建物の完成予想図って、だいたいこんな感じだ。
きれいでとても分かりやすいんだけども、これを現地の風景に重ねられたら、もうちょっと実際の感じが分かるんじゃないかなあと思ったのだ。
で、やり方としてはこんな感じです。
・完成予想図をトレースして線画をつくる
・OHPフィルムに印刷する
・現地で透かしてみる
これだけ。
これだけなんだけど、実際にやってみるといろいろと試行錯誤があったのだ。なのでせめてその過程を紹介させてください。
先日、東京の三田線春日駅の近くを通りがかったら、みごとに古い建物が壊されて、再開発が進んでいた。
どんな建物が立つのかなーと近づいてみると、工事現場にこんな完成予想図が描いてあった。
ぴかぴかしていい感じ。で、これをもとに線画を書きます。
そしてこれをOHPフィルムに印刷する。キンコーズで、ふつうに印刷したやつからOHPフィルムへのコピーを一枚100円くらいでやってくれるようなので、それを利用しました。
そして、OHPフィルムを持って意気揚々と現地へ。
かざしてみたら、描いた線が背景に紛れて見づらいことこのうえない。
こりゃだめだとショックを受けながら一回家に帰る。上の写真だと建物が左右逆なんだけど、それすら気がつかなかった。
たぶん線が細すぎたんだ。なのでもっと太い線にしてもう一回やり直してみた。
たしかに、さっきよりは分かりやすい。でもごちゃごちゃして全体的にはやっぱり分かりづらい。
それでも、唯一なんとか、左上の部分だけは見やすい。空が抜けてるからだ。なるほど。
建物の完成予想図を現地に重ねるときは、背景が抜けてるところでやったほうがいい。全世界のだれにも必要ないノウハウ。
さっきの工事現場の反対側も、同じように工事が行われていた。
さっきと違って、向こうに空が見える。少なくとも上のほうは見やすいんじゃなかろうか。
それと、足元はすでに少しできている。完成予想図とうまく重ねれば、すでにできてる部分とまだできてない部分が分かりやすいかもしれない。
相変わらず微妙だけど、それっぽい感じはある。空の部分は見やすいし、建設途中の部分と重なってるのも面白い。
パースが合ってないとか、フィルムが曲がってるとかいろいろあるんだけど、むしろこのフィルム感がいいと思うことにしよう。
だってほら、よく考えたら景色の写真にフォトショップで線画を描いちゃうのが一番はやいもの。身も蓋もないけど。
懲りずにもうちょっとやる。
東京駅の八重洲口もまたすごい勢いで再開発中だった。正面に見える白いビルも近いうちに壊されるらしい。
新しく建つビルはどんなふうか。完成予想図を重ね合わせてみた。
これはちょっとおもしろいかも。向こうが白いビルなので、黒い線が見やすい。さっきから線の見やすさしか言ってないけど。
大きさとしてはあんまり変わらないビルができるんだなあ、ていうのがたしかに実感しやすい気もする。
こんどは東京駅の北側。常盤橋に近いところもまた空が広くなっていた。再開発してるんだろう。
ここの現場には映画「シンゴジラ」の写真が大きく載っていた。映画の後半でいくつか東京駅周辺のビルが活躍したんだけど、そのときの一つが今から建つこの建物なのだ。つまり、映画では公開時点でまだ建ってない未来の建物を借りてきたことになる。
この建物を東京駅の丸の内側から見た場合の完成予想図が描いてあったので、現地の景色に重ねてみた。
映画を見た人には分かると思うけど、確かにいい位置に建っている。未来から借りてきたくなる気持ちも分かる。
ずいぶんしゃれた形のビルだ。現実には怪獣が来ないことを祈りたい。