一発逆転あるかも、とキープ。はたしてどう出るか!?
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ヨモギ、これはいい匂い。モヒートにもいけそうだ。キープです。

草をかいでいく楽しさ

「これヨモギですよ、かいでみてください」と加藤さんに勧められて草の一部を手でつぶしてかいでみるといい匂い。

一方ドクダミはこれぞ庭掃除の草いきれ。うっへ~!と言いながらももしかしたら酒にしたら美味いかもしれないとストックしていく。

あれはどういう匂いだろう、これはどういう匂いだろう、と草を揉んで香っていく。ときにはかじってもみる。猫じゃらしは主張が案外ないなとか、桑はいい香りはするけどほんの少しだなとか。今私達はその辺の草との対話を繰り返している。

適当に草の匂いをかいでいくだけでも路上とコミュニケーションをとるようで、なるほどこれだけでも趣味として成立しそうだ。草かぐ会だ。トム・クルーズでなくおじいさんたちに人気が出そうだ。

「なんでも気になる草があったら言ってください」と加藤さん。うっす、先輩。ごちになります。雑草モヒート界の草おごってくれる先輩である。

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「これヘクソカズラですね、屁に糞ってやばいですね、どんだけ臭いんだ、って」毒もありパス。かぐだけにした
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うわー、この匂い!! 屁だけでなくクソも名前に入れたくなったのわかる! 人類のヘクソカズラへの憎悪!
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「パイナップルの仲間ですねー」そんなのがその辺に生えてるの!? ここは南国なの?
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何も言わずその辺の木に近づいてセミをさっととる加藤さん。雑草モヒートの名バーテン、自然と対話しすぎである
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「これアメリカオニアザミです。トゲがめちゃくちゃあって問題になってるんですよー、ほら、いててててて!」雑草モヒート先輩、そんなの飲まないですよ!
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「これは全然だめですね」たしかにダメだ。鼻に刺さっているもの
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「あ、ほら、キイチゴの仲間ですよ、あった、こんなに」うおおおお、ロマン! これはモヒートが楽しみだ!
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モヒート作りに入る。まずは加藤さんの持ってきた霧吹きで草を洗い流す
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箸で数回つぶす。匂いが少ないものは揉み込んだりもする。これはヨモギなので香りも強い

炎天下、雑草モヒートを飲む

酷暑の中、一時間ほど歩いたところでそろそろ一休みしようとモヒートを作ることにした。このために駅前で氷や炭酸水を買っていたのでずっっとどこでもモヒートを作れる状態だった。私達は存在自体がカクテルバーだったのだ。

草をつぶして氷と砂糖を入れて炭酸を、ライムを切ってしぼりかきまぜる。これは見た目にうまそうだ。

まずはヨモギ、どんな味なのか??

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氷、ラム酒、砂糖、炭酸、ライムを入れていく。た、楽しい…
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ヨモギを入れた雑草モヒートができた。うわー! めっちゃうまそうじゃないですか! と盛り上がった。コツとして、器具やテーブルなどできるだけ人工物を持っていくと安全性が高まったような気がしていい

雑草モヒート、もしかしてこれうまい…!?

おそるおそるヨモギのモヒートを飲む。これはヨモギだと確定しているし馴染みのある味だしモヒートには砂糖も炭酸もライムも入っているので美味しさのベースはある。問題はないはず。

グビ。う……ん、うまい、気がする。うまいと思う。ああ、ヨモギ、なるほど、ヨモギだ。ヨモギ版モヒートだ。いいんじゃないか、うまいんじゃないか?

と、「ウメー!!」とバンザイできないのは安全性が確保されていないからだ。あくまでもおそるおそるなうまさだ。食事において最も美味しい味とは安全性なのだ!

