打ち合わせも気になる
さんざんたたき台をたたいておいてなんだが、たたき台をたたくよりも、たたき台を作るほうが面倒ということに気が付いた。打ち合わせのときに「次回までにたたき台作っておいて」と言われる、あれだ。
そういえば打ち合わせも気になる。我々は偽物の打ち合わせしかしたことがない。本物の打ち合わせは雅楽の演奏時にリズムを取る笏拍子(しゃくびょうし)だそうだ。笏拍子、Amazonで6600円で売ってる…。どうしよう。
ビジネスシーンでよく出てくる、たたき台。
このたび本物のたたき台をたたきました。
ビジネスシーンでよく使われるたたき台。「次回の打ち合わせでたたき台を用意してくるのでたたきましょう」のように使われる。
意味は企画や提案の荒削りな状態だ。まだ完璧じゃない、雑な案。たたき台があればみんなで議論しやすくなり、素案をブラッシュアップさせることができる。
しかし、言いたいことがある。君はたたき台をたたいたことはあるか?私はなかった。
もともとのたたき台は鍛冶職人が刀を叩くときの台だが、今回買ったたたき台はもっとコンパクトなタイプだ。しかしこれでも本物のたたき台である。
日々会社で「たたき台、たたき台…」と言っているあれは、ずっしりとした鉄の塊であった。
本物のたたき台をたたけば、ビジネスマンとしてワンランクアップできる気がする…!
家でたたくと近所迷惑かもしれないので、ファーストヒット(記念すべき最初のたたき)は河川敷でやることにした。たまに金管楽器の練習の音が聞こえてくる場所だ。
いままで偽物のたたき台ばっかりたたいてきたが、今日この瞬間から私は本物のたたき台を叩いたことがある側の人間となった。だから何。
「本物のたたき台をたたくと、偽物のたたき台をたたいたことになる」というのはどうだろうか。
全然伝わらなかったと思うので改めてもう一度言う。本物のたたき台をたたくと偽物のたたき台をたたいたことになるシステムを作る。
とにかく、作ったものを見てほしい。
力加減を調整すればうるさくないことがわかったので家でやっております。
本物のたたき台(物理)をたたくと、偽物のたたき台(資料)が完成していくシステムだ。
晴れて三権分立のご提案資料の完成である。かつてモンテスキューもたたき台をカンカンとたたいたのだろうか。
当たり前だがそんな夢のようなシステムは存在しない。自作自演である。
種明かしをすると、先に資料を自らの手で完成させておき、そこからDelキーで1つずつ消しておく。そして、音に反応してCtrl + Zを自動で押すプログラムの力で文字や図を復活させているのだ。
せっかくなのでこのたたき台システムを使って遊んでみた。
心地よい音とともにお聞きになりたい方はこちら。
野球のルールもたたき台をたたくだけで完成する。私はプロ野球が大好きなのだが、たまに冷静になってみると「おじさんが木の棒で球をたたいて走り回っているな…」と思うことがある。この気持ちを反映させたい。
ひとしきりたたき台をたたくと、Ver0.0.2となり、名前も「野球」となった。 Baseballを野球と訳した中馬庚もびっくりの鮮やかな展開だ。
動画でもお楽しみください。たたき台をたたくと、高校球児の金属バットのような音が鳴る。皮肉なもので「おじさん棒たたき」とは私自身のことかもしれない。
さんざんたたき台をたたいておいてなんだが、たたき台をたたくよりも、たたき台を作るほうが面倒ということに気が付いた。打ち合わせのときに「次回までにたたき台作っておいて」と言われる、あれだ。
そういえば打ち合わせも気になる。我々は偽物の打ち合わせしかしたことがない。本物の打ち合わせは雅楽の演奏時にリズムを取る笏拍子(しゃくびょうし)だそうだ。笏拍子、Amazonで6600円で売ってる…。どうしよう。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |