戸隠そば「そばの実」
長野のこのあたりは戸隠そばといって、そばが有名なのだとか。そういえばトレイルランニングのレースでも補給所でそばが振舞われていた。
お店に入るとすぐに温かいお茶を出してくれた。これは本当に美味しかった。
雪道をさんざん歩いてきた後である。温かいお茶がなによりありがたかった。
この後、お店おすすめの十割そばとワカサギの磯部揚げを注文した。
ワカサギは持ち上げても重さを感じないほどカラっと揚がっている。頭の先にちょっとだけ塩を付けて食べると、海苔の香が鼻からふわーっと抜けるのだ。うめー。たっぷりあるのに減っていくのが寂しくなるほど。
そばだって見ただけで美味しいのがわかる。
そばは直接はほんのりとしか香らないのだけれど、口に入れた瞬間に強烈にそばの香りがするのだ。
来るたびに思うのだけれど、長野には長野らしい香りがあると思う。なんだろう、森とお寺をブレンドして囲炉裏であぶったみたいな香り。その香りをこのお店でもかいだ。
ワカサギとそばはあっという間に食べてしまった。
お店で聞いたところ、ワカサギはここからしばらく行ったところにある「野尻湖」でとれたものらしい。
野尻湖
野尻湖で発掘されたナウマンゾウの話は中学か高校の英語の教科書で読んだことがある。湖畔に化石が見られる博物館があるというので行ってみた。
やはり昨今の新型肺炎の感染拡大を防ぐため、との理由でしばらくお休みだった。ナウマンゾウ、また落ち着いたら必ず見に来るからな。
戸隠地質化石博物館
仕方がないとはいえ化石好きとしては盛り上がった気分を押さえきれるわけもなく、代わりにというか県内にあるもう一つの施設、戸隠地質化石博物館へと向かった。この博物館は建物自体がちょっと変わっているらしいのだ。
どう変わっているかというと
この博物館は廃校になった学校をまるごと改装して博物館として再利用している。
博物館は学校らしさをうまいこと残した状態で運営されている。
さっき「学校らしさを残したまま」と書いたが、残したままというか、ほぼ学校そのままなのである。
かと思えばきれいにリノベされて博物館になっているゾーンも混在していてパラレルワールドに足を踏み入れてしまったような気持ちになる。
学校ゾーンはあの頃の理科室に入りこんじゃった感じの懐かしい内容だったのだけれど、博物館ゾーンではしっかりとした化石標本や鉱物なんかが展示されていて化石好きにも大満足の内容だった。来てよかった。
中でも面白かったのがこの「ホネベヤ」と呼ばれる骨ばかりが展示されている部屋。いわく資料室をそのまま展示している珍しい部屋なのだとか。
博物館には展示された「フロントヤード」と資料を保存する「バックヤード」があるが、このホネベヤはその中間「ミドルヤード」という位置づけなのだとか。つまり保存室でもあり展示室でもあるのだ。
ここには触っていい骨もたくさんある。
戸隠地質化石博物館では管理している数人以外、お客さんには一人も会わなかった。確かにちょっと行きにくい山の中にあるのだけれど、こんなに面白い施設なのにもったいないなと思う。