特集 2018年11月12日

居酒屋かけ合わせグルメ


昨年、友人のミュージシャン、ディスク百合おんさんが「コンビニかけ合わせグルメ」という本を出版しました。

子供の頃から「OH!MYコンブ」というグルメ漫画が大好きだったという百合おんさんは、ライフワーク的に、コンビニで販売されている食品2つ、もしくは3つを組み合わせて、新しい美味なる料理を誕生させる「かけ合わせグルメ」を趣味としていました。

ある時、「セブンイレブンの『担々麺』と『棒棒鶏』を合体させたら、お店レベルにうまい新しい料理が誕生した!」という由のツイートをしたところ大反響。
あれよあれよと本が出版されることになり、「コンビニかけ合わせグルメ専門家」としてTVやラジオにも度々登場する人気者に。

そこで酒飲みの僕は思いつきました。
「かけ合わせグルメ、居酒屋でやっても楽しそうじゃね?」と。

家元である百合おんさんにもご協力いただき、「居酒屋かけ合わせグルメ」、やってみました。

1978年東京生まれ。酒場ライター、他。酒カルチャー雑誌「酒場人」監修をはじめ、いろいろとやらせてもらってます。(インタビュー動画)

前の記事:ソースせんべいの食材としてのポテンシャル

> 個人サイト 羅刹レコーズ/パリッコ オフィシャル

1軒目「ファミレス」

もちろんそこらの大衆酒場でやっても楽しそうなんですが、こうして記事にするわけですし、なるべく多くの人が共感しやすい店選びをと、今回は「お酒が飲めるチェーン店」という縛りで、3軒のお店をハシゴすることにしました。

1軒目は、ファミレスの「デニーズ」。

本日の参加者をご紹介しましょう。
まずはさっそく難しい顔をしている、

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ディスク百合おんさん

かけ合わせの家元として、負けるわけにはいかないという意気込みが写真からも伝わってきますね。

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カメラを向けると
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つい小芝居に走ってしまうのが悪い癖

そして、「コンビニかけ合わせグルメ」の本にオリジナルレシピを寄稿されていて、さらに、「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる」という料理本の著書もある、漫画家の、

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谷口菜津子さん

そして、実は同じく本にレシピを寄稿させてもらっている、僕ことパリッコと、編集部より古賀さん。

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以上のメンバーでお送りします

本日のルール

進め方ですが、まずはじっくりとメニューを眺め、参加者それぞれが「これぞ!」というかけ合わせレシピ案を決めます。
そして、専門家である百合おんさんのかけ合わせメニューを1品、それから、初心者軍団である残り3名のレシピ案のうち、一番やってみたいのを1品、つまり1店舗につき、合計2品のかけ合わせメニューを誕生させ、どちらがより美味しかったのかを判定していきたいと思います。

さて、近年「ファミレス飲み」はすっかり定番となり、メインの食事系以外にも、かけ合わせの素材となりそうなサイドメニューが山ほど。

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あれもこれも、全てがかけ合わせの素材に見えてくる
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「どれから混ぜる? 何から乗せる?」に見えてくる

いよいよ実践!

あーだこーだと言っているだけで楽しくて、あっというまに10、20分と時間が過ぎてゆくので、タイムリミットを設け、1店舗目のメニューをそれぞれ決定。
このようなラインナップになりました。

・「卵にこだわった濃厚カルボナーラ×コーンスープ」百合
・「特製ポテトサラダ×自家製フレンチトースト(2コ)」谷口
・「洋なしのゼリー仕立て×カットステーキ」パリ
・「特製ポテトサラダ×海老フライ」古賀

百合おんさんによれば、かけ合わせグルメいちの無作法は、食材を余らせてしまうこと。
例えばパスタとカレーライスをかけ合わせ、白米だけが余ってしまう、なんてのは言語道断。
2品、3品をかけ合わせ、きっちりと1品、もしくは食材の入れ替えを駆使して新しく別の2品の絶品メニューが生まれる、といった形が理想的というわけです。

そんな百合おんさんのメニューは、さすが経験値が違うというか、間違いないことがすでに頭の中で想像できている組み合わせだそう。

それに対し、初心者軍団の案はそれぞれにやりたい放題感が漂います。
僕のアイデアは、奇跡的なマッチングが生まれることにかけて、スイーツを肉のソースにするというもの。
古賀さんはインスタ映え(これもかけ合わせグルメには重要な要素だそう)を意識し、ポテサラの上に海老フライを「金のシャチホコ」状に立てたメニューを。
中でも満場一致で味に興味が惹かれた、谷口さん提案の、ポテサラとメープル風味のフレンチトーストの組み合わせで勝負に出ることに!

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「特製ポテトサラダ」(199円)
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「自家製フレンチトースト(2コ)」(349円)

 まずはポテサラが届いてみてびっくり!
ボリューム感自体がかなりのものな上、ゴロゴロとしたジャガイモが見るからに美味しそうです。
そんで安い!

フレンチトーストは「余らせない」を意識し、4個ではなく2個をチョイス。

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考案者自らがかけ合わせるスタイル
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メープルシロップもタラーッとかけて
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1品目完成~!

正直に言って、この時点で少しポテサラが余ってしまいました。
バランスを考えるとフレンチトースト、4個のほうで良かったんだ。
という減点ポイントを反省しつつ、いざ実食してみると……

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「フムフム……」本人は真剣なのに滑稽なツラ
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「めっっっちゃうまい!!!」
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「この料理って、世の中にないんでしたっけ!?」
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「さ~てお手並み拝見、と」
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「あ~はいはい、なるほどなるほど」
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「この勝負、ヤバいかも……」

というわけで、結果はいきなりの超絶品!
リンゴや千切りキャベツまで入ったポテサラの、複雑な食感や味わいがフレンチトーストと喧嘩せず、仕上げのメープルシロップも大変良い仕事。
予想を超えた甘じょっぱい相乗効果を生み出しています。

かけ合わせ視点からすると食材を余らせてしまったのはマイナスですが、普段使いでこの2品を注文し、ポテサラの半分は普通に、半分はフレンチトーストに乗せてつまみにしてたら、それはかなりのファミレス飲み上級者ですよ。
本気でおすすめ!

さて、お次はプロの出番。

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「コーンスープ」(199円)「卵にこだわった濃厚カルボナーラ」(849円)

こちらをかけ合わせてゆくそうです。

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シンプルにタラー
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「特濃コーンスープカルボナーラ、一丁あがりでいっ!」
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もったり好きにはたまらないビジュアル

実際のところはどうなのでしょうか。

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「はいこれは絶対うまい~!」
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「予想は超えてこないけど……」

上の表情が全てを語る通り、普通に美味しいんだけど、必然性までは感じられない、かけ合わせ業界で俗に言う「混ぜただけの味」という結果に。
1軒目は、百合おんさんの守りの姿勢が裏目に出、初心者軍団に軍配が上がる結果となりました。

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