特集 2022年2月4日

富士の恵みぜんぶ盛り!「富士の恵みミックスジュース」を作る

富士宮市という街がある。富士信仰の中心となった富士山本宮浅間大社の門前町で、日本一の高低差がある街だ。富士山の美しい水により、農業、畜産、養鱒などが活発で、富士の恵を存分に感じられる場所でもある。

そんな街の野菜や果物などを集めて、富士の恵みが集結したミックスジュースを作りたいと思う。個別に食べても美味しいけれど、それらが集結してミックスジュースとなるのだ。美味しいに違いない。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

富士宮市に行く

静岡県富士宮市。その名の通り訪れれば、富士山が作り出す景観を楽しむことができる。目の前に富士山があるし、その富士山の伏流水により美しい水が流れる。また火山灰土なので水はけのよい土壌を作り出している。 

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富士宮市に来ました!

私が住む東京・狛江市からも富士山は見えるのだけれど、富士宮市の富士山はやっぱり大きい。とても清らかな気持ちになる。いつもは「金こそすべてだ」と思っているけれど、富士山を前にすると「お金こそすべてですわ」と清らかな言葉遣いになるのだ。

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水も美しいですな!(白糸の滝)

富士宮市と言えば「富士宮やきそば」が有名だ。豊かな湧水により食品加工業が発展してきた背景がある。この豊富な湧水というのもポイントの一つで、富士宮市には素晴らしき農産物がたくさんあるのだ。

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絵葉書みたいだもん!

今回はそんな農産物を集めて、ミックスジュースを作ろうと思う。それぞれ単体で食べてもいいのだけれど、美味しいもの1つより、美味しいもの2つの方がより美味しいと思うのだ。そこでミックスジュース。美味しさの足し算がミックスジュースなのだ。

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富士山ですな!
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野菜を集める

富士宮には「幻のにんじん」と言われる「村山にんじん」がある。富士山の火山灰土で作られる伝統野菜で、富士宮市村山地区で育てられている。以前は盛んに栽培されていたけれど、高齢化で生産者が減り幻のにんじんと言われるようになった。 

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村山にんじん
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村山にんじんのかき揚げ、美味しかった!

太さは5センチほどで長いものは1メートルほどになる。香りが強く、味も濃い。昔ながらのにんじんと言えばいいのだろうか、懐かしく感じる味わいだ。野菜の味にも流行りがあるのだけれど、この村山にんじんはイメージするにんじんの味だった。

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キャベツ!

富士宮やきそばからもわかるように、富士宮といえばキャベツ。太平洋に面しており、雪が降らず、晴天が多いことから年間を通して葉物野菜の生産が行われている。もちろん美しい水、水はけのよい土壌が美味しいキャベツを作り出しているのだ。

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今回は芽キャベツを使います!
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小さいキャベツ!

直売所に行ったら芽キャベツがあったので、今回はそっちをミックスジュースに使うことにした。大きいとミキサーに入れる際に大変かなと思って。小さいってかわいい。キャベツと同じように冷涼な気候を好む。

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いちご!

いちごも購入した。「きらぴ香」だ。富士宮のいちご生産の歴史は古く、かつては富士山2合目で苗の管理を行っていたそうだ。きらぴ香は近年の品種で、甘く香りがフルーティーなのが特徴で、静岡でしか栽培されていない。

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他にトマトも買いました!
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ワサビを買う

富士宮市と言えば「ニジマス」ということになる。それはなぜか、生産量が日本一だからだ。散々書いている富士山の豊富な伏流水がニジマスの養殖に繁栄をもたらしたのだ。美しい水は美しいニジマスを育てる。 

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富士養鱒場で、
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ニジマスを、
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見ることができます!

富士養鱒場に行けば、300円で観覧することができる。ニジマスは大きく見ていて楽しい。餌も100円で買えて、餌やりもできる。ハードな音楽のライブの最前席かと思うほどニジマス達の熱く激しいパッションを見ることができる。

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餌をあげると、
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バッチャンバッチャン!

