「おれ、枯れたメシ食ってるな……」
昨年、会社を辞めてフリーランスになり、大きく変化したこととして、夜飲みに行く以外の外食をほとんどしなくなったというのがあります。
それまでの社会人生活20年弱の間は、ランチは基本外食でした。ただ、歳を重ねるごとに、どこのお店で食べる1食ぶんも、自分にはちょっと量が多すぎる気がして、年々なんだかしっくりこなくなってきていました。
それが自営業になり、自らお昼ごはんを作れる環境となってみると、本当に自分の欲しているぶんだけ食事をとれるようになる。夜は割と調子に乗ってしまうことも多いので、それ以外は粗食で過ごすのがすごく気分。基本的に朝昼兼用で、お茶碗に小盛りのごはんをよそい、そこに冷蔵庫の残り物おかずをてきとうに見繕って乗せ、食べる。それが、心底うまい。
ところが、ある日気がつきました。「僕自身は大満足して食べてる日々のごはん、客観的に見ると、ものすごく枯れてるよな~」と。特に、見た目が。
そこで、個人的に登録している「note」というサイトに、日々の質素な食事を「枯れごはん」と称して記録するようになったのが数ヶ月前。今回は、そうして記録のたまった僕の枯れたごはん50食ぶんを再構成し、そこまでひどくないものからかなりひどいものに向かって、ランキング形式で紹介していこうという趣旨の記事になります。
ではでは、よろしくどうぞ。
成り立ちは悲しくても、そこまで枯れては見えないゾーン
まずは第50位から、どんどん行きましょう。
お刺身で晩酌をしていて食べきれず、出汁醤油で簡易的な「漬け」にしておいて、翌朝どんぶり風にして食べることがけっこうあります。残り物とはいえ、むしろごちそう。
同じく。
スーパーで買った「いかキムチ」なるおつまみが残っていたので納豆と混ぜて。
妻があれこれ仕込んでくれていた常備菜が冷蔵庫に豊富にあったので、遠慮なく。老人の朝食風ではあるけれど、これまたかなりのごちそう。
そもそも彩りが美しい。そしてうまい。
残った煮物を温めもせずではあるけれど、今また食いたい。
残り物のフライ。もちろん「トキハソース」をかけて。
残り天ぷらは、ちくわ、小海老、鶏ムネ肉だったかな。久しく行ってない立ち食いそばが恋しくなった味。
安インスタントラーメンに「八王子ラーメン」の特徴であるトッピング、玉ネギを加えて。
赤、黄、緑が多ければ、枯れ度はまだまだ低め
娘に作ったはいいものの、急に気分が変わって食べなかった食事は自分のごはんになりがち。これはオムライス用に作ったケチャップライスが丸々残ってしまったので、気持ちばかりの具を足して炒めなおしたもの。
同じ経緯でレトルトソースの類が残ることも多く、この日はポケモンカレーを消費。それだけではあまりにも寂しいので、オムカレーに。
ホワイトシチューにチューブニンニクを絞るだけでジョージア料理「シュクメルリ」風になります。最高に米が進む!
