塩辛くて熱くてうまい食べ物 胡椒餅
まず胡椒餅とはなんなのか、という疑問について解決しておこう。
胡椒餅とは豚肉とねぎに八角や黒胡椒などたっぷりのスパイスをかけ、パン生地で包んで焼いたものである。餅といいつつも肉まんのパン版みたいなものであり、一般的なパンと異なり生地がガリガリに焼き上げられているのが特徴である。

味の感想としては胡椒と八角がめちゃめちゃに効いており、塩辛!肉!うま!という感じ。高血圧まっしぐらのジャンクここに極まれりなのだ。
台湾では胡椒餅以外にも牛肉麺や大鶏排(だーじーぱい。でかい鶏のからあげである)、魯肉飯などたくさんの名物を食べたが、ぶっちぎりで思い出に残っているのがこの胡椒餅である。
そんな胡椒餅だが、ある時吉祥寺に専門店があると聞いた。しかも本場台湾のお店の暖簾分けだという。行くしかないじゃん。行くしかないですよね?

お昼は混んでるかもな、と思って三時のおやつくらいの時間に行ってみたところめちゃくちゃ大盛況だった。明らかに流行り散らしている。日本の主食が米から胡椒餅に変わる日も近い。


台湾のお店もこのお店も胡椒餅用の紙の包みに入れてもらえた。味わいがあっていいですね。



台湾のものと比べて塩辛さや八角のクセがだいぶ抑えられており、とても食べやすい。一方で胡椒餅らしいガツンとした肉の味わいは健在であり、広くおすすめできる味である。
要するにうまいってことだ。めっちゃうまい。全吉祥寺人(きちじょうじんちゅ)が食べるべきである。
いつでも胡椒餅が食べられるようになりたい
吉祥寺で胡椒餅を食べた。冷凍胡椒餅も買って帰ってきた(そしてその日にすぐ食べた)。でももっと食べたい。いつでも気が向いた時に食べられるようになりたい。どうしたらいいのか。
その時私に天啓が下った。
これ、もし自分で作れるようになったらいつでも胡椒餅が食べられて幸せなんじゃねえか......?

一つだけ問題があるとしたら、私は普段ほとんど全く料理をしないということである。ここ数か月でやった料理といえば目玉焼きとウィンナーを焼いたことくらいの人間が、こんな異国のおいしい料理が作れるのだろうか。
人生挑戦あるのみ。おれ、胡椒餅だけ作れる人間になります。
作るぞ胡椒餅
ということで材料を買ってきた。

ポイントは五香粉(ウーシャンフェン)と言われる中国でおなじみらしいスパイスである。こいつに八角や花椒などが入っているので、お手軽に中華料理系の風味が再現できるようなのだ。



なんかこう、アジア系の香りを凝縮して凝縮して凝縮して凝縮した匂いだ。これを希釈しまくると八角とかの風味が出てくるのだろうか?ほんとうに?
イースト菌は幼少期を思い出す匂いがする
ともかく作っていく。まずは強力粉と薄力粉とベーキングパウダーを混ぜていく。


そこに砂糖、ドライイースト、ぬるま湯を注ぎ、溶けたらサラダ油を入れながら混ぜる。


あっ!なんかすごい匂いがしてきた!

幼少期の頃母親に連れられて料理教室に行ったり、家でパン焼いてもらった時にかいだ匂いだ!これ、イースト菌の発酵する匂いだったのか......!
この匂いを嗅いだのは二十年以上ぶりだ。ちょっと泣きそうになってきた。
レシピの順番は守った方がいい
そして電子レンジであたため、小分けにしたら生地は完成である。

レシピには「包丁で5等分」とあるが、全然手につくし、包丁でも切れる気がしない。これ、まだなにか足りてないんじゃないの?
全く正解が分からない。料理ができる人がこの記事を見たらどう思うんだろう。

さて、あとはタネを包んで焼くだけなのだが......

レシピにはまず先にタネを用意するように書いてあったのだが、「肉をさあ!用意した後その辺に置いておいたら悪くなっちゃうかもしれないじゃん!」という自己判断で後回しにしていたのだ。
でもどうやらレシピって後片付けとか、効率の良い順番とかが加味されて作られているらしくて、今回でいうと生地の発酵が進んだりする可能性があるので、この順番はよくないらしいです。ごめん。

そして肉を生地で包み、卵黄を塗って黒胡椒をかければ後は焼くだけ。

