梅干し万歳!
どれも食べる前は味の想像がつかないものばかりだったけど、それぞれが意外性もありつつきちんと美味しく、梅干しの世界の深さを思い知らされた結果となった今回。
ただ、とにもかくにも思い知ったのは、「南高梅の梅干しがそもそもうますぎる」という事実。塩分の心配さえなければ、1日に何個でも摂取したい〜!
好きな梅干し店の商品サイトで、斬新な梅干しを見つけました。それが、紀州産完熟南高梅と、国産のみかん、桃、いちごの果汁を合わせた新感覚の梅干し「梅damono」。一体どんな味がするのか、ま〜ったく想像がつかない!
というわけで、取り寄せて実際に食べてみましょう。他にも見つけた変わり種梅干しいくつかとともに。
最近、梅干しが妙に好きで、毎日のように食べています。
といってもそんなにこだわりはなくて、スーパーでよく売ってる、ちょっと甘めの「はちみつ梅」みたいなやつでじゅうぶん。
ところがしばらく前、僕より前から梅干し好きの妻が好きでたまに買っている「紀州梅の里なかた」の「梅ぼし田舎漬」が家にあったのでひとつ食べてみたところ、あまりの美味しさに驚いてしまったんですよね。肉厚で食べごたえがあって、かつおの旨味がほんのりと効いていて、それでいて味わいはシンプル。それはもう、「ひと粒のごちそう」って感じ。
そのきっかけでサイトを見てみたら、王道商品の他に、かなり斬新な商品を見つけてしまいました。「梅damono」という梅干しで、キャッチフレーズは、「梅とくだものの美味しい出会い」。
なんと、紀州産完熟南高梅と、国産のみかん、桃、いちごの果汁を使った新感覚の梅干しなんだそう。数量限定で、完売するごとに再販希望の声が殺到するというかなりの人気商品なんだとか。
ぜ、ぜんぜん味の想像ができない! だけど気になる! というわけで、取り寄せて実際に食べてみることにしましょう。
かなりでかめの箱で、
どうです? めっちゃかわいくないっすか? この30粒入りボックスが、約3,000円ほど。手土産とか差し入れに持っていっても、「え〜、どれ食べる〜?」なんて話題込みで盛り上がりそうですよね。
さてさて、ではそれぞれを食べてみようと思います。まずは「みかん」フレーバーから。
かわいらしいパッケージから取り出した途端、梅干し! って感じがちょっとほほえましいですが(あと、いきなりピントが合ってなくてすみませんが)、味のほうはどうか。まず、香りはあまりみかんみかんしておらず、シンプルにちょっといい梅干しという感じ。これはいよいよ気になるぞ。
あ、ちなみに、今日はこの梅damonoを含めた数種類の梅干しを一気に味見する予定。そうなると気になるのは塩分とりすぎ問題。そこで、味見の際は毎回清潔なフォークとナイフを使い、
味がわかる程度の大きさにカットしたものを食べていきたいと思います。残ったぶんはジップバッグなどに保存し、早めに消費します。
で、となると当然、取材現場ではこのような光景がくり広げられることになりまして、
そのあたりは、あまり想像しないでお読みいただけると幸いです。
さて肝心のみかん梅干し。これがとてもおもしろかった!
口に入れた瞬間は、意外なほどにふつうの梅干しなんですよ。ところがもぐもぐやってると、ふわっとした甘さが広がりだし、「あ、はちみつ梅的なあれね」と油断していたら、その甘みがぐんぐん強まってくる。それはもうかなりの甘み。え? え? これって梅干しだったよね? と思っていると、ぐいっと広がるみかんの香り。最後のほうは梅よりみかんの印象のほうが強いくらいかもしれません。
初めての体験でうまく説明できないんですが、個人的に好きなことは間違いない。梅干しに、こういう世界があったとは……。
続いて桃。これがですね、同じパッケージながら、みかんとはまったく違った味わいなんです。
個体差なのか、それともみかんと桃の果実成分の特性の違いなのか、みかんよりも果肉自体がとろりとしている。口に含むと、さっきの「最初は梅」とは違って、どこか果実酒のような、大人っぽい高貴な香りがいきなり口いっぱいに広がります。そしてやっぱり、後半は甘みと桃の香りがぶわーっと広がりだす。
いいなぁこれ、夜に洋酒と一緒にちびちび食べたいような味わいというか。
そしていちご。これまた前のふたつとは違い、袋を開けたとたんにメルヘンチックないちごの香りががつんと広がります。いちごって、強いな。
味のほうは、とろりとした果肉に梅といちごのフレーバーがちょうど半々くらいずつ感じられて良いバランス。ふと頭に浮かんだ言葉は「大人の梅ジャム」。
こんなにも今までに食べたことがないものを食べる経験って、大人になると貴重だと思います。なので、ずばっとその良さを説明できないけれども、大好き。
そうだ、これ、甲類焼酎を炭酸水で割ったプレーンチューハイにぽとりと落としたら、絶対やばいでしょ。 酒場で出したら、プレーンの倍の値段とれるんじゃないのかな?
