特集 2019年11月4日

台湾でインスタントラーメンの源流かもしれない麺を食べ歩く

日本におけるインスタントラーメンの歴史といえば、昭和33年(1958年)に誕生したチキンラーメンからスタートするが、台湾にも保存がきいて簡単に調理できる麺類は古くからあったようだ。

台湾の各都市を回る機会があったので、現在の即席麺と似た麺を昔から出している店を回ってみた。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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1946年に生まれたインスタントラーメンを求めて

集英社の「学習漫画 世界の伝記NEXT 安藤百福」によれば、チキンラーメンの生みの親である安藤百福が生まれ育った場所、それは台湾。

その地でインスタントラーメンの源流ともいえる麺を求めて向かったのは、台中駅からローカル線で数駅先にある員林駅。なんと1946年から変わらぬ製法で作られているインスタントなラーメン「雞絲麵」を出している、清記冰菓室があるのだ。

その店名の通り、元々はかき氷やジュースを出す店で、冬になると冷たい食べ物が売れないから、温かい麺類も出すようになったらしい。

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台中駅からローカル線で南へと移動。
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電車がカッパみたいでかっこよかった。
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台湾で員林である。これぞ本場のインリンだと1人でちょっと盛り上がった。
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ということで、やってきました員林駅。
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員林様は意外と清楚な感じだった。
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員林様のデザインモチーフはこれか。
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明確な目的がなければ降り立たなかったであろう員林駅前。

員林駅は都会でも田舎でもなく、「なるほど、ここか~」と思う以外は感想が湧きづらい場所だった。

外国からマンガ好きの観光客がトキワ荘を見に来て、椎名町駅に降り立ったような感じかもしれない。

意外にもカフェ風の店だった

員林駅から少し歩くと、すぐに目的の店は見つかった。だが本当にここでいいのだろうか。

そこはバイクが走り回るにぎやかな商店街の路面店で、アディダスのアウトレットショップと巨匠美語という語学学校に挟まれた細長い店。意外にもカフェっぽい外観なのだ。

ここに求めている麺はあるのだろうか。少なくとも70年以上の歴史を誇る、老舗ラーメン屋という感じではない。

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真ん中が目的の清記冰菓室。
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タピオカミルクティーを飲みに来たのではないのだが。

とりあえず店頭でメニューを確認すると、かき氷やフレッシュジュースに混ざって麺類がいくつかあり、清記雞絲麵もちゃんと存在している。

なんだかミスタードーナツに飲茶を食べに来たみたいだ。

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冷たいスウィーツと麺類の店。
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英語の話せる店員さんに、入り口近くの席を案内してもらった。うん、カフェだね。
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店内は若い女性客ばかりのようだ。日本語で歌う女性ボーカルの曲が控えめな音量で流れている。
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1946年の創業をしっかりとアピール。
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どうやら今の時期はスイカ押しらしい。私はラーメンを食べに来たのだが。

清記雞絲麵とは何なのか

メニューを再度確認すると、麵食系列という欄に、「清記雞絲麵」がとあった。この45台湾ドル(160円くらい)の麺料理が、歴史あるインスタント麺のはずだ。

ちなみに台湾の言葉がまったくわからないので、お店の人にインタビューなんてできないため、店内に書かれている文字情報や、でてきた食べ物の感想だけを淡々と記していく。

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デフォルトで加蛋(卵入り)なのかな。葷/素とあって葷を注文したはず。

話の順番は前後するのだが、ここの店で出している清記雞絲麵がどういうものなのかを説明するために、お土産に買った持ち帰り用のパッケージを先に紹介する。

これが6食入り150台湾ドルの清記雞絲麵ギフトボックスなのだが、この記事を書きながら文字を訳して、ものすごくびっくりしている。

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イラストのかわいらしさが最高。この店は1947年からだが、清記雞絲麵は1946年からあるらしい。
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500ccの熱湯を掛けて3分で完成というチキンラーメン的な作り方。卵とか野菜とか好きな具を入れてね。
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原材料は、麺粉、芥花油(キャノーラ油)、食塩、胡椒、蒜頭酥(揚げニンニク?)、冬菜(キャベツの漬物?)、柴魚片(鰹節)とシンプル。あれ、鶏は入っていない?
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台湾の言葉が少しわかる友人に読んでもらったら、鶏肉のような金色の細い麺だから雞絲麵なのではとのこと。えー!


