特集 2018年12月6日

建物の完成予想図を現地の景色に重ねる

こういうことです

建物の完成予想図ってあるでしょう。空が晴れきってたり、まわりの建物が省略して書いてあったりする。

実際に建ったら現地でどう見えるのか、その感じを事前に味わうための原始的な方法を考えたので試してみました。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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建物の完成予想図って、だいたいこんな感じだ。

yosouzu-ss.jpg
「完成予想図」のグーグル画像検索結果より

 

きれいでとても分かりやすいんだけども、これを現地の風景に重ねられたら、もうちょっと実際の感じが分かるんじゃないかなあと思ったのだ。

で、やり方としてはこんな感じです。

・完成予想図をトレースして線画をつくる
・OHPフィルムに印刷する
・現地で透かしてみる

これだけ。

これだけなんだけど、実際にやってみるといろいろと試行錯誤があったのだ。なのでせめてその過程を紹介させてください。

DSC05266.jpg
東京の文京区役所近く

 

先日、東京の三田線春日駅の近くを通りがかったら、みごとに古い建物が壊されて、再開発が進んでいた。

どんな建物が立つのかなーと近づいてみると、工事現場にこんな完成予想図が描いてあった。

DSC05262.jpg
これはきれい

 

ぴかぴかしていい感じ。で、これをもとに線画を書きます。

senga.jpg
こんな感じでしょうか

 

そしてこれをOHPフィルムに印刷する。キンコーズで、ふつうに印刷したやつからOHPフィルムへのコピーを一枚100円くらいでやってくれるようなので、それを利用しました。

そして、OHPフィルムを持って意気揚々と現地へ。

DSC05268.jpg
全然分からない・・

かざしてみたら、描いた線が背景に紛れて見づらいことこのうえない。

こりゃだめだとショックを受けながら一回家に帰る。上の写真だと建物が左右逆なんだけど、それすら気がつかなかった。

たぶん線が細すぎたんだ。なのでもっと太い線にしてもう一回やり直してみた。

DSC05354.jpg
微妙だ・・

たしかに、さっきよりは分かりやすい。でもごちゃごちゃして全体的にはやっぱり分かりづらい。

それでも、唯一なんとか、左上の部分だけは見やすい。空が抜けてるからだ。なるほど。

建物の完成予想図を現地に重ねるときは、背景が抜けてるところでやったほうがいい。全世界のだれにも必要ないノウハウ。

さっきの工事現場の反対側も、同じように工事が行われていた。

DSC05314.jpg
ここは向こうに空が見える

さっきと違って、向こうに空が見える。少なくとも上のほうは見やすいんじゃなかろうか。

それと、足元はすでに少しできている。完成予想図とうまく重ねれば、すでにできてる部分とまだできてない部分が分かりやすいかもしれない。

DSC05338.jpg
ど、どうだ?

相変わらず微妙だけど、それっぽい感じはある。空の部分は見やすいし、建設途中の部分と重なってるのも面白い。

パースが合ってないとか、フィルムが曲がってるとかいろいろあるんだけど、むしろこのフィルム感がいいと思うことにしよう。

だってほら、よく考えたら景色の写真にフォトショップで線画を描いちゃうのが一番はやいもの。身も蓋もないけど。

懲りずにもうちょっとやる。

 

DSC05388.jpg
東京駅の八重洲口です

 

東京駅の八重洲口もまたすごい勢いで再開発中だった。正面に見える白いビルも近いうちに壊されるらしい。

新しく建つビルはどんなふうか。完成予想図を重ね合わせてみた。

DSC05381.jpg
こんな感じ

 

これはちょっとおもしろいかも。向こうが白いビルなので、黒い線が見やすい。さっきから線の見やすさしか言ってないけど。

大きさとしてはあんまり変わらないビルができるんだなあ、ていうのがたしかに実感しやすい気もする。

DSC05308.jpg
東京駅前の空が広い

 

こんどは東京駅の北側。常盤橋に近いところもまた空が広くなっていた。再開発してるんだろう。

ここの現場には映画「シンゴジラ」の写真が大きく載っていた。映画の後半でいくつか東京駅周辺のビルが活躍したんだけど、そのときの一つが今から建つこの建物なのだ。つまり、映画では公開時点でまだ建ってない未来の建物を借りてきたことになる。

この建物を東京駅の丸の内側から見た場合の完成予想図が描いてあったので、現地の景色に重ねてみた。

DSC05367 (1).jpg
こんなでした

 

映画を見た人には分かると思うけど、確かにいい位置に建っている。未来から借りてきたくなる気持ちも分かる。

ずいぶんしゃれた形のビルだ。現実には怪獣が来ないことを祈りたい。


むずかしかった

やったことはいかにも単純なアイデアだ。うまく行くだろうと思ったけど、なかなか難しかった。
 
実際に建った場合の景色を想像しやすいかな、という予想は、常盤橋と八重洲のやつではそこそこそのとおりだった。
 
とにかく背景が白いビルか、空が抜けている場所でやるに限る。それ以外は鬼門だということがわかりました。
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