疲れている時にいいかもしれない
最後ら辺が唐突でおかしなまとめになってしまってすみません。
しかし今回の企画で、目線を変えれば涙が止まる事もあるし、可愛い犬のお尻が間近に見えてほっこりする事もある。そういう事が分かった。
他にも猫の目線、虫の目線など、色々な目線でも楽しめるのではないでしょうか。なんだか疲れて人間やめたくなったらトライしてみるのもいいかもしれません。その場合は何かにひかれないように気をつけて。
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犬って、とても可愛いですよね。
人間として背が低めの私よりも、ずっとずっと小さいうちのワンコ達。
ちょこまかと器用に動くワンコ達は、想像だと視界は狭くて危険がいっぱいな気がするけどどうなんだろう。
たまには大好きな彼らの目線に合わせて散歩してみるのもいいかもしれない。
※2011年04月に掲載された記事の画像を大きくして再掲載したものです。
我が家にはトイプードルが2匹いて、散歩はいつも同時に連れて行く。散歩コースは家族それぞれ色々あるけど、私の場合は公園を通って少し離れた神社を迂回するコースと、土手を歩くぼんやりコースの2パターンある。今日はその2箇所を散歩したい。
よく言われているように、犬というのは基本的に飼い主に従順で、散歩中は足元にピッタリとくっついて歩いてくれる。
その上プードルという犬種は、サーカスで活躍するのを見るとおり、知能や学習能力が高いらしい。
しかしひと口に犬と言っても、やはりそれぞれに性格がある。せっかくなので今回手伝ってくれたうちの犬達を紹介したいと思います。
このように、親子であっても性格は全く違う。やはり犬の世界もメスの方が大人しいように思う。表情もメスの方が優しげでオスの方はキラキラと少年ぽい目をしている気がする。食べ物への執着はもちろんメスの方が強い。
さてそれでは犬の目線の高さを計ってみます。
さて次に、一体どうやって犬の目線になるか。今回の企画の肝だ。この日撮影する事を決めたまではいいのだけれど、どうやって体験するのかは直前まで決めていなかった。
いや、上の絵のように車輪をつけた台の上に乗るイメージまでは決まっていた。けれどこんな台は都合よく見当たらない。どうしたものかと部屋にあったもので作ってみたものの、試しに乗ってみたら一瞬で壊れてしまった。マズイな・・
焦った私は違う代用品、しかもしっかりと乗れるものをすぐに手に入れなければとようやく頭を使いだした。
これは車の修理の時なんかに車の下にもぐりこんで作業する時に使用する寝板と呼ばれるものである。ネットで探すと3000円位で手に入るらしいが間に合わないので近所の車修理工場を当たった所、なんと1店目にして快く貸してくれたのだ。
こうして自作のへなちょこ台車が一瞬で壊れた1時間後には無事、頑丈な寝板を手に入れる事ができた。最初からもっと頭使えばよかった。
という事で、これに乗って犬たちと散歩したいと思います。
公園の入り口で試しに板の上に乗ってみるととても安定していた。これなら安心して犬の視線で散歩できる。でも、何だか必要以上に安定しているぞ・・というか全然動かないじゃん!
砂利ですよね。
砂利の上で車輪が回らず全く動く気配がないですよね。こうして早くも私の公園デビューの夢は終わりました。
そこで、あまり車が通らない公園脇の道路を散歩する事にした。まあここも犬の散歩に通る事あるので良しとしましょうよ。
地面を足で蹴ってみるとスムーズに動いた。いよいよ犬の目線で、犬達と並んで散歩できる時が来た。
この時、私の中では先ほどのイラストのように皆でキャッキャと仲良く走る画を浮かべていた。だけどどうだろう。犬達は完全に私を無視してるじゃないか。
ほら!君らと一緒の目線だよ!と声をかけて呼ぶ。
ようやく飼い主が自分たちと同じ目線になった事に気づいたワン達。すると凄い勢いで顔をなめてきた。
そういえば家でも顔を近づけると凄い勢いでなめてくる。そうか、人間が犬と同じ目線で散歩したらこういう目に合うのか。
ひとしきり顔をなめられた後、改めて足で地面を蹴って進んでみる。
私が動き出したらワンコ達も喜んで一緒について来ると思ったのに、さっきから反応がイマイチだ。
仕方がないので勝手に犬になった気持ちで周りを観察してみる。
この日は天気の良い日曜日の午前中。のんびりと散歩する人や子供たちが公園からこちらを見ているのを感じる。それでも楽しそうに見えるのか春が近いという理由からか、暖かい目で見てくれていた。
ひとしきり進んだ後は、一度立ち上がり方向転換。最初は散歩コース全部行こうと思ったけど危ないので狭い範囲で楽しむことにします。
自分で足で蹴って思う存分ウロウロした。でもなにかもう一歩犬の気持ちに近づけないものだろうか?
