1か月間毎日食べ物を毛糸で編む
引きこもっていた2020年5月。1か月間、毎日毛糸で食べ物を編んでみよう! そう決めて編んだ食べ物がこちらにズラッと。
パッと見でなにか分かるものも、よく分からないものもあるだろう。チャレンジ生活を振り返りつつ、ひとつずつ紹介したい。
プレイバック、ゴールデンウィーク
4月末日、突然思い付いて翌日からスタートした編み物生活。
毎日その日に「今日はこのぐらい時間があるから、このお題にしよう」と決める。編んだものはTwitterやInstagramで配信した。
時間がある日はそこそこボリュームがあるものを、時間がない日は小さめのものでもいいから、お題を決めてひとつ完成させることにした。
色や形に凝りだすと時間がかかるが、小さなものなら1~2時間で済む。
ふたつも編むなんて、この日は時間に余裕があったんだろう。編んだもののボリュームによって、その日の生活を振り返ることもできる。
平日は、時短で作れる食べ物を
連休中に「時間もあるしなにか始めよう!」というノリで始めたこのチャレンジだったが……そうだ、連休って終わるのだ。(なぜなら会社員だから)
平日はリモート勤務で隙間時間は作りやすいとはいえ、夜までは仕事。日によって確保できる時間にムラはあるが、生活そのものに多少の余裕を持たせるためには「短時間でちゃちゃっと作れる食べ物を探せるか」が勝負になる。 編み物の話のはずなのに、時短家事みたいな話になってきた。
忙しい日はふつうに眠りたいので、「食事をカップ麺で済ます」ような感覚で、短時間(2時間程度)で済みそうなものを選んだ。小さなもの、色や作りが単純なもの、誤魔化しがききそうなものがいいだろう。
(日にちが飛んだ分はあとで登場します)
短時間で済まそうという理由で選んでも、作ってみると予想以上に時間がかかったりする。例えばこれは「形が適当でもなんとかなりそう」という理由で選んだ『明太子』だ。2時間で終えたかったが、倍かかった。
実際の明太子は生モノなので、材質が毛だとものすごく表現しづらい。どうしたらいいのか分からなくなったあげく、血管などを入れたら妙に得体のしれない生き物みたいになった。
そしてこちらも小さいと思ってナメてたら、なかなか終わらなかったやつ。食べ物なんだからもっとサラッと作ればいいのに、加減が難しい。
時短で済まそうとして、思った以上にスッキリ済むこともある。予定通りに片付くと気分が良い。
仕事が終わって風呂に浸かりつつ「この時間からなら、なにが編めるか」と考える習慣が定着してきた。
家族のために献立を考える主婦のみなさんは、日々こんな感じに「時間内に手際よくできるもの」を考えているのだろう。(勝手な想像です)
日によっては、夜11時を過ぎて「この時間に作るものが決まってないのはまずい……」と風呂の中で脳みそをフル回転させて時短メニュー(編みやすそうな食べ物)を考える。あまりに思い浮かばないと「罰ゲームか……」とすら思えてくる。
そんな中で編んだ、時短メニュー・ベスト3(要するに手抜き。所要時間は20~30分程度)がこちら。
『しらたき』については、一番手を抜いたのにTwitterで一番反響があった。え、なんでだ。
分かりやすいもの、分かりづらいもの
個人的に、野菜・果物は特徴を捉えやすくて作りやすい。説明も少なくて済む。
逆に特徴を捉えづらく、しっかり説明しないと分かってもらいづらいものもある。そういう場合は、言い切るしかない。
毎日やっているとトラブルもある。完成して撮影をしようとしたそのとき、横に置いてあった牛乳の入ったコップが倒れた。こぼれた牛乳をあっという間に吸収したのがこちら……。
急いで丸洗いして乾かしてたら雨に降られまたずぶ濡れに。めんどくさくてその後放置しっぱなしだ……。また洗わなくては……。
むき出しではなく、梱包してある食べ物もいくつか編んだ。
チューブや缶は文字を変えるだけでまったく別物になる。文字さえ変えれば、歯磨き粉にもサバの味噌煮の缶詰にもなる。
自分好みの鮭を作ったところでゴール
1か月間そんな生活を続け、ようやく最終日。長かった……!! 達成感と解放感。脳内でサライが聴こえてくる。SNSで公開しているうちに楽しみにしてくれる人たちも現れ、最終日に労われたりもした。ありがたい。
そんな最終日には、『鮭の切り身』を作った。自分が好きな脂身たっぷり、皮がカリカリに焼けそうな鮭をイメージしたら、言わずともそれを感じ取ってくれた人がいて嬉しかった。
無事、31種類編むことができた。終わった……。もう編みやすい食べ物について考えなくていいのか……!!
終盤、「ここまできていきなり急病で中断せざるを得なかったら中途半端すぎるな……」とふと思ったりもしたが、何事もなくてよかった。
チャレンジが終わったところで、この企画は終わり……ではなくもうちょっと続きます。
編んだものが載ったスーパーのチラシを作る
今回編んだものを使って、スーパーのチラシ風のものを作りたい。実はそう思いながら1か月間制作していた。
というか、前々から「編み物を使ったスーパーのチラシを作りたい」とは思っていて、今回は勢いで「チラシに載せる用の品」を作ってみた感じだったのだ。
どんなものを作りたかったのかというと、こんなもの。
編んだものがズラッと載った、架空店舗「スーパーマーケットさくらい」のチラシっぽいものができあがった。これをやりたかったので、スーパーに売ってそうなものばかりを作っていたのだった。
チラシそのものやスーパーのロゴのデザインは、友人のタナゴさんにお願いした。なので、これはコラボ作品ということになる。
チラシにするならもうちょっと品数が欲しかったので、スーパーに売ってそうな日用品と、めでたそうなかまぼこも追加した。
たくさんの品を編めた上に、スーパーマーケット感あふれるチラシが完成して満足だ。この「スーパーマーケットさくらい」の品数については、今後もっと増やしていけたら楽しいだろうなぁ。
毎日「食べ物を編まないと眠れない」というルールにしたため、生活がかなり乱れた。「朝めちゃめちゃ早起きして毎日編む」というルールにしておけばよかった。せっかく株主ダイエットのときに、企画に便乗して生活リズムと整えていたのに。
それはそうと「スーパーマーケットさくらい」のチラシについては、近々クリアファイルを販売開始することになった。開始したらTwitterで告知します。