以上、梅damonoとの衝撃の出会いを経て、他にも変わり種の梅干しってあるのかな? とネットで探してみたところ、こんどは「とまと梅」なるものを発見。和歌山県の紀州農業協同組合「JA紀州」が作る商品で、サイトの説明によると、
「紀州みなべの南高梅を、高糖度ミニトマト優糖星(糖度8度以上)の果汁で漬け込みました。まろやかなトマト味に仕上げた、新感覚のデザート梅干しです」
とのこと。トマト果汁で梅を漬ける!? しかも「デザート梅干し」!? これまた気になる〜!
というわけで、実食といきましょう。
さっきからメインとなる梅干し画像に絵がわりがまったくないのが面目ないんですが、きっちりとそれぞれ別の梅干しですので。
そしてこれがですねー、フルーツとはまた違う意味でインパクト大だったんですよ。
まず、口に含むまでは完全に梅干し。見た目も食感も完全に梅干し。なのに、口に入れると広がるのは、圧倒的トマトフレーバー。自分は今、梅干しを食べたはずなのに、なんでこんなにも、口のなかトマト? っていう。
もちろん梅干しならではの甘酸っぱさはあるんです。けどほら、トマトって、甘酸っぱいという意味においては梅干しとかぶるじゃないですか。結果、境界線がぼやけるんですよね。
いや〜おもしろい。梅干しでもなくてトマトでもなく、梅干しでもあってトマトでもある。それが、とまと梅干し。公式の説明にデザートという言葉がありましたが、これはごはんももりもりいけるやつだと思います。
最後に、だめ押しでもう一品。「紀州福の梅本舗 みやぶん」が作るのは、なんと「ビール梅」!
これまたサイトの説明によると、
「ビール酵母の栄養素を含んだコクと旨味が詰まった梅干しです。ひと味ちがう、食べやすい甘酸っぱい一品です」
とのこと。
ビール酵母を使用してはいるものの、ビールの風味はせず、アルコール成分も含まないので、お子さんでも食べられるのだとか。
ビール好きとしては、ビールの風味がしてほしかった気持ちも、アルコール成分を含んでいてほしかった気持ちもありますが、それはそれとして、ビール酵母で漬けた梅干しの味、気になります。
食べてみたところ、甘さは控えめで、しょっぱみが前面に出てくるような、かなり王道の美味しい梅干しですね。普通にリピ買いしたくんるような。
加えてよくよく味わってみると、ほのか〜に酵母っぽいような、どこかにお酒の気配を感じるような風味がある気がします。ほんのりと苦味がある気も。
バカ舌の僕のことですから、ビールという言葉に引っぱられてそう感じているだけの可能性が高いですが、これまた人と感想を共有して盛り上がるにもぴったりの一品でしょう。
ところでさっき「だめ押しでもう一品」と言いましたが、ビール梅が売っているみやぶんのサイト、他にもおもしろ梅干しがかなりいろいろあるんですよね。実はついついがまんしきれず、もうひとつ買ってしまっていたのでした。そこで、本当の本当に最後の一品。
なんと、梅干しをハーブオイル漬けにした商品。
ちょっと今までのものと毛色は違いますが、超変わり種梅干しであることには間違いないでしょう。
というわけで、最後にこれを食べてみたところ、またまたかなりの衝撃が。
まず、ただでさえ肉厚の南高梅が、オイルを吸ってたぷんたぷん。箸でつかみ上げるのにも慎重になってしまうくらいなんですよね。また、食べるとくちびるがテラテラする梅干しなんて、これくらいなんじゃないでしょうか。
しかもこのオイルがかなり本気で、ローズマリー、オレガノ、バジル、ローレルに、にんにくや唐辛子まで入っているという、「梅干しでそれやる!?」っていうシロモノなんです。
ところが全体が調和していないかと言うとさにあらず。梅干しの甘酸っぱさっとジューシーさにハーブオイルが不思議とマッチ。
これ、バゲットと合わせてみても絶対美味しいだろうな〜。
家にバゲットがなかったので、スライスしたライ麦パンをこんがりと焼いた上に、ハーブオイル漬けの梅干しをのせて。まず、パンとハーブオイルが合わないわけがないし、そこに甘酸っぱくてジューシーな梅のアクセント。かなり素敵ですねー。これ案外、チーズなんかを加えても合うかもしれないぞ。
どれも食べる前は味の想像がつかないものばかりだったけど、それぞれが意外性もありつつきちんと美味しく、梅干しの世界の深さを思い知らされた結果となった今回。
ただ、とにもかくにも思い知ったのは、「南高梅の梅干しがそもそもうますぎる」という事実。塩分の心配さえなければ、1日に何個でも摂取したい〜!
冒頭に登場した、あまりのおいしさに驚いてしまった「一粒のごちそう」、梅干し田舎漬けもどうぞ
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