特集 2026年2月11日

三重出身者も知らない郷土料理「そうへいじる」を食べに三重の祭りに行った

そうへいじるを求めて僧兵祭りへ行くことにした

9月半ば、なんと律儀にY子から手紙の返事が届いた。
結論として、Y子も『そうへいじる』は、初耳だった。

「菰野町は最近地名のもとになったマコモ(むしろやしめなわの材料として古代から使われていた草)をお菓子にしたり大々的に売り出しているイメージがあります。ほんのり緑のまこもどらやきを私も食べたけどおいしかったです」(原文まま)

と書かれていた。結果的に『そうへいじる』についてはわからなかったが、まこもどらやきの情報を付け足してくれているあたりが、20年来の友人の優しさである。

なんだか、三重が恋しくなってくる。

そして、Y子の手紙をきっかけに、菰野町のニュースを調べていたら、10月5日に「僧兵祭り」があることがわかった。
そのうえ、なんと、屋台で『そうへいじる』が出るらしいという情報も見つけた。ただし、それは昨年の情報で、今年出るかどうかは行ってみるまでわからない。
似た名前の味噌味ベースの鍋、「僧兵鍋(そうへいなべ)」は郷土料理として売り出し中で旅館などでも出てくるらしい。一方この『そうへいじる』を出しているレストランなどはなかなか情報がなく、調べた限りでは、「僧兵祭り」の屋台の情報だけだった。

結論。
こうなったら行くしかない!

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いざ、僧兵祭りへ

そういうわけで10月5日の夕方、私は三重県にいた。
三重県に育ったが、僧兵祭りは全く知らなかった。

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近鉄四日市駅から湯の山温泉行きに乗り換える

四日市駅や、湯の山温泉駅にはポスターが貼ってあったので、今まで私が見逃していただけなのかもしれない。

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湯の山温泉駅に貼られたポスター

「三重県下最大の炎の祭典」とあるが、三重県下に他にどのような火祭りがあるのか浅学な私はわからない。そもそも、三重県内に限らず、“火祭り”というジャンル自体を初めて観るので、最大かどうかの基準がわからない。ちょっと戸惑わせるキャッチコピーだった。

近鉄湯の山線の終点である湯の山温泉駅は、静かだった。

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湯の山温泉駅の改札を出たところ。この駅の近くで、県下最大の炎の祭典が開催されるはずなのだが・・・。

この駅から祭りの会場まで、無料のシャトルバスが出ているらしい。混雑を恐れて早めに来たとはいえ、もう18時頃だったが、私を含めてこの駅から乗車したのは3人だけ。

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「貸切」と書いてあるが、”無料のシャトルバス”らしきバスが来た。

乗車したのは3人だったが、どこかを経由して来たらしく、バスの中にはすでに乗客が10数名いたので安心した。

バスを降りてからメイン会場まで行くためには、徒歩で10~15分ほど歩かないといけない。山道で、灯りが少なくて暗い。しかも、小雨で滑って歩きにくい。前を歩く人(赤の他人)を見失わないように必死だった。

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バスを降りてから祭りのメイン会場へ向かうところ。
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こんな石段を登る。灯りがないと恐怖が倍増する。

こんなに恐々と祭りに行く人がいるのだろうか。
それでも会場に着くと、屋台が並んでいて賑やかだった。安心した。

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小雨が降ったりやんだりしている微妙な天気だったが、けっこう人が集まっていた
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そしてついに『そうへいじる』発見!

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りんご飴やからあげなど、お祭りの常連がならんでいた

りんご飴や焼きそばなど普通の屋台はすぐ見つかったが、肝心のそうへいじるが見当たらない。
ここまで来て食べられなかったら泣き崩れるところだったが、会場のいちばん奥にあったのだ。

あった!そうへいじる!

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向かって左の一番奥に・・・
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発見!!「僧兵汁」と確かに書いてあった!!!

もちろんすぐに列に並んで、僧兵汁を注文した。
「そ、僧兵汁を一杯ください・・・」
うれしくて声が震えた。屋台の人は私がこのために埼玉県から来たなんて知る由もない。
同じ屋台で、「鹿メシ」と「しかころ」(鹿コロッケ)も売っていたので、「しかころ」も購入した。

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左が僧兵汁で、右が「しかころ」だ。どちらも500円。「鹿めし」も食べたかったが、私は給食のあった時代から、たくさん食べることができない。

この突発的な行動によって皿が増えて大変になってしまった。しかし、とにかく温かいうちに食べたい。

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芝生の上で、そうへいじるの記念撮影

小雨が降っているせいもあって、飲食できるスペースが見つからなくて困ったが、コンクリートブロックの段差を無理やりテーブルだと思って食べる。

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うれしかったので自分もそうへいじると記念撮影

おいしい!
小雨の中で食べるあつあつの僧兵汁が、冷えて疲れた体の内側にそのまま染み込んでいく。濃厚な味噌味のおかげか、具材はばらけず、ぎゅっと一体になっている感じがする。

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お腹が空いていたので、何が入っているのかじっくり研究することを忘れて完食してしまった。

屋台のテイクアウト用の小さなお椀ではなく、家庭で使うような大きなどんぶりで腹いっぱい食べたとしたら、そのまま畳に寝転がって、何も考えずにぐっすり眠ってしまいそうだと思った。

「しかころ」も、鹿の味がするのかどうかはよくわからなかったが、おいしかった。

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揚げたてのしかころは、サクサクで、ちょうどいい大きさだった。

⏩ 僧兵が普通にいる

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