びっくりした。日本のチキンラーメンが「鶏スープのインスタントラーメン」なのに対して、雞絲麵は「鶏肉の繊維っぽい麺」ということらしい。そうか、見た目の話で鶏は材料に入っていないのか。

ここで文句を言うのは、メロンパンにメロンが入っていない、銘菓ひよ子にヒヨコが入っていないと言うくらい野暮なことなんだろうな。

それにしても1946年の発売以来、ずっと鶏を使わないでいられることに驚く。そのこだわりがすごい。俺が二代目なら絶対にすぐ入れる。

これが清記雞絲麵だ!

話を本筋に戻すが、しばらくしてやってきたのが、こちらのシンプルなラーメンだ。あとスイカジュースも頼んでみた。

店員さんが照れくさそうに見せてくれたアイフォンの画面には、「箸はあちらです」と翻訳ソフトで表示されていた。おぉ、2019年の旅情。

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ラーメンとスイカジュースの組み合わせって変だったかな。


これが台湾の元祖かもしれないインスタントラーメンか。麺はちぢれさせてない細めのストレートで、確かに一度揚げたものを戻したもののようだ。チキンラーメン同様にコシという概念は存在しない。

スープは正直よくわからなけど鶏のダシがベースなのだろうなって思いながら食べたけど、実際は鶏が入っていなかったというオチ。思い込みって怖いですね。

とにかく、とても上品な薄味。ざっくりとした説明になるが、台湾でよく出てくるあっさりしたスープをさらにすっきりとさせた味で、そこにセロリのような香りが加わり、少量の胡椒で味を引き締めている。どこか懐かしさを感じるのは鰹節のせいだろうか。

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ストレートタイプのインスタント麺っていうのが私の舌には斬新。
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そして長い。たしかに麺の見た目が鶏の筋繊維っぽい気もする。筋絲麵だ。

スープは薄味だが、揚げたニンニクの風味がかなり強めで、さらに香菜らしきみじん切りの香草も印象的。メニューにあった「葷/素」は、「ニンニク入れますか?」という意味だったのかも。

具の卵はポーチドエッグのような状態で、半熟程度に火が通っている。そして柔らかい白菜みたいな葉っぱがたっぷりでうれいい。

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しっかりと半熟。お湯をかけただけではできない仕上がりなので、別途作って載せているのかな。
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あっさりスープに揚げたニンニクという組み合わせ。ずいぶんと薄味の鶏スープだなとは思ったんですよ。
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削った木みたいなのが入っていて、何かと思ったら鰹節だった。取り出さずにそのまま入っているのか。

日本のラーメンに慣れた舌だと、旨味も塩分も油分も足したくなるけれど、この薄味が台湾人の好みなのだろう。しゃれたお土産用もあるけれど、元々は家庭で簡単に食べるためではなく、お店で使うのに保存性がよく簡単に提供できる麺として生まれたのかな。

一見するとチキンラーメンっぽいのだけど、何から何まで微妙に違う。これぞ台湾人の味覚が選んだ一品という仕上がりで興味深い。

私の後から入ってきた家族連れの赤ちゃんに向かって、大きく手を振りながら店を出た。

清記雞絲麵を紹介する動画があったんだけど、やっぱり鶏は使っていないっぽい。

これがお土産版の清記雞絲麵だ

帰国後、お土産として買ってきた清記雞絲麵を作ってみた。

チキンラーメンのように麺自体に味はついておらず、添付の薬味などでスープに味をつけるスタイルだ。

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甘いものが入っていそうなパッケージ。チキンラーメンが85グラムなのに対して55グラムと小さめ。
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中にはストレートの細い揚げ麺と小袋。
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小袋の中身は鰹節と揚げニンニク。塩と胡椒、そして冬菜というキャベツの漬物も入っているのかな。粉末スープ的なものは一切入っていない。
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お湯をかけて3分。麺に味付けがされていないので、スープの色は透明だ。
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具を足して現地の味を再現してみた。調味料はあえて入れてない。

現地で食べたものを再現してみたのだが、ほぼ同じものになったと思う。さすがインスタント麺、再現性が高い。スープはあくまであっさりで、香ばしいストレート麺のすすり心地が気持ちよい。

