小出し記事 2021年1月11日

ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり 完結編

1週間以上待って届きました、オリジナルXスタンパー。

ハンコに逆風が吹く昨今。僕はそもそもで言えばハンコみたいな儀式めいた事が嫌いな人間なんですが、逆風が吹いていると聞けば敢えて逆らってみたいタチなのでこの様な無駄をしています。

芋ばんから始まって3Dプリンターを使ってハンコを作ったのが前回まで。今回は自作から一歩進み、業者の力を使います。

編集部よりあらすじ
逆風のハンコに光を当てる連載。ハンコづくりはついに家内制手工業から工場制手工業のフェーズに!

あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

前の記事:ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり その4

> 個人サイト keiziweb DIY GPS 速攻乗換案内

小出し記事「ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり」
ライター:松本圭司

第一回:「いもばん」の楽しさをもう一度
第二回:いもばんであのハンコが完成!

※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!

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今回は違う猫が主人公です

前回うちに棲み着く茶白の猫、じゃんけん氏の肉球ハンコを作りましたが、今回は先住猫のなつめ氏のハンコを作ります。 

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わがままボディのじゃんけん氏。

なつめ氏は14歳。もうじじいなのでたまに死にかけますが今は元気になっています。なつめ氏に協力いただいて、肉球の印影を作っていきます。

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また手に水を付けて水習字の紙に押します。

なかなか良い印影が出来ませんでしたが、なんとかそれっぽいのが押せました。

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この辺は失敗。可愛いけど、ハンコにはちょっとかな?
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これがいいんじゃないかなと。
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印影でシャチハタを作る

パプリというWebサイトでハンコを注文できます。以前ゴム印を作ったことがあり、今回はシャチハタのXスタンパーを作ってみることにしました。

なんやかんや編集して、こんな感じ。ハンコとして使うのに名字もなにも入ってないと意味不明なので、篆書体で『松本』と入れておきました。

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松本と入れることで、ややダサくなりましたがハンコとしての意味が立ち上がってきました。
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ギリギリの男、大晦日に働く

僕はいつでもギリギリの男です。ライターはみんなそうかも知れない、いや、きっと人類はみんなそうでしょう。締切がないと仕事が出来ません。

僕がパプリにハンコを発注したのは年末も年末、大晦日でした。年内の仕事は大晦日の夕方に終わり、元旦はまた別の仕事をしてました。自由業は1年365日働き続ける自由があります。羨ましいだろう。

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発注後、蕎麦とカニと松前漬けを食べた。

年末年始はみんなが休み。だから、注文したXスタンパーの納品は1月8日でありました。

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そして到着

1週間待って到着しました。たぶん、年末年始でなければもっと早く到着するんだと思います。

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待ちに待ったXスタンパー。

開封の儀。

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ででーん。

本当にあの印影がプリントされています。笑う。 

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世界に1つだけのシャチハタ。

印面を見ると、思った以上の精度で刻まれています。すげぇな。 

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自分で作ってみれば分かるけど、笑います。

押してまいる。

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いざ。
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よき。

これは良いものです。とても良い。なつめ氏の肉球押し放題だし僕の認め印としても使えそうです。

なお、インクが黒なのはミスです。注文の際に色を替えるのを忘れてました。大晦日にカニの事を考えながら注文したせいです。カニの赤で頭が一杯で、インクの色を替え忘れました。

でも、黒猫のハンコだから黒インクでもいいだろうと納得することにします。そうです、これは黒猫のハンコだから黒でよかった!むしろ!(自分を納得させるのが楽しく生きる秘訣です)

ニャニャニャっと押していきます。

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楽しいぞ。

ハンコが完成してしまったら、あとは押す以外の展開を僕たちはまだ知らない。

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何ページも費やして、ハンコを押しまくっていきます。

肉球ハンコをたくさん押していくと、自分の手が猫の手になったという錯覚が起きます。気分的にはまったくもって、猫です。

前回作った3Dプリンターハンコは朱肉を使う必要があるので押印に途切れがありました。シャチハタはどんどん押せるので余計に猫の手感を味わえます。

肉球シャチハタを押すことで、人は猫になれますニャ。

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押しまくって、僕は猫になった。

考えてみれば、ハンコとは『その人が認めた』という意味で押すものです。ハンコを押す者はハンコによってハンコから認められ、ハンコが宿るのかも知れません。

つまり、ハンコを押している俺がハンコだ!(錯乱)

興奮して、押したハンコをなつめ氏に見せたら嫌がられました。

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嫌がるなつめ氏。

なつめ氏は賢い猫なので、僕に宿ったハンコの力を避けたのかも知れません。猫だけに。(ニャー)

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ふーん、って感じ。

ハンコをめぐる冒険はここでいったんおしまいです

全5回に渡ってハンコを作ったり押したりしてきました。ハンコを作り、押すことで、ハンコの正体が少しだけ分かったような気がします。『深淵を覗くとき深淵もまたお前を除いている』みたいなアレがありますが、ハンコも同じでした。ハンコは深淵だったのです。

ハンコを押すとき、お前もまたハンコに押されている。

うん、意味わからねーニャ。ありがとうございました。

小出し記事「ハンコ廃止の今だから!すすんで押したいハンコづくり」
ライター:松本圭司

第一回:「いもばん」の楽しさをもう一度
第二回:いもばんであのハンコが完成!

※小出し記事は書けたところから即、小出しに公開する連載企画です!

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