「桔梗信玄餅 工場テーマパーク」に行く
初めに、桔梗信玄餅について念のため説明しておきたい。
桔梗信玄餅とは株式会社桔梗屋が販売しているお菓子の一つであり、きな粉をまぶしたお餅に黒蜜をかけて食べるそれはそれはンマイ食べ物である。山梨のお土産といえばコレであり、高速道路のサービスエリアなどで見かけたことのある人も多いかもしれない。
美味しさもさることながら見た目も特徴的で、餅の容器と黒蜜がお弁当のようにビニールの風呂敷で包まれているのが記憶に残りやすい。この風呂敷がめちゃめちゃ高速で包まれていたというわけだ。
そして、そんな桔梗信玄餅の工場見学ができるのは「桔梗信玄餅 工場テーマパーク」である。「桔梗信玄餅 工場テーマパーク」は山梨県石和温泉駅から車で10分程度のところにある。え?ああ、「桔梗信玄餅 工場テーマパーク」ですけど?
株式会社桔梗屋は本社および本社工場周辺にあるアウトレットショップやカフェ、食事処などをまとめて「工場テーマパーク」と呼称してるのだ。楽しんでもらおうという気概がすごい。もうすでに良い会社である。
そしてこの本社工場はいつでも無料で見学することができる。先日私が高速風呂敷包みを目撃してしまったのもここだ。
本日は営業本部の福田さんにお話を伺いながら、改めて工場を見て回らせてもらうことになった。よろしくお願いいたします!
桔梗信玄餅は品質管理とやさしさで出来ている
風呂敷のことばかりが気になるが、やはりまずは桔梗信玄餅の作り方からきちんと知っておきたい。ひとつひとつ見学していこう。
福田さん:まずはお餅を炊き上げるところからですね。窯で一気に炊き上げたのち、番重と呼ばれる黄色のコンテナで1日から2日くらい寝かせます。
寝かせることで餅が馴染んできて、もちもちした食感が出てくるらしい。聞いたときは餅って炊き立てが一番うまいんじゃないのかくらいに思ってたけど、どうやらお菓子の生地とかもある程度寝かせたりするものらしい。これは家に帰ってから調べて知りました。
そうやって餅がもちもちになったところで、次はカットの工程。桔梗信玄餅では餅をきな粉にまぶす工程と、カットの工程が同時に行われる。
福田さん:基本的にお餅が炊きあがってから風呂敷に包む手前までは全部自動的に行われます。カットされた桔梗信玄餅は自動的に3つずつプラスチックの容器に入っていきます。ただ、時々容器に4つ入ってしまうことがあったりして、そこは人の目で見てますね。
いやいや、全然、4つ入っててもいいけども......!と思ったが黙っていた。たぶん製品品質上必要なのだ。そういう品質管理を持って我々はおいしくいただけているのだ。
福田さん:ちなみにこの後容器のふたを閉める前に、上から追いきな粉をかけています。蓋のしまるギリギリまで入れるんですよ。
えっ、わざわざ追いきな粉を!何のために......?
福田さん:お客様にたくさん食べていただきたくて......。
良い人すぎる。最近巷で「いい人すぎるよ展」みたいな企画展があるらしいけど、多分桔梗屋もそこで挙げられていると思う。「きな粉をたくさんかけてくれる」とかで。
福田さん:そして黒蜜を載せて、風呂敷の上に置いたらあとは包む工程です。
来た!包む工程だ!
桔梗信玄餅は職人の包みによって完成する
次から次へとコンベアで運ばれてくる桔梗信玄餅をちぎっては投げ...ではなく、包んでは置き、包んでは置かれている。コンベア上の桔梗信玄餅は隙間なく流れてきているのに、不思議と一つの取りこぼしもなく綺麗に包まりきっている。
すごい、すごすぎる。
福田さん:大体1個6~7秒で包んでます。ここだけは人の手じゃないとということで、機械化せずにやってますね。
6~7秒!しかもこのまま商品になるので、当たり前ながら物によって出来不出来の差もなく綺麗に包めてこのスピードである。こんなんどうやったら出来るようになるんだ。
福田さん:やっぱり入社して間もないとここまでのスピードは出せないので、まずは手前のところで練習して、一定できるようになったらコンベアの方へ、みたいな感じでやってます。
えっ、練習?
福田さん:また、『プレミアム桔梗信玄餅 吟造り』という素材によりこだわったプレミアムな商品もあるんですけど、これは桔梗信玄餅を10年以上包んだ者だけが包むことができるんです。
すごい、更に上が。完全に「桔梗信玄餅包み道」だ。まさに職人芸の世界である。
この包む作業は50分作業してから10分休憩というルーティーンがあるそうで、食い入るように見ていたら休憩の時間となった。ここ、絶対観た方がいいのでこれから工場見学に行く方は休憩時間に重ならないようにした方がいいですよ。
おれも桔梗信玄餅を包みたい
いやあ、何回見ても風呂敷で包む様子はすごいな...。そう思っていたところ、桔梗屋ではバスツアーなどの工場見学にて桔梗信玄餅の包装体験もやっていると伺った。
あのう、それって僕もやらせてもらえたり......?
福田さん:良いですよ。
やったー!!ありがとうございます!!!
包装体験では桔梗信玄餅を4つほど自分の手で包み、専用の箱に入れてそのままお持ち帰りできるという。自分が包んだ桔梗信玄餅を食べられるの、うれしすぎるだろ。
堀江さん:まず箱の中の風呂敷を1枚出してもらえますか
普段食べる時に見慣れているはずなのに、「商品になる前の状態」と思うと心なしかワクワクする。不思議だ。なんかこう、裁断前の一万円札、みたいな。
一つ一つ教わりながら包んでいく。
曰く力加減もポイントで、しっかり包みつつも全体をふわっとさせるのが大事らしい。
なるほど、ただ包むだけじゃ......ない......!
やるからには絶対に綺麗に包みたい。そしてこの包み方をしっかり学んで帰りたい。
おれ、今までの撮影の中で一番集中しているかもしれない。
なんとか包めた!ちなみに結び目が縦ではなく横になるように結ぶのもポイントである(1回失敗した)。
おれたちも高速で包めるようになりたい
丁寧に教えていただいたおかげでなんとか桔梗信玄餅を包むことができた。
先のコンベアにいらしたベテランの方々はこれを6~7秒で包んでいるという。実際どれくらいすごいのか、ちょっと挑戦してみよう。
ええと、まず風呂敷のマークが下になっているか確認して、下から風呂敷をすくい上げて......
中指がえー、その、押さえて、親指と人差し指で持ち上げて......
ちょっとやり直して、こう!
いや、これを数秒でやるのは無理だよ。そりゃおれはまだ包み始めたばかりだし不器用だけどさ、練習した先であっても数秒で商品のクオリティを安定して出せるようになるとは思えない。
やっぱりベテランの方々はすごいな......。


