平塚タンメン「ラオシャン」
ラーメン好きの江ノ島さんをして、いまだ食べられていないラーメンがあるという。
それが平塚タンメンのお店「ラオシャン」だ。
江ノ島さん「叔母さんが美味しいって言ってたんです。だから間違いないと思うんですが、まだ食べに行けてないんですよね。何かいいことがあったら行こうと思っているんですが」
平塚にあるラオシャン本店にやってきた。江ノ島さんより先に来てしまってすみません。
店内に流れるのはFMラジオ。このあたりからも質実剛健、地域密着、そんなお店の意志が感じられる。
食券を買って席に着くと、机を拭きながらものすごいスピードでおばちゃんが食券を確認しにやってきた。
「はいたんたーん!」
「たんたーん!!」
「はいたんたーん!!!」
食券を読んだ人が厨房のみんなに注文を通す。「たんたーん」というのは平塚タンメンの注文を指すのだろう。その声にスイッチが入ったかのように店内が動き出す。
カウンターをはさんで厨房と客席との目線が同じ。
厨房には仕切りがないので料理人の手元が完全に見える。これ、やりにくくないんだろうか。
と思っていたけど、逆に真剣な顔をしてタンメンを作ってくれている様子が間近で見られるので、お客としてはそれを見て安心できるのかもしれない。なるほどー。
そしてすごいスピードで平塚タンメンが運ばれてきた。
こちらがラオシャンのタンメン。
ものすごく透き通っている。
美しい。
見た目に限って言うとこれまでに食べたラーメンの中でもトップクラスに美しい。澄んだスープにキラキラ光る麺とタマネギ、鮮やかなわかめ。ほのかに香る磯の香りはわかめから出ているのだろう。
このわかめがまたシャキシャキなんですよ。
食べてみるとこれはラーメンのようで、ラーメンとはまったく別の料理だと気づく。
きわめてあっさり、ちょっとだけ酸っぱい。その酸っぱさが、つるっとした優しい麺に絡んでするすると口に入ってくる。
途中で店員さんから「タンメンにはよかったらラー油を入れてくださいね」と言われた。
このラー油がまた美味そうなのだ。
このシンプルな美味さを味の濃いラー油で変えてしまうのはちょっともったいないかもと思ったが、それも杞憂だった。
ラオシャンのタンメンはラー油を入れて完成する。
これで完成。
ラー油をひとさじ入れることで、優しい酸っぱさだったスープがくっきりとした輪郭を持つ味に変わる。さっきまでラーメンとは別の食べ物だと思っていたものが、いやまてよ、これはラーメンだ、となる。
とはいえそれでもまだまだ十分あっさりだ。これなら朝から食べられると思う。
いまこそ近くのラーメンを!
この2週間、暇さえあれば人に聞いてラーメンを食べに行った。今思えばすごく楽しい期間だった。
2週間でとくに体重が増えたり減ったりもしなかったし、体に不調もない。しいていえば腰が痛いが、これはラーメンとは無関係だろう。
今回の記事のために、気になっていたけど行ったことがなかったラーメン屋にいくつも行くことができた。これからもできるだけ地元のラーメン屋に行ってみたいと思う。
遠くの美味いものはもちろん食べたいけど、いまはあえて近場だけど食べたことがなかったものに挑戦するチャンスだと思いますよ!
神奈川県出身の歌手ひよせさんとの対談はこちら。
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