カバータイプのチャイルドシートに憧れた幼少期
私は幼少期、母の自転車の後ろに乗って幼稚園に通っていた。その時乗っていたのはこういう椅子タイプのチャイルドシートだった。
そして憧れていたのは「椅子ごとカバーされているタイプ」のチャイルドシートだ。
幼稚園児当時から憧れていたというより、正確に言うともうチャイルドシートに乗れなくなった頃に憧れが芽生えたのだと思う。幼稚園児の時は椅子タイプのチャイルドシートに慣れていたのでなんとも思わなかったが、小学生くらいになってカバータイプに出会うたびに「あれに乗ってみたかったな〜」といつも羨望のまなざしを向けていた。
当時のことを母に聞いてみました。
んちゅ:カバータイプのチャイルドシートにしようとは思わなかった?
母:思わなかった。存在は知っていたけど、特に検討しなかった。
んちゅ:当時(2004年頃)そこまで普及してなかったとか?
母:そこまで普及してなかったというのもあるけど、おしゃべりしたかったので。
んちゅ:ビニール越しだと声聞こえにくいもんね
んちゅ:私からカバータイプにしたいって言ったことはない?
母:ないと思う!憧れてたのは知らなかった
んちゅ:実はひそかに憧れていてね。
雨の日は歩いて行けるぐらいの距離に幼稚園があったのも使わなかった理由のひとつかもしれない。雨でも自転車に乗らざるを得ない場合はあったほうがいいのかも。
大人が入れるサイズを作る
とはいえ今自転車の後ろにチャイルドシートを取り付けて乗るのは危ないので、自分が入れるサイズのシートを自作しようと思い立った。百均に行ったらちょうどよさそうな洗濯物入れがあったので、メッシュの部分をビニールにすればいい!と思い買ったが、
狭い&理想の形じゃなかったので諦めた。針金と布とガムテープがあればそれっぽくできそうなので、もうゼロから作り出してしまおう。
自転車屋さんなどに実物を見に行く時間がなく、画像検索しながら想像だけで作ったのでずっと不安だった。町中で理想の形のチャイルドシートを見つけるたびに、横をゆっくり通って観察した。立ち止まって構造をじっくり見たかったけれど、不審者情報として地域にメールが一斉送信されるかもしれないので我慢した。
ここまでできたらあとは形を整えるだけだ。黒いガムテープでとにかく補強しまくっていたらなんとか形にできた。
そして2日かけて完成させたものがこちらです!
我ながらかなりそれっぽくできたのではなかろうか!黒い不織布(底部分)とガムテープ(側面)の防水っぽい質感も相まってチャイルドシートっぽさが出ている。画像手前の観音開き部分を後ろにして足を出し、正座で入る想定です。
早く入って中からの景色を眺めたい。流れる景色を透明な窓越しに見たい。あの頃の夢を今日こそ叶えるんだ。
夢叶えプラン①台車に乗って押してもらう
というわけで、編集長の林さんとべつやくさんと河川敷にやってきた。チャイルドシートの中に入って移動できないですかね…と相談したところ、台車を持ってきてくれた。台車に乗りたいと思っていたのでありがたい。
チャイルドシートを被り、台車に座り、押してみてもらおう!移動する爽快感とスリルを安全に味わうにはベストな方法でしょうから。
自転車の後ろから何かの拍子にワープしてしまったみたいになった!落としたチャイルドシートが後ろからきた台車に偶然うまく乗ってしまったのかも。近くをチャイルドシートのない自転車が通りかかったら「お子さんとチャイルドシート落としましたよ!」と台車を押して追うかもしれない。
地面が近すぎるからか、こたつでくつろいでるみたいで自転車感は薄いな…。
さっそく園児役になって、自転車役の台車を保護者役の林さんに押してもらおう。
ビニール越しに景色が流れていく!囲われている安心感とビニールのにおい、日差し、音、振動。20年越しにようやく味わうことができた。こういうことだったのか!ずっと憧れていた感覚はこういう感じだったのか………。
気のせいか、目の前にサドルに乗った親の背中すら見えてきた。
台車を押す様子が見えない方がリアルなのでは?ということになり、チャイルドシート部分のみに寄って撮ってみた。
顔周りだけ撮るとよりチャイルドシートに見える!少々景色が低いのが気になるけれど、車高の低い自転車だと思えばよかろう。とにかく私は乗っている感覚を味わうことさえできれば満足なのだ。写真上の見栄えはとりあえずなんだっていい。
【台車の感想】
・台車に乗って移動するのがそもそも楽しい
・ビニール越しに流れる景色に感動した
・囲われている安心感でテンションが上がる
・直に正座しているので振動がスネに来る
・自転車の振動を吸収している尻は優秀
・景色が低いので自転車っぽさは薄い
夢叶えプラン②被って走る
台車もかなり楽しかったが、目線を自転車に寄せるために台車から降りて自力で走ってみることにした。台車では自転車の「自分以外の力で動く」部分を再現したが、今度は「目線が高い」部分を再現してみよう。
周りの景色が高くなることでグッと自転車っぽさが増した。これはもうチャイルドシートです!画像左側に親の背中が見えるもん。
前に親が乗っていると思ってご覧ください。
・見える景色の高さがちょうど自転車っぽい
・自力で進むので”自転車に乗っている感”は薄い
・走るときの頭の振動が自転車っぽい
・中で柱をしっかり支えていないと不安定なので手が疲れる
諦めなければ夢は叶う
20年来の夢を(変な形で)叶えることができた。この達成感が味わえたのも、幼い私とおしゃべりしたいからという平和な理由でカバータイプにしなかった母の選択のおかげである。人生何があるかわからないですね。20年後に自作のチャイルドシートを被って川沿いを走ることになるとは思わなかった。さらに20年後にはまた別の夢が(変な形で)叶っているかもしれない。
ここから
会員特典コンテンツです
この先は「デイリーポータルZをはげます会」会員向けの有料コンテンツです。会員になるとごらんいただけます。