最近葉っぱでご飯を食べることもぜんぜん好きなのですが、フライドオニオンにレモンなんかまであしらっちゃったので、一歩間違えれば意識の高いカフェ飯風。
冷蔵庫の残り物一掃を兼ねてよく作る「闇チャーハン」。事前に完成形が予想できないのが怖おもしろく、この日は人生で食べたチャーハンのなかでいちばんべちゃべちゃな仕上がりに。味は良かったけども。
闇チャーハンを作ろうと思ったら、子供の残したレトルトカレーを加えたおかげで完全なるドライカレーができあがった。そんな日もあります。
見た目はだいぶ枯れだすが、美味しさは間違いない
要するにカツ丼や親子丼の仲間。うまいに決まってる。
「けっきょくこういうものがいちばんうまいんだよな」と、思わずつぶやく一食。
残り物のお好み焼きで。粉もんでごはん、僕は大アリです。
ホットサンドメーカーで雑に焼き。皮がまたうまい。
同じく。
「酒蒸し法」で。
珍しく買った本わさびが残っていたので。香りの良さに感動。
フィーリングで生み出した珍レシピながら、意外なほどに美味しかった。考えてみれば、「ライスラダ」に近いか。
買ったきゅうりの漬物のパッケージの裏面で推奨されていたので作ってみたら、なるほど美味しかった。
米がめちゃくちゃ美味しく炊ける飯ごう「メスティン」で。最後の晩餐でもいいうまさ。
なんちゃってたけのこごはん。これもこれでうまい。
気持ちばかりの豚バラ肉がきちんといい味を出している。それにしても新玉最高。
そろそろ枯れっぷりが猛りだす20~10位台
出汁醤油でねぎを炒めただけ。味は抜群。
ほんの少しだけ食べたかったごはんが哀愁を演出。
いくら彩りがあったとて、悲しさを隠しきれていない1食。
ロールパンがひとつ残っていたので、チルドのハンバーグと生ピーマンをサンド。レタスなりトマトなりだったらぜんぜん違ったはず。
メニュー名どおりの悲しき1皿。作りはじめてから気づいたのでどうすることもできなかった。
親に見つかったら「そんなものでごはん食べて!」と怒られそう。ただしめちゃくちゃうまい。
この世でいちばん好きなおかずかもしれない、豚バラ肉炒めのめんつゆ絡め。ただ、見た目がすごくうすら寒い。
最高の組み合わせではありながら、旺盛でない食欲が見た目に反映されすぎてしまっている点が敗因(勝因?)か。
自分が「枯れたメシ食ってんな……」と気づくきっかけになった1食。
雑に作ったら見た目がパサパサ。色味のなさも悲しい。
うまいんですけどね、すごく。横にしたら人の顔にも見えてきそう。
大好物の「豆腐丼」。醤油をかけて食べる。生姜の佃煮が添えられているのがまだ救いか。
オーソドックス豆腐丼。味は保証します。
別パターンの豆腐丼。これも本当に美味しいの。信じて。
さっきのカボチャが入ってたシュクメルリと違い、煮つまったシチューはこんなにも見た目が悲しい。
枯れっぷり殿堂入りゾーン
完全にフィーリングで作った1品。今回紹介した50のメニューのなかで、いちばんぼんやりとした味がしました。
無性にこの手のきゅうり漬けで白メシを食べたい日がある。
娘に玉子焼きと鶏そぼろおにぎりのセットを作ろうとしたら、毎日のように作ってる玉子焼きをなぜか失敗し、ついでに鶏そぼろの味も濃くなりすぎてしまい、両方作りなおしてこっちは自分で食べた。戒めの1食。
家に1食に満たないほどのカレーが残っていた場合、そこにごはんを投入し、足りなければ水気を足して温める。うまいが寂しいカレーの消費法。
何かのTV番組で見てうろ覚えだった、サバ缶にカレールーひとかけを加えて煮るだけ、というレシピを、なんとなく作ってみることに。あ、玉ねぎも加えたか。見た目の華のなさがやばい。
発表! 枯れごはんベスト3
煮付けておいた紀文の「魚河岸あげ」ひとつをおかずに。これをWEBにアップ直後、紀文の公式Twitterアカウントから「ありがとうございます」的な反応をいただき、むしろ申し訳なかった。
「飢えしのぎ」という言葉が思い浮かぶ。
タイトルの通りなんだけど、ギョニソが1/4本ぶんというのがとにかく悲しい。その悲しみをカメラが察してか、普段そんなことないのに、なんだか妙に淡い写りになっていた。
以上、「だからなんだ!」としか言いようがないかもしれない、僕の「枯れごはん」ベスト50でした。
ところで今回、なんとなく見てみたくて、全50メニューの写真が怒涛のように流れるGIFアニメを作ってみました。
お好きな音楽(ハードめのテクノあたりがおすすめ)を流しながら聞くと、なかなかぶっ飛べる映像になってるので、ご興味ある方はぜひお試しあれ。一応、著作権的にもっとも問題がないであろう、僕が過去に作ったなかから、合いそうな曲のリンクを貼っておきますので、よかったらこれをBGM再生しながら見たりしてみてください~。