おすすめスポットその10:出雲にきたら、夕日!
今日しかチャンスがないので、なんとかして良い夕日を見たいぞ。
というわけで、立派なカメラを構えていた人に聞き込みだ。
駐車場に戻ると近くにいい撮影スポットがあるという。
よく考えたら、夕日が沈んでしまうのでイカを食べている場合ではない。
急いで口に含みながら教わった場所へむかうと、教えてくれたお兄さんも来ていた。
先ほどの広場は人が多すぎたので移動したらしい。
「ばんじまして」
オレンジを帯びてきた空を眺めていると、絹練りアイスを食べた呉服屋さんのお姉さんが好きだと言っていた、出雲の方言を思い出す。
「ばんじまして」だ。簡単に言えば夕方の挨拶。
出雲の人は、地元の人いわく「ねちっこい」性格が多いらしいが、逆にいうと、機微に気づける性質があるというような事を言っていた。
この、夜になる前の、美しい時間帯の言葉を生み出すあたりも、そういった繊細さが伝わっていい。
おすすめスポットその11:お肌つるつるになる「北山温泉」
すっかり日が落ち真っ暗な中、曲がりくねった山道をなんとか下りてきた。
ブルブル震えながら立ち寄ったのは、喫茶店のお母さんが「ここはほんとにお肌つるつるになる」と教えてくれた人気の温泉地だった。
琥珀色をしたアルカリ性単純温泉と、新設された炭酸泉が楽しめた。
露天風呂が最高。
なにがいいって、カエルたちの大合唱が聞こえ癒されるのだ。
おすすめスポットその12:1500年前につくられた棺に入れる!「出雲6大古墳」
さて翌朝。
駅でおじさんにきいていた古墳に行ってみることに。
地元の人でも知る人ぞ知るスポットのようだ。
大念寺に訪れ古墳が見たいと告げると、ご住職さんが現れ、こちらから聞くまでもなく、出土品を見せながら説明をはじめてくれた。
出雲神話を交えながらこの辺の歴史を教えてくれる。そして寺の裏手にまわり、これまた当たり前のようにガイドしてくれた。
小学生低学年の子供なら、立って歩き回れるくらいの立派な石棺だ。
しかし子供はあまり古墳に興味がわかないらしく、訪れるのは大人が多いそうだ。
6大古墳の情報がまとまった「こふマップ」という地図があるので、興味ある人はそれをみて周るといいだろう。
おすすめスポットその13:電車が走る光景
次の場所へ向かっていると、線路際で鉄ちゃんたちに遭遇。
近づくと、私のことを仲間と思ったようで「オロチですか?」と聞いてきた。
この辺は神話に出てくる大蛇・ヤマタノオロチに例えられる斐伊(ひい)川という川があるけど…なんのこと?
たんぼに電車が駆け抜ける景色が好きだと言う地元の人もいた。
私は電車に詳しくないけど、レトロな電車がのびのびと走る姿は見ていてとても気持ちがいい。
おすすめスポットその14:八百万の神々が最後に宴会をする「万九千神社」
ふつう、旧暦十月のことを神無月(かんなづき)と言う。
神様が土地を留守にする月とされているからだ。
その神様達はどこにいくかというと、出雲大社などの神社に滞在し、国家安泰や縁結びの会議をする。
なので出雲だけは旧暦十月を神在月(かみありづき)と呼ぶ。
会議を終えた神々は、地元に戻る前にここ、万九千神社で直会(なおらい)と呼ばれる酒宴を催すそうなのだ。
(自分で見つけた)おすすめスポットその15:キルトにわびさびを感じるとは!「出雲キルト美術館」
ところで、実はこの日は朝から少し雨模様だった。
最初はポツポツだったのに、だんだん強くなり、寒さで震えるように。
そこで耐え切れず逃げ込んだのが出雲キルト美術館だ。
2台もストーブをつけてくれて、私は長いことその前で体育座りをして暖をとらせてもらった。生き返った気分だ。
せっかくなのでキルト作品も見せてもらうことに。そしたら、これが素晴らしかった!
島根県出身のキルト作家・八幡垣睦子さんの作品が並んでいた。
キルトといえばなんとなくハワイアンキルトのようにカラフルで明るい、外国の印象がある。
しかし八幡垣さんの作品は、出雲の旧家に寄贈された着物を活かしたものや、掛け軸にしたものなど、とても「和」なのだ。
キルトの新しい一面を見れて興奮した。
外に出ると雨はすっかりやんでいた。
さてさて旅も終盤!
次ページへ続く。