天空の鳥居がある高屋神社
こんぴらさんに続いて、もう一つ山の上に建つ神社があるらしい。そこは「天空の鳥居」と言われていて、これもインスタグラムで大人気とのこと。
前に見える山を上るということだろうか。しかしさっきこんぴらさんを詣でてきたばかりである。足はいい感じに出来上がっている。
と思って跳ねるように上り始めたのだけれど、延々続くジグザグコースに10分くらいで心が折れた。
僕は山の中を走るトレイルランニングという競技をやっているので、ちょっとくらいの山道なら小走りで上ってしまうのだけど、それでもこの山はなかなかのものだった。
山頂がチラチラと見えているだけに、あそこまで上るのかー、という絶望感が常に頭をよぎる。
冬なのに汗だくである。
ふらふらになりながらたどり着いた高屋神社本宮は、ここまで来た人だけにご利益をさずけよう、といった雰囲気だった。
それにしてもこんなに人がいるとは。みんなすごいな。道中誰にも会わなかったのに。
これもインスタグラムへ。映える!
衝撃の事実が判明
しかしこれ、上ったからには下りなくてはいけないんだな。あの果てしない階段を、また。
上りほどではないけど下りもたいへんですよねー、と写真を撮ってもらったおじさんに同意を求めたところ
「え!あんた下から上ってきたの?歩いて?」
と。
え?なんで?
もしかして他にルートが?
「あんたそれ下社から来たでしょう。グーグルマップで調べると車で山頂まで連れてってくれるのに」
なんということ。
でもいいんです、足で上ったからこそ得られるものがあるはずなので!
香川のみかん「はるみ」
香川といえばうどんだけじゃないよ!みかんもだよ!
と香川県出身者に言われていたのだけれど、この時期にみかんってまだあるんだろうか。
半信半疑で来てみたら、直売所に山ほど売られていた。
みかん初心者にはどのみかんがいいのかさっぱりわからなかったので、レジのおかあさんにおすすめを聞いたところ
「そりゃあんた、いまならはるみがええわ」と。
おかあさんいわく「はるみ」というみかんは皮は硬いけど、実がなにしろ甘いんだとか。
「傷があったりするけどむいちゃえば同じだからな。ぜったいこっちが甘いからよ」という列から一袋売ってもらった。
ついでに次にどこ行ったらいいか、おかあさんのおすすめを聞いてみたところ
二人が声を合わせてすすめてくれた場所、それは「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」。なんでも香川県の観光ポスターに使われるくらい「映える」写真が撮れるらしいのだ。
映えすぎる海岸「父母ヶ浜」
父母ヶ浜は遠浅の海で、干潮の時間にはところどころに大きな水たまりができる。その水に風のない日にはまるでウユニ塩湖みたいに空を写し、幻想的な写真が撮れるのだとか。
さすがは県内屈指の「インスタ映え」スポット。周囲の環境もかなりおしゃれに仕上がっていた。
僕が父母ヶ浜に着いた16時ごろから夕暮れに近づくにつれ、どこからともなく若者たちがぞろぞろと集まってきた。
この日は風が強くて思ったように水面が鏡のようにはならなかったのだけれど、それでもみんなジャンプしたり抱き合ったりと、ポーズをとって写真を撮り合っていた。いいな、僕もみんなで来てこういうことしたかった。
夕暮れまでもう少し時間があったので、さっき販売所で買ったみかんを食べて待つことに。
「はるみ」は一般的なみかんにくらべて粒のひとつひとつがしっかりはっきりしていて、直売所のおかあさんのいう通り抜群に甘かった。気づいたら1個残して全部食べてしまっていた。
はるみでおなかがいっぱいになったころ、太陽がちょうど海のかなたに沈んでいくところだった。インスタ映えタイムの始まりである。