広告企画 2021年12月16日

秋田は食べ物が美味しいかわりに鬼とゴジラがいる ~地元の人頼りの旅in秋田県~

秋田といえばなまはげ

他県で秋田といえば?と尋ねると、5人中4人はなまはげと答えるだろう(あと一人はきりたんぽ)。

県内にはなまはげが名前に入ったお店や施設がやたらと多い。

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本屋なまはげ
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JA秋田なまはげ
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第3なまはげ駐車場

こんなに県民に愛されている(もしくは恐れられている)なまはげに会わずに帰るわけにはいかない。

初日に行った居酒屋「山形杉」で歯医者の金内さんに勧められた、男鹿半島にあるなまはげ館にやってきた。

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鬼の言う「ようこそ!」くらい身構えてしまうものはない。

こういう施設のなまはげは観光地化されていて怖くないと思うだろう。それが、である。

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しっかり怖いからよ。
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子どもは泣くと思うよ。

館内、どのなまはげもバリバリ本気モードなのだ。直視できないくらい怖い。

館内のスクリーンでは「なまはげの一夜」というストーリー仕立ての説明ビデオを見ることができるのだが、これを見ると本当に怖くて帰りたくなる。

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スクリーンのすべてを使って脅してくるなまはげIMAX方式。

なまはげはじつは単なる鬼ではなく、家の中の災厄を追い払っていいものを連れてきてくれる「来訪神」と考えられているらしい。なまはげ館では怖がりながらも、こうしたなまはげのすべてを学ぶことができる。

ビデオを見終えたら、多くのなまはげの間を通って、隣にある男鹿真山伝承館へと移動しよう。

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圧がすごい。
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隣にある男鹿真山伝承館は古民家がそのまま再現されています。
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囲炉裏には本物の火が。
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男鹿真山伝承館

ここも全くと言っていいほど観光地用にカスタマイズされておらず、秋田の古民家ほぼそのままである。だからリアリティがすごい。

この男鹿真山伝承館では、大晦日に現れるという真山地方のなまはげ行事を完コピして再現してくれるという。

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みんなちょっと緊張気味になまはげの出現を待つ。
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この家のご主人のご挨拶からはじまる。

なまはげはいきなり入ってくるわけではない。

赤ちゃんや病人がいたら迷惑になってしまうので、あらかじめ先人と呼ばれる人が様子をうかがいに来て、なまはげが入っていいか主人に聞くのだ。

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まずは先人と呼ばれる人がなまはげ入っていいか聞きに来る。

先人が聞きに来てしばらくすると、玄関の方からこの世の物とは思えないうなり声が聞こえてくる。来るぞ!

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「ガタン!」と大きな音がしたかと思うと
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ものすごい勢いでなまはげが入ってくる。もうだめだ。

なはまげは「う゛~」などとうなりながらしこを踏み、だんだんだん!と家中を練り歩く。「泣く子はいねえが~、なまけものはいねえが~」

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近い、近い近い。
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勢いあまって客席に乱入
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子どもを見つけては頭をわしづかみにしていく。やりたい放題である。

ひととおり暴れたあと、お膳とお酒が運ばれてきていったん落ち着いてなまはげの話を聞くタームに入る。これをなまはげ問答という。

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主人はなんとかしてなまはげさんをなだめようと食事を出したり酒をふるまったりする。
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「おめえんとごの子、いいごにしでんだが」「はい、そりゃあもう」

最後にもうひと暴れしたあと、なはまげは勢いそのままに障子を「だーん!」と開けて帰っていった。

毎年大晦日にこれが来るとなると、うかうか紅白歌合戦とか見ていられないだろう。

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なまはげさんの落としていったわらは縁起物らしく、次の朝まで掃除しないのだとか。
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もらっていいですよ、とのことだったので1本いただいてきました。心を入れ替えようと思います。

なはまげは怖い。ものすごく怖い。泣く子はいないか、なまけものはいないか。それは脅しではないかという人もいるかもしれない、そのくらい怖い。

でも家の中に鬼がやってきて、それを主人が話し合いでなだめ、帰ってもらう。この一連の流れは、厄払い以外にも、家の中の秩序みたいなものを正常に保つ役目もあるんじゃないかと思った。

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外に出たらまた土砂降りでした。
次は日本酒とうなぎ!
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