マイメロが好きだ
サンリオには小さな頃から縁があって親しみを感じている。幼稚園に持って行く巾着袋は「ザ ラナバウツ」の柄だったし、実家のWindows98のパソコンにはサンリオのゲームがインストールされていた。
今やサンリオキャラクターの数は450を超えているが、その中でも僕が推しているのはマイメロディだ。なんといっても可愛いからである。

マイメロディは童話「赤ずきん」とウサギの要素をかけ合わせて擬人化されたキャラクターで、デビュー年は1975年と結構古い。

マイメロの魅力を伝えたくて色々と考えたが「可愛くて癒される」以外の言葉が思いつかなかった。
ただ、マイメロのことを頭の中で念じると胸の奥が暖かくなってくる。体感で45℃くらいの温度をハートで感じられるのだ。これぞ信仰の賜物である。
ハーモニーランドに車で向かう
さて、僕が住んでいる宮崎県の高千穂町からハーモニーランドまでは車で2時間半かかる。遠いようにも感じるが宮崎市内までの所要時間とそう変わらないので生活圏内みたいなものだ。

今回、マイメロと触れ合えるのは開園直後から20分間だけの限られた時間だけ。
早めに家を出るつもりだったが、出発直前に持ち出し厳禁の職場の鍵が家にあることに気づいて届けに行き、朝の貴重な30分を棒に振った。
そして道中で繋がれていない犬が反対車線をのっそのっそと歩いているのに戸惑ってこれまた数分の遅れ。ままならない。


犬に夢中になったおかげで少し遅れてしまったが、開園の5分後にはハーモニーランドの駐車場にたどり着いた。


マイメロが帰るまであと少しの時間しかない。
駐車場から受付まで急いで向かっていると、幼稚園児くらいの女の子が嬉しそうに走っていく姿が目に入った。彼女に置いていかれた両親は「走ったら危ないよ~!」と後ろから声をかけている。
こんなに楽しそうなところ、そりゃ走りたくなるだろ!と思った。
憧れのマイメロと会う
下調べによると入園してすぐの広場にマイメロがいるということなので、他に目もくれず目的地に向かう。

遠くにそれらしい人だかりができている!間に合った!

……いた!分かってはいたけれど本当にマイメロがいた!
カメラを構える来園者に向かってさまざまなポーズを取っている。可愛すぎる。囲んでいる人たち皆が笑顔だ。

ツーショットのチャンスを伺うも、人見知りしてしまいなかなか近寄れない。

ここまで来ているのに恥ずかしがるほうが格好わるい。
そう分かっているのに動けずにおずおずしていると、向こうのほうから近づいてきてくれた。

マイメロが近づいてくると僕は感動のあまりか無意識に身を屈めた。
インドでは敬意を表すために、相手の目の前にひざまずいて足元の塵をいただいて自分の頭に乗せるという風習があると本で読んだことがある。それを反射的に実践していたのだ。なにもこんなところで発動させなくても。


一緒に数枚の写真を撮ってもらったあと、ありがとうございましたと挨拶をしてお別れした。敬意が止まらない。
好きなキャラクターに会うのが目的でテーマパークを訪れるのは初めてだったが、とても楽しいものだ。ただただ幸せな時間だった。