蜘蛛の糸が揖保乃糸だったら
揖保乃糸。最高においしいそうめんのブランドだ。そして蜘蛛の糸は芥川龍之介の有名な短編小説である。
『揖保乃糸』という字の並びを見ていると『蜘蛛の糸』のことを思い出す。音が似ているのと、どちらも絶妙に読めるけど書けない漢字を使っているからだと思う。
そして、お釈迦様の垂らした蜘蛛の糸が揖保乃糸だったらどうしようと、本当にしなくてもいい心配をする。本当にもう全然しなくてもいいのだが、心配なので試しておこう。一応。
がんばれ揖保乃糸
蜘蛛の糸が揖保乃糸だったら。多分カンダタは極楽まで登れないわけだが、じゃあどんな生き物なら登れるのか、揖保乃糸の強度を調べて把握しておこう。
方法は以下のような感じである。
- 揖保乃糸を一本、パッケージに忠実に茹で、冷水で締める
- 重さを測っておいた氷に塩をかけて揖保乃糸とくっつける
- そっと持ち上げて揖保乃糸が切れなければ成功
これを色々な重さの氷で試して揖保乃糸が耐えられるギリギリを探る。コンディションを揃えるために、揖保乃糸は氷を替えるごとに新しく茹でる。
まずは小さめから。3gの氷と揖保乃糸をくっつけて、そっと持ち上げる。
カンダタは多分3gではないので喜びを伝えるにはまだ早いのだが、オオクワガタの成虫がだいたい3gぐらいだそうだ。まずは地獄のオオクワガタを助けられた。
地獄のオオクワガタが荒っぽく登ってきても大丈夫
ここからだんだん氷を重くしていき、5g、6gが持ち上げられることを確認した。
大丈夫そうだ。地獄のオオクワガタが多少荒っぽく登っても耐えられそう。
しかし、6gを試していた時、左右に振ってみたら揖保乃糸と氷のつなぎ目がとれた。
持ち上げていた時の感覚でも、このつなぎ目がかなり危なっかしい感じがしていた。揖保乃糸の限界の前に、ここが耐えられなくなるだろう。別の方法を考えなくてはいけない。
クリップを使う
今度はつなぎ目ではなく、揖保乃糸自体が重さに耐えられなくて切れていた。だいたい分かってきた。8gだ。8gの生き物ならギリギリ助けられる。
それらしい生き物の重さを調べたが、カブトムシの成虫が10g程度なので、小さめであれば揖保乃糸を登れるだろう。
哺乳類で言うと世界最小の哺乳類と言われるコビトジャコウネズミとトウキョウトガリネズミ、この2種類はどちらも2g程度なので余裕を持って登ってこられる。日本に生息する一番小さなネズミであるカヤネズミは7g〜14g。かなり小さめのカヤネズミになるが、それであればギリギリ登れるだろう。
揖保乃糸を登れる生き物、登れない生き物を分かった範囲でまとめてみた。地獄に堕ちたクワガタやネズミの皆さまは参考にしてください。
【揖保乃糸を登れる】
だいたいの小さめの虫(1g未満)、オオクワガタの成虫(3g程度)、コビトジャコウネズミ(2g程度)、トウキョウトガリネズミ(2g程度)
【小さければ揖保乃糸をギリギリ登れるかも】
カブトムシの成虫(10g程度)、カヤネズミ(7g〜14g)
【揖保乃糸を登れない】
ハツカネズミ(19g程度)、カブトムシの幼虫(20〜30g)