鰹節の存在がちょっと不思議だったが、台湾でもよく食べられているようだし、よく考えれば日本でもダシに使う店は多い。魚粉を乗せたラーメンだっていくらでもあるか。

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日本のチキンラーメンと食べ比べると、好みの違いがよくわかる気がする。

こうして改めてじっくり味わってみると、潔いまでの薄味に驚いてしまう。やっぱり鶏は使っていないな。でもこれはこれでうまい。これで物足りるようじゃないと太る。

いやでもやっぱりちょっと物足りない。これを鶏がらスープで作ったら、わかりやすく美味しい味になりそうだ。でもそれをしないのが現地の味なんだろうな。

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高雄にある阿財雞絲麵を試してみる

台湾の南部にある都市、高雄にも雞絲麵を出す店があるようなので、せっかくなのでそっちも行ってみた。清記冰菓室との関係性や創業した年は不明。

こちらは路地裏にある昔ながらの食堂という感じで、スイカジュースとかは置いていない。店頭には山と積まれた雞絲麵を囲うように、いろんな部位の肉が置かれていて大変心強い。

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高雄駅からちょっと離れた場所にある阿財雞絲麵という店にやってきた。
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スープ有りの雞絲湯麵と、まぜ麺タイプの雞絲乾麵があるようだ。
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下処理された豚や鶏の中心にドーンと積まれた雞絲麵。
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ここも細麺のストレート。鶏の肉というよりは鳥の巣っぽい。
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意外と奥行きのある店内は、白壁で宇宙船の食堂っぽかった。

同行いただいた川崎さんと、汁ありと汁なしを一つずつ注文してみた。

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エプロンがかわいいですね。

小ぶりの愛らしい丼に入った雞絲湯麵は、なんと鶏肉がたっぷりと乗っていた。

いや、このときは当たり前に思ったのだが、一軒目に鶏が使われていなかったことをようやく理解したので、今この記事を書いているタイミングで驚いているのである。一軒目でも肉入りを選べばこういう感じだったのかな。

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スープに鶏のダシが効いている!

基本的な味の組み立て自体は一緒で、麺は揚げた香ばしさのある細いストレートで意外と弾力がある。清記雞絲麵よりも気持ち太いかな。

大きく違うのはスープ。優しい味だけど旨みがたっぷり。おそらく鶏と鰹節のダシ。具の肉などを茹でたスープなのだろう。やっぱり揚げニンニクがしっかりと効いているのが特徴的。員林で食べたものよりもこっちのほうが味が強いのでチキンラーメンっぽいけど、それでもやっぱり台湾の味だ。

食べれば食べる程に口の中がローカライズされていき、これが台湾流チキンラーメンなんだと思えてくる。たぶん、これを食べ終えてすぐに日本のチキンラーメンを食べたら、味が濃くてびっくりするんだろうな。

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チキンラーメンと太さは似ているが、ストレート麺なのですすりごこちが全く違う。
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そしてやっぱり長い。

汁なしの雞絲乾麵は、インスタント焼きそば風の見た目だった。味が濃い分だけこっちのほうが馴染みのある味かもしれない。おそらくスープで戻してある麺がうまい。

雞絲麵はあくまで素材。麺に味がないからこそ、「湯」でも「乾」でもアレンジ可能なのだ。

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雞絲乾麵。「乾」は汁なし、「湯」は汁ありの意味。
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弾力のあるストレート麺がうまい。
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ここに私が知りたいことの半分以上が書かれているんだろうな。麺は鶏と鴨(アヒル?)の卵が入った手作りで、肉の油で揚げるのがポイントらしいよ。
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薄味だけど満足できる。台湾の味、堪能しました。

持ち帰りは自分で味付けしないといけなかった

こちらの雞絲麵も持ち帰りできるみたいなので、試しに一つ買ってみることにした。

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このイラストのかわいらしさ。
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人にあげるお土産用ではなく、あくまで家庭で食べるためのお持ち帰り用だ。
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汁ありは1~2分煮て、スープに味をつけて食べろと。汁なしは茹でて水を切って、調味料や油を入れて混ぜてねと。これをちゃんと読んだのは、この記事を書いている今はじめてだよ。
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ボキボキに折れてしまった麺と、揚げニンニクが入っている。