昭和8年に富士養鱒場は開設された。昭和31年にはアルビノニジマスが出現して、今も富士養鱒場に行けばアルビノニジマスを見ることができる。平成21年には市の魚としてニジマスが認定されている。

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アルビノニジマス!
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市内ではニジマス料理を出すお店もあります!

問題点としては、今回はミックスジュースを作るので、ニジマスは合わないだろう、ということだ。そこでワサビをチョイスした。ニジマスをお刺身でいただく際には、ワサビは必須だろう。富士宮、もちろんワサビもございます。

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ワサビです!

ワサビを育てる際は水が重要なポイントなる。畑(陸)ワサビもあるのだけれど、富士宮のように水に恵まれた場所では沢ワサビの生産に向いている。沢ワサビは、いわゆる畑と違い、砂や礫が主体になるので肥料成分を土と異なり吸着し保持する力が弱い。

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沢ワサビの畑

そのため畑に流れる水が重要になってくる。水が養分を供給するのだ。そこは富士山の恵みの水だから、ミネラルを豊富に含んだ水だから、そりゃ美味しいワサビができるわけだ。ミックスジュースのよいアクセントとなるだろう。

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うん、いい香り!
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卵と牛乳

ミックスジュースにはぜひ牛乳を入れたい。富士宮は酪農でも有名なのだ。高低差があるので、高原がある。「朝霧高原」だ。その辺りを走れば富士山をバックに牧草を食べる牛を見ることができる。 

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雄大!
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とても雄大!

今回は「あさぎり牛乳」を購入した。富士山の雪解け水と、澄んだ空気で育てられた牛から搾られた生乳100%で作られた牛乳だ。飲んでみると濃厚で美味しかった。工場も標高900メートルの地点にある。

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買いました!

次は卵だ。ミックスジュースには卵を入れたい派なのだ。卵を入れることで、まろやかで、深みのある味わいになると信じて疑わない派なのだ。美味しい卵が必要だ。でも、大丈夫。ございます、富士宮には美味しい卵がございます。

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買いました!

富士宮は鶏卵生産量が日本一。今回はあさぎり宝山ファームの「富士の名月」という卵を買った。バナジウムを含んだ富士の伏流水と、乳酸菌などの有機微生物により「発酵分解」された配合飼料で育った鶏の卵だ。専門でないので「発酵分解された配合飼料」とか全然わからないのだけれど、美味しそうな気がする。

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これで全部揃いました!
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ミックスジュースを作る

食材は揃った。あとはミックスジュースを作るだけ。食材を適度なサイズに切って、ミキサーに入れる。ちなみに直売所を巡ったり、牛を見たりで1日かかった。ただ買うだけではなく、育った環境を見ることで、より美味しく感じられるのだ。 

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食材をミキサーに入れて、
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牛乳を注いで、
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スイッチを、
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押す!
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完成です!!!

イチゴやにんじん、トマトにより、実に美しい色合いになった。イチゴの香りも強く、飲む前から美味しいのがわかる。何より富士の恵みのミックスジュースなのだ。美味しくないはずがないのだ。

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飲む!

まろやかであり、深みがあり、ワサビも入っているけれど、個々の味は消え、調和の取れた美味しいミックスジュースになっていた。個人プレーではなく、チームプレー。ただ体にいいな、と感じる味も残っている。そこも重要。せっかく飲むなら美味しいだけではなく、体にもよくあって欲しいから。

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美味しい!!!

富士の恵みに間違いはなかった。富士山の水や澄んだ空気、富士宮の高低差が生み出す美味しさだ。それを富士山を見ながら飲むのがいい。全てがここにあるのだ。問題点を挙げれば、すごく寒いことだろうか。日が暮れると標高が高い場所は特に寒い。

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富士の恵みミックスジュース!

地域のミックスジュース

富士の恵み、というのがポイントで食材の前にそれをつけるとなんでも美味しく感じる。「富士の恵み牛乳」「富士の恵みイチゴ」のように。実際に見て回ると富士の恵みは間違いないと感じるし、飲んでみるとさらに間違いないとわかる。結果、「富士の恵みミックスジュース」が完成した。美味しい。飲むことで「富士の恵みの私」が完成するのだ。

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回らなくてもここでだいたい買える! 今回は回ったけど!

 

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