特集 2023年11月24日

好物に金箔を散らしてありがたみを増そう

お正月や祝いの席などで、日本酒や料理にまれに散らしてある、食用の金箔。

問答無用におめでたさを演出してくれるあれを、ふだんの何気ない食事に取り入れてみたらどんな気持ちになるんだろうか? 気になったので試します。

1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。

前の記事:洗いもの好きの僕が感動した「パックスナチュロン キッチンスポンジ」


金箔衝動買い

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食用の金箔を買いました

理由? う〜ん、忘れた……。いや、あるじゃないですか。朝起きてしばらくぼーっとスマホを眺めていたら、なぜかAmazonの金箔のページにたどり着き、欲しくてどうしようもなくなってしまう、みたいなこと。

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金箔はキラキラでした
いったん広告です

ちなみに、僕が買った時は、税込で1790円。金箔って、この世でもトップクラスに、高いのか安いのかわからないものですよね。

試しに1枚つまんで食べてみると、イメージとしては完全なる「無味」だったんですが、ほのか〜に、舌に金属っぽいような刺激を感じます。金箔をじっくり味わって食べたの、生まれて初めてだな。

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賞味期限があるのもなんか笑える

で、当初はこれをですね、とにかく金箔に似つかわしくない食べものにちらしまくっては、その違和感を楽しんでやろうと思っていたんです。

そこで、まずなんとなく買ってきてみたのがこちら。

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焼きそばパン

見たことないでしょう? 金ののった焼きそばパン。見たいでしょう、絶対に。

というわけで、

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金箔オン!

あ、これはもう、おもしろいわ。無条件に。だって、焼きそばパンに金箔のってんだもん。そこに理由なんていらんもん。

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これなんだもん

ただですね、この段階で、ちょっと計画の練り直しが必要なことも判明しました。

というのも、今回買った金箔の内容量が、0.06gなんですよ。それってどのくらい? って話ですけれども、わかりやすくケースのサイズをスマホと比べてみると、

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このくらい

ね? 意外と小さかったんです。無尽蔵ってわけではないすよ。まぁ、「金を無尽蔵に使う」という日本語自体がそもそもおかしいんですが。

そこでですね、今後の方針をきちんと決めることにしました。まず、残りの金量を考えると、のせられるのはあと5食くらいが限界だろう。ならば、きちんと自分の好きなものにかけてあげたい。それから当然、たとえば日本酒とかお寿司とか、金箔がのっていてもあまり違和感のない食べものにのせても楽しくない。せっかくだから、なるべく大衆的、日常的な食べものにプラスして、最大限の違和感を楽しみたい。

そのような方向性を固めたうえで、さて、厳選した5品目に金箔をのせ、味わっていってみましょう。

缶詰にのせてみる

食品界における、質素イメージの代表選手といえば、缶詰はかなり上位ですよね。なかでも僕がもっとも愛するのが、「さんまのかばやき」。人生で何度食べたかわからない、こいつに金箔を散らしてみましょうか。

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大好き!
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このままで酒のつまみにもおかずにも万能なこいつに

いいですか? しますよ〜? 金箔オン。

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えいっ!

わはは、なんだこりゃ! またしてもおもしろい。缶詰とその中身のさんま、見慣れすぎているからか、ほんの小数点以下数グラムの金箔のほうが、むしろ存在感があるくらい。

当然、味はいつもと同じなんですが、食べるときのテンションがぜんぜん違いますね。ひときれひときれ大切に食べたくなるというか。酒のつまみ力がぐんと増した感じ。

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