特集 2022年11月11日

これが本物のたたき台だ!

ビジネスシーンでよく出てくる、たたき台。

このたび本物のたたき台をたたきました。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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君はたたき台をたたいたことはあるか

ビジネスシーンでよく使われるたたき台。「次回の打ち合わせでたたき台を用意してくるのでたたきましょう」のように使われる。

意味は企画や提案の荒削りな状態だ。まだ完璧じゃない、雑な案。たたき台があればみんなで議論しやすくなり、素案をブラッシュアップさせることができる。

しかし、言いたいことがある。君はたたき台をたたいたことはあるか?私はなかった。

たたき台はAmazonで1300円で買える。

もともとのたたき台は鍛冶職人が刀を叩くときの台だが、今回買ったたたき台はもっとコンパクトなタイプだ。しかしこれでも本物のたたき台である。 

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「曲がったクギをまっすぐにのばす」という謎のユースケース。
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たたき台は小さくて重い。

日々会社で「たたき台、たたき台…」と言っているあれは、ずっしりとした鉄の塊であった。

本物のたたき台をたたけば、ビジネスマンとしてワンランクアップできる気がする…!

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たたき台と、たたき棒。

 家でたたくと近所迷惑かもしれないので、ファーストヒット(記念すべき最初のたたき)は河川敷でやることにした。たまに金管楽器の練習の音が聞こえてくる場所だ。

 

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キーン!想像より2オクターブぐらい高い音が響き渡る。

いままで偽物のたたき台ばっかりたたいてきたが、今日この瞬間から私は本物のたたき台を叩いたことがある側の人間となった。だから何。

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たたき台をたたくとプレゼン資料が完成する夢のシステム

「本物のたたき台をたたくと、偽物のたたき台をたたいたことになる」というのはどうだろうか。

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さっきから言っている本物とか偽物とかの説明。​​​​​

全然伝わらなかったと思うので改めてもう一度言う。本物のたたき台をたたくと偽物のたたき台をたたいたことになるシステムを作る。

この図を読んでいただければ伝わるはず…。多くのビジネスマンが夢見たかもしれない画期的なシステムだ。

とにかく、作ったものを見てほしい。

力加減を調整すればうるさくないことがわかったので家でやっております。

本物のたたき台(物理)をたたくと、偽物のたたき台(資料)が完成していくシステムだ。

資料のたたき台の状態。たたき台にしても雑すぎる。こんなの10秒で作れる。
念を込めてたたき台をたたく。
すると、謎の力で資料が完成する。

晴れて三権分立のご提案資料の完成である。かつてモンテスキューもたたき台をカンカンとたたいたのだろうか。

種明かし

当たり前だがそんな夢のようなシステムは存在しない。自作自演である。

種明かしをすると、先に資料を自らの手で完成させておき、そこからDelキーで1つずつ消しておく。そして、音に反応してCtrl + Zを自動で押すプログラムの力で文字や図を復活させているのだ。

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失望させてしまったのならすみません!

たたき台をたたいて墾田永年私財法の草案を作る

せっかくなのでこのたたき台システムを使って遊んでみた。

墾田永年私財法(現代語訳版)を聖武天皇が作ったときのたたき台。たぶん最初は結論だけしか決まっていない。
たたき台をたたいていくと…
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墾田永年私財法Ver1.0.0が完成した!
奈良時代のハンコリレー

 心地よい音とともにお聞きになりたい方はこちら。

 

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たたき台をたたいて野球のルールの草案を作る

野球のルールもたたき台をたたくだけで完成する。私はプロ野球が大好きなのだが、たまに冷静になってみると「おじさんが木の棒で球をたたいて走り回っているな…」と思うことがある。この気持ちを反映させたい。

野球のルールのVer0.0.1はこれぐらいざっくりしていてもおかしくない。スポーツ名も「おじさん棒たたき」が妥当だろう。
Ver0.0.1をたたき台としてたたいていく。

ひとしきりたたき台をたたくと、Ver0.0.2となり、名前も「野球」となった。 Baseballを野球と訳した中馬庚もびっくりの鮮やかな展開だ。

Ver0.0.2で一気にゲーム性が出てきた。そういえば野球には死の概念があってこわい。牽制死とか併殺とか。
さらにたたく。
老若男女だれもが野球を楽めるよう、「おじさん」という表現を廃止し「選手」で一括置換し、Ver0.0.3となった。資料の完成が近くなるにつれてちょっとの変化でバージョンの数字が増えることあるよね。

動画でもお楽しみください。たたき台をたたくと、高校球児の金属バットのような音が鳴る。皮肉なもので「おじさん棒たたき」とは私自身のことかもしれない。


打ち合わせも気になる

さんざんたたき台をたたいておいてなんだが、たたき台をたたくよりも、たたき台を作るほうが面倒ということに気が付いた。打ち合わせのときに「次回までにたたき台作っておいて」と言われる、あれだ。

そういえば打ち合わせも気になる。我々は偽物の打ち合わせしかしたことがない。本物の打ち合わせは雅楽の演奏時にリズムを取る笏拍子(しゃくびょうし)だそうだ。笏拍子、Amazonで6600円で売ってる…。どうしよう。

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