ローカル偉人として、治水家、政治家、教育者などは多いのですが、発明家というのも意外といます。
飯塚伊賀七、僕は数年前、土浦の古本屋でみつけて買った『飯塚伊賀七』(田村竹男/崙書房)という本で知りました。
時計も、歯車や部品が全て木製の巨大な時計を作り、村に時間を知らせていたそうです。
江戸時代の谷田部あたりは、純粋な農村部で、機械加工の技術が集積しているわけではなかったのに、これほど精密な「からくり」を一人で作っていたということで、よほどの天才だったのではないかと言われています。
伊賀七の「からくり」伝説は他にもあり。
・測量するための機械(ウォーキングメジャーのようなもの)を作って谷田部領内を測量した。
・自作の木製自転車(ペダルを足で回す)を作って乗り回していた。
・誰も開けることが出来ない箱を作った。蓋がわからないので、誰も開けられず、蔵が無くなったときに紛失。
・足でペダルを回し、羽をバタバタさせるタイプの人力飛行機を作り、筑波山から谷田部まで飛ぼうとした。
・飛行許可を殿様に願いを出したところ「人心を惑わす」「殿様の頭上を飛ぶとはもってのほか」と言われて許可が出なかった。
・家の向いの酒屋に酒を買いに行くからくり人形を作ってお使いに行かせていた。
・豆腐を買いに行ったときは途中で止まったことがあった。
など、興味深いエピソードが多い人物です。つくばは、昔からこういった科学技術に異常な才能を持つ人間が生まれたり、集まったりする土地柄なのかもしれません。
ちなみに、飯塚伊賀七の巨大木製和時計などを修復し、世に紹介した田村竹男氏は、つくばの高層気象台に勤めていたそうです。