引き続き、吉村さんのお酒の話
というわけで吉村さんによる庚申待の概要の話は終わり。次はお酒の話だ。庚申待の概要は、本題とは別に(そういう話があったほうがよかろうと)話してくれたことだったのだ。ありがたい。
吉村:私はお酒の研究もしていまして、 山梨のワイナリーの話とかですね、いろいろ面白い写真を撮っていますので、その話を。
吉村:これは業平橋の周辺ですね。スカイツリーと御酒の字がかっこよくてですね。
会場:いいですね、御酒。
昔のお酒について
吉村:スカイツリー行くとですね、問屋国分というお店だったと思います。勘兵衛というお酒の、今のお酒と江戸時代の頃のお酒っていうのをやってる。
吉村:飲んだらみりんみたいな味なんですけど、色も全然みりんですよね。
会場:おおおお
吉村:かなり濃厚に作る感じです。好みもあるし、仕込み方も四段仕込みみたいに米を増やしてですね。甘い方が好まれたりとか保存も効くし。
会場:初期のお酒は濁ってたと聞きますが、濁り酒がこの色になってどんどん透明になっていったんでしょうか?
吉村:濁り酒は濁り酒でまたあるんですけど、どぶろくとかですね。その上澄が清酒です。
会場:日本酒っていつごろからあるんですか?
吉村:確実にあるのは奈良時代ですね。米の導入とほぼ一緒です。その頃は、強いて言えばマッコリみたいな感じで、もっと甘かったと思います。
会場:なるほど、米がなきゃないわけですね
吉村:江戸時代のお酒は、絞ります。すると糖も残って熟成されてみりんみたいな色になるみたいです。
滋賀の地域通貨
吉村:これは、地域通貨が滋賀県に残ってまして、村のなかで葬式があると金券が配布されて、これを貯めておくと自治会費と相殺される。お酒関係ないですが、今研究してる博論のテーマです。
会場:今もやってる?
吉村:今もやってます。裏は印鑑で、発行係の人が、何年に発行みたいに押したりします。村によっても違いますが。
長野の酒造の蔵
吉村:長野善光寺の西之門、よしのやさんという造り酒屋さんで、これは酒蔵見学のコースの蔵です。
吉村:これは青梅の澤乃井というお酒やさんです。違いが分かりますか?
会場:お家の数が違う?
吉村:それもありますが、飾り付けのレベルが違いますよね。しめ縄もありますし。酒蔵見学用の蔵なのか、現役で使われている蔵なのかで違うと。
このペレットは何か?
吉村:次はこれです。このペレットみたいなのなんだと思いますか?
会場:抹茶? コルク栓?
吉村:実はビールのホップのペレットです。
会場:あ、それで緑。
吉村:これは常陸鴻巣というところの木内酒造さんで、ビール作りを小ロットでさせていただいていまして。マイビールを、原料を持って行って好きなホップを選んで小さい釜で作らせてくれるというのがあります
会場:酒税法はどういう扱いに?
吉村:この会社が作ってることになるので・・。
会場:なるほど問題ないと。どれくらいの期間でできるんですか?
吉村:結構早いですね。最短4週間くらいで、ラベル貼って送ってくれますとか。少ない本数からでもやってくれて、結婚式のために頼んだりとか。
会場:へー!
湧き水の話
吉村:次はこれです。これはなんでしょう?
会場:湧き水ですか
吉村:湧き水でもちょっと違って、実は横井戸です。青梅の澤乃井の横井戸です。水脈がちょうどあるんで、横に掘ったら水脈に当たる。
会場:縦井戸の技術がないころは横がふつうだったといいますよね。品川の大井のお寺に残ってます。
吉村:こんな感じで非常勤先の大学の講義では酒蔵にいって水の硬度とかも計ったりしてます。
山梨のワイン文化
吉村:実は修士論文でやった内容ですが、これなんだと思いますか?
会場:果実酒と書いてありますね
吉村:これ実は一升瓶のワインです。山梨では一升瓶で湯呑みでワインを飲むという話を聞いて回ってました。
三宅島のお酒
吉村:最後です。これは三宅島の雄山一(おやまいち) という焼酎です。
吉村:授業だと原料の話もしますが、火山灰が多いところだと米とか取れないから芋で作って、ということですね。ただ最近だと茨城から芋を取り寄せてるところもあるらしくて、そういう話を聞いて回っています。以上です。
会場:いやー、ありがとうございます!(拍手)