見切り品を買う人買わない人
スーパーやドラッグストアで店の片隅にちょこんと設置されている見切り品コーナー。
賞味期限が近い商品から季節性のある商品、パッケージや規格変更に伴いお店側が売り切ってしまいたい商品など、さまざまな理由によりお得に商品が買えるあの棚だ。
見切り品コーナーの存在こそ知っているものの、わたしは普段の買い物ではほとんど立ち寄るがことがない。というのも、どのお店の見切り品コーナーも、チラッと見た感じ奇想天外な商品が多いからだ。
食べ方がいまいちわからない食品、買っても使い切らないで賞味期限を迎えてしまいそうな調味料、得体の知れない海外のお菓子…そんな商品が並んでいる印象が強い。
今回記事の企画でそこをあえて買ってみるのはどうでしょうと編集の石川さんに相談したところ、石川さんは普段から見切り品コーナーの商品をバンバン買う人だった。
さすがデイリーに深く関わっている人だと感嘆するとともに、「なかなか買う人いないっすよね」みたいなテンションで企画を投げてしまい、嫌われていないかあとからものすごく不安になった。
そんな石川さんが最近買った見切り品を少し見せてもらったところ、辛味調味料のサンバル、箱に入ったカクテル、目玉焼き味のポテトチップスなど、やはりわたしのイメージする見切り品のオンパレードだった。
そして石川さんは、買った見切り品たちをうまく日常生活に取り入れている。
定価よりお得に買えてちゃんと普段使いできるなんて、財布にも地球にもやさしい素晴らしいコーナーじゃないか。
石川さんの見切り品エピソードを聞いて俄然やる気が出たわたしは、その足で近所にあるドラッグストアの見切り品コーナーへ向かった。
マイファースト見切り品
今回の目的は見切り品で“新たな世界を開く”ことなので、通常販売されている商品であっても見切り品であっても、普段の自分ではなかなか買わないであろう商品をあえて買うというルールを設けた。
まずはじめに最寄りのドラッグストアで購入した見切り品は、チューブタイプの『ハラペーニョ』。
エスビー食品のチューブシリーズといったら、わさびをはじめにんにく、しょうが、柚子こしょうなど、どの家庭の冷蔵庫にも1本はある有名な商品だ。
そんなチューブシリーズからハラペーニョが出ているなんて、見切り品コーナーを覗くまで気がつかなかった。つい最近同シリーズのにんにくを買っているので近くにハラペーニョもあったはずだが、いかに同じ商品ばかりめがけて買い物しているかがよくわかる。
こういう出会いが見切り品コーナーならではだ。
そして買ったはいいものの、具体的な使い方がわからない。これも見切り品コーナーならではである。
どう食べまいか考えながら晩ごはんのおかずに唐揚げを揚げ食卓に出していたら、旦那がハラペーニョをチューッと唐揚げに乗せて食べ始めた。
ハラペーニョと聞くと辛いイメージがあるので、はじめは1cmにも満たないくらいの少量を唐揚げに乗せてわたしも食べてみた。
めちゃくちゃうまかった。
辛さよりも酸味が強く感じられ、ごく普通の家の唐揚げが一気にエスニックな味わいに変化した。これはしょっぱなから大当たり!
2つ目からはハラペーニョをたっぷり乗せて食べ、結局すべての唐揚げをハラペーニョトッピングで食らいつくしてしまった。
かなりお得に購入できたので、遠慮なくガンガン使えるのもありがたい。
見切り品は身近な豪遊体験かもしれない。
まだまだ続くぜ調味料系見切り品
ハラペーニョのほかにも、やはり調味料系の見切り品はたくさん売られていた。
一見石鹸のように見えるこちらの商品も、実はオリーブオイルである。
アロマオイルでしか見かけない小さなサイズのボトルが4本入っていた。値引きシールが貼られていて外箱ではわからなかったが、『サンドメニコ』という商品名のオリーブオイルらしい。
オリーブオイルでもこのサイズのボトル、使うんだ。
しょうが、ローズマリー、にんにく、レモンと4種類のフレーバーが楽しめる。楽しめると書いたが、これまでオリーブオイルでオリーブ以外のフレーバーを楽しんだことがない。
楽しみ方がわからないところが、また見切り品らしさを感じる。
手探り状態の中、とりあえずいつも一般的なオリーブオイルをかけるトマトとモッツァレラのカプレーゼに、ローズマリーフレーバーのオリーブオイルをかけてみた。
手が滑ったわけではない。ボトルの口がフルオープンで、中のオリーブオイルがドバドバととめどなく出てしまったのだ。
普段はもう少しおいしそうにかけられるんです、信じてください!
オリーブオイル自体はすごくサラサラしていて、気にして食べてみればなんとなくローズマリーが香る…ような気がした。
一口食べた時いつもと味が違うので「本当だ!ローズマリーだ!」と思ったが、よく考えたらローズマリーがどんな味か知らなかった。
ちなみにほかの3フレーバーのしょうが、にんにく、レモンも、風味を探してみるとたしかに居るなという感じだった。
そしてこちらは、赤いパッケージとかにのイラストが目を引く『北海道かにだし』。
夏休みまっさかりの子どもたちが口を開けて待つお昼ごはんにちょうどよさそうだ、これを使ってうどんを作ってみよう。
作り方は簡単。普段めんつゆで作っているうどんスープをこのかにだしで作ったスープに差し替えるだけ。
いました、かに、ちゃんといました!
かにの旨味と甲殻類の風味、想像以上にかにがしっかり感じられ、スープひとつでこんなにも料理が変わるのかと驚いた。
うどんも冷凍うどんだけど、かにだしのおかげで高級料亭の味がする。これはほかのレシピもかなり期待できそうだ。
次は朝ごはんにかに雑炊を作ってみたい。