そうだ、カメラ係をしてくれている友人に引っ張ってもらおう。
私専用の紐、そして犬たちと並んで散歩したいので犬の紐も友人に渡し「3匹引っ張ってくれる?」と聞いた。
「え、3匹?」と友人が聞き返すまで気づかなかったけど、自分の事を完全に犬として数えていた。
既に割と犬の気持ちに近づいていたみたいです。
こんな犬、飼いたくない。
きっと飼い主(友人)もそう思いながら引っ張っていただろう。
当初の散歩の理想イメージとはちょっと違うけど、こうやって犬のお尻を見ながら散歩するのも悪くない。
ニヤニヤしながら堪能した。
ここで犬の目線の散歩動画を撮ってみたのでどうぞ。
古いカメラで撮ったのでレンズにゴミついてますが、目に入った小さい虫と思って気にしないでください
友達に紐を引っ張って貰いながら動画を撮ってみたのだが、どうやら犬にしては重かったらしく、軽快には前に進まない。前を歩くもこが何度も振り返っては心配そうに見ていた。
「大丈夫かしらこの子?」そんな母犬らしい反応が見て取れた。ヨチヨチ歩きの子犬の気分で見るとちょうどいいかもしれない。
そんなこんなしていると、公園側の通路に他のトイプードル一家が登場。
犬の目線で見ると犬密度が濃いこと!この後さらに密度が濃くなった。
寝板に乗らずとも、こうしてカメラの位置を低くして撮れば犬の目線が分かるのだ。(いま自分で企画を軽く否定してしまいした。)
こうやって見てみると、自分もすっかり背が低くなったみたいだ。それにこんなにたくさん仲間が集まると、テンションが上がる犬の気持ちも分かる。
犬達の笑顔も見れた事だしそろそろ次の散歩場所、荒川の土手へ向かおう。公園とはまた違った風景が見えるに違いない。
散歩でしょっちゅう来るこの土手。一年を通して色んな景色を見せてくれる(主に雑草の生え具合で)ものの、毎回そんなに激しい変化がある訳でもない。
しかし今日は目線を変える事で、いつもとは違った土手の風景に出会える気がする。
土手には公園に無いものがあった。坂だ。
寝板に乗ってこの坂を下れば、あたかも犬がキャッキャと走っていくのを体感できるのでは無いだろうか。
ここにきてようやくイメージしていた理想の画が撮れた。寝板も調子良い感じで滑り出し、犬たちと並んで走ることができた。私がやりたかったのはこれですよ!
喜んだのもつかの間、あっという間に犬達に飽きられてしまった。もっと興味もって欲しかったです。
ここでも動画を撮ってみたのでどうぞ。
いつもとは違って見える土手の光景。犬が走っているように見えなくも無い。
犬達を画面に入れようとよそ見をしながら走った為、途中で縁石に当たりそうになってしまった。「うわ~!」と情け無い声を出しながら(ほんとに情け無いので音消してます)方向転換をしたら、今度は危うく自転車にひかれそうになる始末。
多少予測をしていたけど、犬の周りは危険がいっぱいだという事を身をもって知った。
人間が安易に動物の真似ようとしたら怪我をする。きっと人間よりも優れた瞬発力や耳、鼻があるからこそ犬達はこういった危険を回避できているのだろう。
こうして今回、公園と土手を犬の目線で散歩し一番感じた事、それは地面がとても近いという事だ。
それはつまり、人よりも大地の温度を感じ(この日はちょっと暑かった)、地面から伝わる音を感じ(寝板がゴロゴロうるさかった)、低い所の空気(ほこりっぽい)、匂い(なんか、自然の匂い)、そういったもので五感を刺激されるということでもある。
・・私達人間は、落ち込んだり悲しい時なんかについ目線を落とし下を見てしまう。そんな時は、坂本九さんの歌を思い出して上を向いて歩くのもいいだろう。
でもこんな風に、犬達のように地面に顔を近づけてみたらどうだろう?疲れ気味の五感をフルに刺激され、たくましく咲く花を間近に見たら、ああ生きるって素晴らしい、と思えるかもしれない・・。
(音楽スタート)
最後ら辺が唐突でおかしなまとめになってしまってすみません。
しかし今回の企画で、目線を変えれば涙が止まる事もあるし、可愛い犬のお尻が間近に見えてほっこりする事もある。そういう事が分かった。
他にも猫の目線、虫の目線など、色々な目線でも楽しめるのではないでしょうか。なんだか疲れて人間やめたくなったらトライしてみるのもいいかもしれません。その場合は何かにひかれないように気をつけて。
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