まずはマンホール踏みゲームのルールをご説明
ルールとは言っても所詮は小学生時代の私が考えたものなので、そう複雑なものではない。いたって単純明快。
まず最初、校門を出る時(スタート時)に歩くことができるのは30歩。それは足を一歩踏み出すたびに1ずつ減って行くのだが、マンホールを踏めば10歩、歩数が加算される。黄色い枠に縁取られたマンホールは特別で、30歩加算。
そうしたルールのもと、マンホールを踏みながら家に帰り、残り歩数が0になる前に家に着くことができたらゲームクリア。家に着く前に、残り歩数が0になってしまったらゲームオーバー。
無事クリアできたらその日はきっと良い事が待っている。ゲームオーバーになってしまったら、その日はきっと最悪なことが起きてしまう。そのようにして、小学生の私は一人で家に帰ることに楽しみを見出していたのだ。
出社途中のマンホール踏み
それでは、このマンホール踏みゲームを実践してみたい。
大人になった現在、小学校から帰宅するというシチュエーションはなかなかない。このご時世、私なんぞが小学校の門の前に立っていたら、それだけで通報されかねない。ここは無難に会社に行くという設定でマンホール踏みをやってみよう。
スタート地点は都電荒川線の面影橋駅、ゴールは山手線の目白駅、全長約1.5kmのコースとする。その間、残り歩数が0にならないよう、マンホールを踏みながら歩いていこう。
最初に持っている歩数は30歩。最初のマンホールを踏むまでに消費した歩数は9歩。マンホールを踏んで10歩追加されたので、30-9+10で残りは31歩。
うむ、わずかではあるが儲かった。幸先良いぞ。さぁ続けて近くのマンホールを目指し突き進もう。大股で。
おぉ、凄い。マンホールがひぃふぅみぃ……5つもある!素晴らしい。これはまるで畑だ。マンホール畑だ。ほとんど歩数の消費無しにこれだけのマンホールを踏めるとなると、相当の貯蓄ができるってモンだろう。
よーし、それ収穫だ。やれ収穫だ。祭りだ祭りだ、わっしょいわっしょい。
マンホール畑に至るまでの歩数が5歩で残り26歩。マンホール畑で50歩が追加され、残り歩数はあっという間に76歩にまで膨れ上がった。
なーんだ、この調子なら楽勝じゃん。そう思ったあなた、残念ながらこのマンホール踏みゲーム、そんな簡単にいくものではないのですよ。そう、本当の地獄はここからだ。
いやはや、危ない危ない。マンホール踏みに熱中しすぎてしまうと、周囲が見えなくなってしまう。接近してくる車にすら気づかなくなってしまう。どんなにマンホール踏みが楽しくても、車だけには気をつけないと。
しかし小学校の頃、マンホール踏みをしていて車にひやりとしたことはそう無かったはずだが。あの頃より車の量が増えたということか。それとも、私の出身地が交通量の少ないイナカだっただけか……
まぁ、どちらにしろ車にだけは気をつけましょう。時にはマンホールの上に固執しないで横に避けることも必要です。一歩消費してしまうけどね。