メダルが牛のベルみたいな音がする
メダルはコスプレ専門店で買った。ただこのメダル、2つ以上ぶら下げて歩くと牛のベルのような音がするのだ。メダリストが歩くと牛っぽくなる。この発見も最後にお伝えしておきたい。
オリンピックの閉会式が好きだ。
リラックスして自由に入場してくる選手たち。競技を終えたら敵も味方も国境もない、平和の祭典という理念を表しているセレモニーだと思う。
あそこに混ざりたい。
もちろん、混ざるためには大変な努力をしなければならないのは分かっている。
だから合成で実現することにした。
オリンピックの閉会式への憧れは以前動画にもした。
最低の発言だが翻訳をふたつ挟むことでまっとうになった。
出たい気持ちを説明したところで、合成するためのステップを説明したい。
1.閉会式っぽい格好で写真を撮る
2.Photoshopで合成する
以上である。
まずは1.の撮影の前に閉会式の格好を整理したい。
実際の閉会式から導き出される特徴は以下のようになる。
オリンピックをまったく知らない宇宙人が記述したような文章になった。
選手がスマホで撮影しているのが昨今のトレンドである。たまにアクションカメラや360度カメラを持った人もいる。
これなら少人数でも合成すればなんとかなりそうだ。
2.合成は人物部分だけ切り抜いて重ねる。
20年前のこの記事と同じだ。え、20年前?!
年月の早さと自分の一貫した態度と、そんなことに一貫してしまったことに戸惑う。
閉会式に参加するのは私と妻(べつやくれい)である。
ここはオリンピック閉会式が行われているアリーナ。まわりには観客がいて、背後では陽気な音楽がかかっている。そのつもりで歩いてもらう。
公平を期するために架空の国にしたがむしろエゴが前面に出た。
この時点では「団地の遊歩道を歩いている人」にしか見えないので、不安になって340枚撮った。いくら撮っても達成感がないので終わるタイミングが分からないがこれぐらいあれば十分だろう。
写真から人物を切り抜いていく。数年前からPhotoshopには「被写体を選択」というコマンドができて人物を一発で切り抜いてくれるようになった。
私のための機能である。たまに自撮り棒を選択してくれなかったりするが、そこは手動で切り抜く。昔ながらの根性で解決する。
背景のアリーナはストックフォトにちょうど良いのがなかったのでAIに合成してもらった。
オリンピックの閉会式とプロンプトを投げたら都市名や五輪旗を堂々と使った画像を出してきたので怖くなってぼかした。
いるな、私が。オリンピック閉会式にいる。しかも何人も。
出た記憶はないが、証拠の写真だけある。もっと記憶をねつ造させるためにひと工夫してみた。
閉会式に出た。よく考えたら無観客だし、他の国もいない。そういうオリンピックもあったかもしれない。……コロナのときとかそうだったかもしれない。だんだんそんな気になってきたのでこれで良しとする。
こちらはスタジアムのカクテル光線を意識して影を複数の方向にのばした。
背景をAIで生成したが、そもそも写真を閉会式に出てるように加工してくれるかもしれない。もしそれが可能だったらこの企画はなんだったんだ。ということになる。
閉会式が開催されているスタジアムの通路を歩いている人になった。
こいつは絶対に閉会式には出ないタイプと判断したのだろう。
がっかりしたけどできなくてよかったよ。
AIと新しいPhotoshopの力を借りて、オリンピック閉会式に出ることができた。
1000年後の人類がこの画像をデータセンターの遺跡から発掘して、私をオリンピック選手だと思いますように。
そう願わずにはいられない。
メダルはコスプレ専門店で買った。ただこのメダル、2つ以上ぶら下げて歩くと牛のベルのような音がするのだ。メダリストが歩くと牛っぽくなる。この発見も最後にお伝えしておきたい。
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