すみません、せっかくもらった作り方の書かれた紙を読まないで、チキンラーメンと同じようにお湯をかけて3分待って食べてしまいました。はい、味が無かったです。

このように料理というものは、世界各地で発生した勘違いによって、どんどんと変化していったのだろうなと勝手に実感した。何も生まれなかったけど。

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チキンラーメンであるという思い込みが強すぎた。
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食べたときのメモによると、「無味。市販の鶏スープなどを加えるとうまいのでは」と書かれていた。当たり前だ。
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台南に意麵という揚げ麺があるらしい

この話はもう少し続く。

台湾の揚げた麺といえば、台南に「意麵」というのがあるそうなので、それも試してみよう。

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1923年創業の老舗、阿瑞意麵は残念ながらお休みでした。

本命がまさかの休みで急遽やってきた店は、旅の同行者である小松さんが昼間に行って、えらく感動したという黃記鱔魚意麵。鱔魚とはタウナギのこと。

今日二回目となって申し訳ないが、小松さんはまた食べてもいいというので、希望者を募って一緒に来てもらうことにした。

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タウナギの意麵が名物の店らしいです。
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意麵以外にもうまいものがたくさんありそうだ。
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このガヤガヤした雰囲気がたまらん。

意麵とは小麦粉と卵で作った平打ち麺の総称らしい。台北などでも食べられているが、台南では日持ちのためか食感を変えるためかオペレーションの問題なのか、麺を油で揚げてあるのが特徴だ。

これこそがインスタントラーメンのルーツという説もあるそうだが、その食べ方はお湯を掛けるだけではなく、揚げてある麺をわざわざ蒸してから、具と炒めたり餡を掛けたりと、かなりの手間が掛かっていた。

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麺を揚げて蒸して炒めるという、トライアスロンみたいな料理法。
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雞絲麵に比べると、麺がかなり太い。
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蒸しあがった麺を見せてもらった。こりゃ私の知らない麺料理だ。
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麺と具と餡の有無で組み合わせが選べる。花枝はイカ。
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この真っ赤な肉が鱔魚(タウナギ)。
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これは夏に私が都内で釣ったタウナギの写真。ウナギというかヘビっぽい見た目をしている。
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6人で来たのでいろいろ頼んでみました。
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どれがなにかは各自で当ててください。

これが台南の意麵なのか

小松さんが「ジャンク感がたまらない」と謎の絶賛をしていた台南スタイルの揚げた意麵だが、食べてみるとその意味がよく分かった。

台湾の料理はたまに不意打ちで甘い。味付けの基本がウスターソースのようなスパイシーなタレなんだけど、そこに確かな甘さとニンニクの香りがプラスされ、なんだか駄菓子を彷彿とさせる仕上がりなのだ。

この独特のタレが揚げて蒸すという手間によってざらつかせた、クタっとした麺によく絡む。

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名物の乾炒鱔魚意麵。独特の麺に独特の具、そして独特の味付けという独特すぎる組み合わせ。タウナギは鉄分が多いんだろうなという味で、滋養強壮に効きそうだ。
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ザラザラでクタクタの麺がおもしろい。縮れている感じとか味の濃さとか、どこかチキンラーメンっぽさもある。
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イカの餡掛け意麵。とろみのあるスープとも合うね。
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この揚げた麺が気に入った小松さんは、翌日市場を回って麺を大量に購入していた。
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これは別の店で食べた揚げてないタイプの意麵。つるつるの麺は弾力がある。具の肉に胡椒と唐辛子が効いていてうまい。

雞絲麵と意麵とチキンラーメンの関わりや前後関係は私には今も不明だが、現在はかなり別の料理に思えた。揚げた麺を調理するという工程や発想は同じでも、味付けだったり経営的思想だったり、目指したものがかなり違ったのだろう。

そして今もその土地の食文化ありきの味として、ちゃんとそれぞれの舞台で残っているのがおもしろかった。


私が触れたのは台湾における麺食文化のほんの一端。深すぎてその底はまったく見えなかったが、ちょっとでも覗きこめてラッキーだ。

台湾ではほかにも麺線、牛肉麺、米苔目など、毎日一度は麺を食べていたが、他にもまだ食べ歩いたものがあったりする。それでもまだまだ食べたいものがたくさんあった。デジカメの撮影可能枚数は飛躍的に増えているが、私の胃袋の容量は減る一方で寂しい。

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