はげます会限定記事(途中から有料) 2023年9月26日

5000円使って、南米スーパーの未知の飲食物たちを買い集めてみた

「5000円で好きな店で好きなもんを買ってきてください!」という夢のような司令を受けてしまった。

めちゃくちゃうれしい。だけどその一方で悩んだ。この世界、行きたいお店があまりに多すぎるのである。

だったらいっそ「一度も体験したことがないもの」に、このお金と機会をぶちこんだらどうだろう。

というわけで、南米の輸入食品を扱うお店「キョーダイマーケット」で、いろいろ買い込んでみた。

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1981年群馬県生まれ。ライター兼イラストレーター。飲食物全般がだいたい好きだという、ざっくりとした見解で生きています。とくに好きなのはカレー。(動画インタビュー)

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近いと、逆に行く機会を見失いがち

「キョーダイマーケット」の実店舗は五反田にあり、私の職場も五反田にある。つまりいつでも行ける距離にキョーダイマーケットがある。だけど、なんでなんだろう。

興味はあるのに一回も行ったことがなかった。

「いつでも行ける」

そう思っているとつい、行く機会を見失いがちなのだ。

大学時代、都立薬用植物園のそばに住んでいて、いつか行こうと思っているうちに行きそびれ、デイリーの記事ではじめて内側を見ることになり「わ〜こういう感じなんだ〜!」と感激したことがあった。

近い場所ほど、いつになっても行かない。今回も結局、なにがどうなったんだか、平日のうちに行きそびれまくり、勤務のない土曜日にお店を訪れることになった。

IMG_6654.JPG
空に「お願いだから降らないでくれ」と祈りながら出かけた

キョーダイマーケットは「いちごビル」という名前のビルの6階にある。

いちご!(鏡が反射していて読みにくいけど)

果物のいちごを思い出して「かわいい名前だなぁ」と思った人、きっと私以外にもいるんじゃないか。

そんな同士たちに、早めにお知らせしておきたいことがある。

このビルのいちごは、果物のいちごじゃない。

ちがうのだ!

なぜわかったのかというと、ビルにしっかりと「一期一会」と書いてあったから。

絨毯にも書いてあった。一期一会でICHIGO

そんないちごビル、2基あるエレベーターのうち片方の内側には⚪️×ゲームを楽しんだ跡があった。

⚪️×ゲームって、エレベーターを乗っている、ほんの束の間で楽しめるタイプのゲームだったのか

この筆跡の主たちは、いったいどんな面持ちでこのゲームを楽しんでいたのだろう。思いを馳せているうちに、キョーダイマーケットの入り口に到着した。

敷地はめちゃくちゃ広いわけではない。でも見るものすべてが見慣れないものばかり

そして、小1時間弱悩んで選んだのが、こちらの品々である。

思いのほか飲み物の比率が高めになった

ちなみに私は南米に行ったことが一度もない。南米料理を食べた経験も、記憶しているかぎりほとんどない。南米に関する知識といえば「アルパカ」「高山病」「テキーラ」「サボテン」「インカ帝国」。

つまり、知識がとっても乏しいのだ。

丸腰で行くのも、それはそれでありと思ったが、あまりに何もかもがわからなすぎたので、キョーダイマーケットの公式Instagramで予習をしてからでかけた。これがなかなかよかった。

キョーダイマーケットの公式Instagram

これから語る飲食物の話はすべて、このInstagramやインターネットの情報などの力を借りながら書いている。わからないものを、少しはわかるようにしてくれるインターネット、ありがとうございます。

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日本でおなじみの調味料がペルーにもあった

…というわけでまずはこちらの液体だ。予習して、気になったので買ってみた。私たちジャパニーズにとって超・身近な調味料である。

既視感ありませんか

名前にも注目しよう。「KIKKO(キッコー)」である。

なんでもキョーダイマーケットのHPによると、ペルーに移民した日本人が、日本のメーカーを真似して作った会社なのだそう。

この感じにも既視感、ありませんか
そう、しょうゆである。砂糖も入っているそうな

ちなみに「砂糖が入っている」と聞き、「九州のほうの甘口しょうゆと似ていたりする?」と思い、試しに家にあったやつと比べてみた。

「あまくちさしみ」のほうが断然甘かったです

ペルー生まれのおしょうゆ「キッコー」は、砂糖入りとはいえどもしっかり塩っけが強く、THEしょうゆという味わいだ。

明日からふつうに煮物とかで活躍してもらおうと思います。

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ペアリングを舐めてましたすみません

続いては、ブラジルのソーセージ「リングイッサ」とビール。

これがリングイッサ。冷凍と冷蔵が売っていて、すぐ食べるから!と冷蔵を選んだ

ふだん見かけるソーセージとの大きな違いは、加熱や燻製がされていない「生」の状態で売られていることだ。

肉がぎゅうぎゅうに詰まっている感じがたまらない

お店の人に家で焼く時のコツを聞いたら、「フライパンで焼けば大丈夫!」と言われたので、フライパンで焼いたところ…

肉汁が元気いっぱいに飛んできたすきに、手が震え、写真が思いきりブレたりしつつも(なお肉がフライパンからはみ出ているように見えるのは、残像のせいです)
あっというまに火が通り、10分ほどで焼けました

ビールは味比べがしたくて2種類買ってみた。

1本500円(税込だと550円)

缶ビールに出す金額としては、高額な部類である。正直迷った。だけど好奇心と、パッケージがかわいいという気持ちが勝利した。

細部のデザインがいちいちなんだかかわいいのだ

黄色いほう「スコール」は、ブラジルでよく飲まれているビールなのだそう。もう1本は「アンタルチカ ピルセン オリジナル」この時点でわかっているのはただひとつ、名前が長いことだ。

どちらも色が薄い。そして味もすっきりしている。アンタルチカのほうが、スコールよりも炭酸と甘みが強めな気がする

青島ビールや東南アジアのビールのようなキレのよさと軽さがある。

で、そんな2種類のビールたちとリングイッサを交互に飲み食いしたとき、衝撃は起こった。

端的にいうと、とてつもなく両方ともがうまい

このビールたち、リングイッサと合わせると、炭酸の強さが変化する気がするのだが………気のせいか?

いや、気のせいじゃない。ビール単体で飲んでいるときと、リングイッサと合わせたときとで違う
幸せな組み合わせだ。手が止まらなくなりすぎて危険だけど

これがペアリングというやつなのか。

ああ、お詫びしたい。私はこれまで、ペアリングのすごさを舐めていた。なんだかんだ適当に好きな食べ物と好きな飲み物を、一緒に口に入れたら、幸せな気持ちになれるっしょ!って思っていたのだ。

それも間違いではないんだろうけれど、お互いをぐっと高め合うことができる、食べ物と飲み物のペアは確実に存在するのだ。

 

 

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