生ライチとの遭遇
実は、先述した記事は2年前のもの。
しかし、わたしはこの記事を読んでから今まで、折に触れて『ライチと肉の串焼き…か…』と、その未知の料理に思いを馳せてきた。
ライチと肉の串焼き…きっと一生食べることはない。なぜなら、ライチってそこらへんのスーパーには売ってないから。そして、自らライチをゲットしに行くほどの熱量も持ち合わせておらず…。
そう諦めかけていたある日、偶然通りかかった八百屋で見つけたのである。生ライチを…!
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チャンスはいつだって突然やってくる。
わたしの人生において、ライチと肉の串焼きをするタイミングは今しかない。
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わたしは迷わず、生ライチを購入。そして後日、速やかに肉と串を買いに走った。
生ライチは超甘い
せっかくなので、他のフルーツも肉と一緒に串焼きにしてみることにした。
ライチ、ソルダム、プルーンを食べるのは人生初。
ひとまず、調理する前に、今まで食べたことのなかったフルーツを食べてみる。
生ライチはとにかく甘い。それでいて、ほのかに木の実のようなえぐみがある。ただ、それ以上に猛烈に甘く、食感もプリプリしていて、これが人工物ではないことがにわかに信じられないくらい、食品として強い。
皮がイボイボで硬くなかったら、全部虫や鳥が食いつくしてしまうだろう。(生ライチの美味しさについては、DPZライター安藤さんの記事や、月餅さんの記事をご覧ください)
ソルダムは、青果売り場の概念みたいな味がする。汁っぽくてめちゃくちゃ手と口が汚れるという点を除けば、かなり好きだ。
プルーンは酸っぱい...!ドライプルーンを想像して食べるとややショックを受けるくらい酸味が強い。玄人向けの味に感じた。(※個体差があるかもしれません)
当たり前だが、ソルダムとプルーンは中央に大きい種があるので串が通りにくかった。
そしてライチ。ライチも中央に種があるので刺しにくい。
みかん、すいか、パイナップルは最高に串刺ししやすくて感動した。ライチ串刺しバイトとみかん串刺しバイトがあったら、前者の時給を後者の1.5倍にすべきである。
特にパイナップルは、適度に実に密度があるので、刺した後の安定感もバッチリ。焼く前から流石の貫禄を見せつけてきた。
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部屋の匂いはイカ焼き屋
ここからは焼く工程。
肉に火が通るより先に、ソルダムとプルーンは網の接地面からぐずぐずと崩れていく。網を伝って垂れた汁はやがて炭になり、部屋の匂いはますます祭りに近づく。
こうして珍しいフルーツを相手にてんやわんやしていると、みかん、パイナップル、スイカの手のかからなさに感心する。
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なぜ煙が上がらない?なぜ汁が垂れない?なぜ焦げない?不思議だ。詳しい人がいたら教えてください。
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美味しいライチと、美味しい肉
なんやかんやありつつ、焼きあがったものがこちら。
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前提としてわたしは、フルーツの入った料理がすべからく好きだ。だから、かなりワクワクしている。
まずは、問題のライチ串から。
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ガツンとした甘さはそのままに、瑞々しさ(汁気)は減少。しかし、それが逆に手や顔が汚れにくくて食べやすいというメリットになっている。
そして、肝心の肉との食べ合わせ。
わたしの感想は、「ライチと肉を交互に食べているな」。
間違いなく美味しいのだが、互いに美味さを高め合っているわけではなく、ただただ美味いライチと肉が交互に刺さった串である。
しかし、交互に食べることにより、お互いの過剰な部分(ライチの甘さ・ランプの肉肉しさ)を中和し合っているので、そういう点においては良い組み合わせであると言える。
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それはそれとして、大学で大量に獲れたライチを持て余し、友達と一緒にライチと肉の串焼きを食べるのは最高に楽しいだろうなと思う。
パイナップルはすごい
次は、ソルダム・プルーン串。
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加熱したソルダム、美味しい!さらに甘く、そして柔らかくなっている。汁を炭化させて部屋の匂いをイカ焼き屋さんにしながら焼いた甲斐があった。あと、温かい果物って美味しい。
しかし、肉との相性は微妙。甘い香りが肉を邪魔しているように感じた。しかも、手と口と皿が猛烈に汚れるため、BBQなどには不向きである。
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プルーン…これは加熱前後で味にほとんど変化がない。やや酸味が飛び、ドライプルーンの残像を感じた程度。肉との相性もまずまず。あと、これも手と口と皿が汚れるので、BBQ向きではない。
結論から言うと、結局パイナップルが一番美味しかった。
パイナップルってすごい。単体で成り立つ華やかさな味にも関わらず、肉との相性は抜群。しかも食べやすくて、色も華やか。そして何と言っても、『種がない・汁気が少ない・焦げない』の超都合の良いナイナイ尽くし。もう全部これでいいじゃん。やっぱり世間的にウケているものには理由がある。
ちなみに、みかんは甘味が増し(知ってた)、スイカは何故かみずみずしさが変わらなかった(本当に何故?)。どちらも肉との相性はまずまず。
ライチと肉の串焼きのタイミング
実食したフルーツと肉の串焼きのおすすめ度を順位付けするとこうなる。
1位 パイナップル
~越えられない壁~
2位 ライチ
3位 みかん・すいか
4位 ソルダム・プルーン
…そもそもライチと肉の串焼きとは、1人2.5キロ無料でライチが配られる環境にいる人間が食べるものである。
よって、わたしから言えることは、『ライチと肉の串焼きに手を出すのは、とりあえず飽きるまで生ライチを食べてからでOK』ということだ。
きっとわたしも、身体がライチに慣れていたら、ライチと肉の串焼きをもっと美味しく食べられたはず。パイナップルと肉の串焼きだって、素直に美味しく感じられたのは、パイナップルが年がら年中食べられる恵まれた環境にいるからだろう。
だからこそみなさんには、焦らずに各々のタイミングを待ってほしい。大丈夫、ライチと肉の串焼きは逃げない。
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日本における生ライチは結構レアだ。
もし手にする機会があったら、まずはそのまま食べまくることをオススメする。
串焼きにして肉で挟まなくても、生ライチは十分すぎるほどに美味しい。

