岡崎の計測情報はしてんマップにて
今回の探訪で測った結果はしてんマップに掲載されている。数字から見る岡崎市の魅力を味わって欲しい。
岡崎城にあった顔はめパネル。家康と竹千代、それぞれの穴にメジャーを当て始めた林さん。
顔はめの穴の大きさを計測後、徳川家康家臣団筆頭を名乗る人物が現れた。いただいた名刺には酒井忠次と書いてある。このお城を守る武将隊のメンバーらしい。
穴のサイズの計測結果を酒井忠次さんに告げたら会話が盛り上がるのに!と思って林さんを見ていたが、一向にその話を口にしない。僕がでしゃばるわけにもいかないので黙っているしかない。
結局、林さんの口から穴のサイズの話は出てこなかった。酒井忠次さんから「楽しんでまいれ!」と言われて別れたが、どうして告げなかったのだろう?
きっと、
酒井忠次さんに「家康公の顔の大きさは20センチでしたよ!」と告げたとしても、「お、おお、そうじゃったかの……」というくらいの反応しか返ってこない。
これまでにあらゆるものを計測して数値化してきた林さんには、そんなやり取りが見えていたのだと思う。
次にメジャーを当てたのは、静かな公園に佇む味わい深い壁。
先ほど乙川のベンチで感じた驚きと同じ類の発見である。この昭和を感じさせるイラストが描かれた壁が約4畳。実家の僕の部屋が4畳半なので、ほぼ同じサイズである。こんなに狭い場所で大学卒業まで過ごしていたのか!そんな思いでこの壁を見つめていると、このイラストが僕の半生を表しているかのように見えてきた。
約4畳というリアルな数字を突きつけられたことで、心の奥の深淵をのぞいてしまったのだろうか。
……。
いやいやいや、そんなことはない!
こんな半生ないだろ。
測ることで得る新たな「してん」で見えたもの。それを知ったところでそれほど役に立つことはない。ただ、計測器を町に向けることで、その町の、自分だけの、秘密を知ったような気分になれる。それは、明日誰かに言いたくなるような情報ではなく、ましてや初対面の武将に言うようなことでもなく、あくまでも自分の中の楽しみとしてとっておくもの。
そんなことを町中で色々なものに計測器を当てている林さんを見ていて感じた。
しかし、時には人に伝えたい情報もある。
初対面の武将、酒井忠次さんに以下の情報をお伝えしたい。少しは役に立ちそうだから。
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