元祖ニュータンタンメン
次も地元のラーメン通江ノ島さん御用達のお店、元祖ニュータンタンメン。
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15時過ぎに行ったのだけれど店内はほぼ満席だった。近所の人らしきお父さんとお母さんが、自分ちにいるようなテンションで静かにご飯を食べている。
店内BGMはアメリカンポップス。ここまでいくつかラーメンを食べ歩いてきて思うのだけれど、ラーメン屋さんは一人客が多いからかお客の会話が少ない。すると自然とBGMが店内の雰囲気を左右するのだ。
藤沢の「あん藤」がハワイアンを流していたのもそうだけど、僕はもう80年代くらいのアメリカンポップスを聞くとしばらくはニュータンタンメンを思い出してしまうと思います。
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注文したあと、いったん席を立って手を洗って、戻ったらもう席にニュータンタンメンが届いていた。
自分で料理をするとわかるんだけど、飲食店で注文をとって、食事が出てくるまでの時間って驚異的ではないか。どうしたらその時間でこのクオリティのものが作れるの?と不思議でしかたがない。
ニュータンタンメンもそうである。なんでこれがすぐに作れちゃうのか。厨房を見ていたのにその謎が解けないのが不思議だ。
それにしても見た目がすごい。ぱっと見ラーメンに見えない。
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まず目につくのはレンゲのでかさだろう。小型のしゃもじくらいある。これは後から便利だと気付くのだけれど、ニュータンタンメンは麺も具も重いのでこのくらいのサイズのレンゲが食べやすいのだ。
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うまい、辛い、ああうまい。
玉子とひき肉とニンニク、よそのラーメン屋に比べるとかなりシンプルである。しかしその球はズシリと重く、簡単には真似できない。
色が赤いので辛そうに見えるが、いや実際辛いんだけど、辛ければ辛いほど美味い味付けなのだ。
そしてこの量のニンニクには一瞬ひるむが、食べてみるとほくほくしていて苦みも匂いも全くない。栄養の塊を体に取り込んでいる、そんな気がした。
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これは僕だけかもしれないけれど、ラーメンを食べたあとってお腹いっぱいでもチョコとか食べたくなりませんか。
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体に取り込まれた塩分をチョコで相殺したがっているのかもしれない。お腹いっぱいなので1個食べるとそれで満足するんだけど。
名物サンマーメン
他の取材で横須賀に行く機会があったので、神奈川ならではのラーメン「サンマーメン」を食べることにした。勧めてくれた江ノ島さんは「サンマが入っていると思っていた」と言っていた。
そういう僕も、初めてサンマーメンを食べた時は麺を掘ってサンマを探したものである。たぶんみんなそうだろう。
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日本にいながらアメリカ気分を味わえる横須賀である。ラーメンもアメリカンスタイル(そういうのがあるのか知らないけど)かと思ったら、わりと普通の中華料理屋さんが多かった。
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サンマーメンはラーメン屋というより中華料理屋にある印象である。それは主に神奈川県の南部地域で見られる。
横須賀の、この上海亭にもあった。
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近くの席のお客さんを見ると、サンマーメンとギョウザ、サンマーメンとチャーハン、など、特に看板メニューでもなさそうなサンマーメンをみんな食べていた。流行っているのか!と思って焦ったが、聞くと今日はサービスラーメン(その日にお得に食べられるラーメン)がサンマーメンだからとのこと。
ちょっとがっかりしたが、これもまた運命。僕も迷わずサンマーメンを注文した。
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サンマーメンは野菜たっぷりの餡をかきわけると細くて硬い麺が現れる。
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サンマーメン、あっつあつである。
正直、しばらく手を付けられない程度に熱い。麺が固ゆでなのは、時間をかけて食べても最後まで麺が伸びないための配慮なんだと思う。
野菜たっぷりの餡はとろりとして香ばしく、野菜のシャキシャキ感がちゃんと残っている。けっして複雑ではないけれど、家では作れないプロの味である。ただしやけどするほど熱いけどな。
脂っこいラーメンは美味しいけど食べた後にぐったりする。その点サンマーメンは逆にシャキッと元気が出た。