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いけた! 美味い美味い。恐る恐るでなければ1.5倍くらいうまいけど。でもあんまり香らないかな?
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「いや、うまいですよ。香りもこれくらいでいいと思います」加藤さんは昔バーテンをやってたらしい。なんと…!! なんで隠してたんだ! どこまでも雑草モヒートにむいた男じゃないか
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いい香りといえばローズマリー。ハーブという意味ではミントと同じだ
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あ、これはうまそうだ。草が少ないのが安心だ
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これはうまい。間違いがない。生のローズマリーを酒に浮かべた味だ。思ったとおりうまいのは驚きがないが、ベーコンでチーズ巻くとか「そりゃうまいだろ」と思われるキャンプ料理を作るような楽しさがある。真夏にローズマリーモヒート。最高じゃないか
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だめそうな匂いだったドクダミ。昔から十薬とよばれ万能の薬草だというが…
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おおお、このうまそうさよ。悪かった、ドクダミ。今すごくうまそうだよ。ソーダと砂糖とライムとラム酒である程度のうまさは担保してあるのでいけるかもしれない
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「もう口を付ける前のこの段階で香りますね」なんてこと言うんだ、加藤さん
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「わかりました、絶対やっちゃだめなやつです」うまそうさの城、落城
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猛烈な草臭~!! 庭のくさむしりを体内でやるような酒だこれは! すごい酒!
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「そうですか? おれこれいけるな。くさい酒が好きなんですよ」まさかそんなことあるかな!?
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加藤「あー、これわかった、カメムシですよ、カメムシの匂い」林「カメムシの匂いも実はよくわからないんですよね」匂いに対するイメージはほんと人それぞれなんだな~!
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期待度のめちゃくちゃ高いキイチゴ。この時点でお店に出せる
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つぶしてモヒートできました。かじってみると酸っぱさがあるが、いい方向に転ぶか?
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ところがこれが「ただ酸っぱいだけですね」という結果に。モヒートの草に香りがないことでこんなに魅力がなくなるなんて! 味は砂糖とライムとラム酒で決まってるからただ香りが欲しいのだ!
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キク科からはアレチノギク。コップから雑草が出てるのがワイルドでいい
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「あー、開けたての蚊取り線香です、これは」さすがキク科。除虫菊も同じ系統
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「団地の草の匂いですね、悪くない、おいしい」これは全然悪くなかった。お金を払って飲みたいくらい。雑草モヒートバー、開店してほしい。
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「あ、これいけるんじゃないですか?」と加藤さんが推してたチドメグサ。雑草としてめちゃくちゃ繁殖力があるやつだそうだ。食べられなくもないらしいが…
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この時点ではぜんぶ美味そうにできるのがモヒートの憎いところである
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「え、これうまくないですか? うまいですよね? うまい気がするんだけど…」適度にさわやかな香りがしてグイッと飲める。とはいえ世にないものなのでどんどん自信がなくなってくる
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「あ、ほんとだ。新鮮なキュウリみたいな香りです。ライムの味とケンカしない。合わさるとシャキっとしてこっちに来る感じがする。美味しい。」意外なモヒートが見つかった。チドメグサは雑草モヒート界暫定一位!
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「これもう氷とラム酒と炭酸持ち歩いてその場でどんどん入れてったらいいなじゃないですかね?」歩くバーテンダーと化した林さん
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あ、うまいうまい、これうまいですね、とブラブラ歩く帰り道。これはいい趣味ができたぞ…

これは成立する、レジャーとしての雑草モヒート

6種類作って美味しいと思うもの4、味に変化なかったもの1、まずかったもの1という結果になった。

雑草モヒートのいいところはモヒートのそもそもの美味さだ。ライムと炭酸と砂糖と氷でおいしい飲み物が出来上がってるのでプラスアルファ、いい匂いの雑草であればだいたいのものはおいしい。くさければ悲鳴が上がる。振れ幅がものすごい。大当たりも大外れもあるので盛り上がることこのうえない。

漫画『美味しんぼ』では、その辺の野草を詰んで料理にするのが最高のごちそうだと新しい結婚式を提案する回がある。雑草モヒートはその二次会である。

その辺のものを食材として使うことにまずロマンがある。それこそが最高のごちそうじゃないか。釣りも猟も山菜採りもできない我々に残された唯一の方法、それが雑草モヒート。

毒の心配さえ取り除ければ、雑草モヒート大会はありだ。川原のトム・クルーズとしてぶいぶいいわせようじゃないか。

ライターからのお知らせ

あいちトリエンナーレ9/14土曜に開催される音楽やパフォーマンスの「MUSIC&ARTS FESTIVAL」にて明日のアーが出演します。出るんです、河村市長ごめん~!! 先に謝っておきますよ。60分、愛知のみなさまにはじめまして的なベスト盤的な内容にします。
 

2019年9月14日(土)
会場:愛知県 栄 愛知芸術文化センター

出演:
[MUSIC STAGE]
カーネーション
蓮沼執太&U-zhaan
神聖かまってちゃん
ラブリーサマーちゃん
Magic, Drums & Love
[AND STAGE]
和田彩花(TALK)
yukaD
坂口喜咲
にゃんぞぬデシ
諭吉佳作/men
[ARTS STAGE]
Maison book girl
明日のアー
梅田哲也
ソンミン・アン&ジェイソン・メイリング
※要当日有効の『あいちトリエンナーレ2019』チケット

詳細はこちら→ aichitriennale.jp/mafes/

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ごめん河村市長! 明日のアーも出ます~!
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