特集 2024年10月23日

家康を追いかけておばあさんが走った2kmを実際に走る

静岡県浜松市には、徳川家康が小豆餅を食い逃げし、店のおばあさんに追いかけられたという言い伝えがある場所がある。

その距離約2km。
おばあさんの体力と脚力を実感すべく、家康とおばあさんが走ったであろう2kmを実際に走ってみた。

1988年静岡生まれ・静岡在住。平日は制作会社勤務、休日は大体浜名湖にいる。
ダイエット目的でマラソンに挑戦するが、練習後温泉に入り、美味しいものをたらふく食べるというサイクルを繰り返しているため、半年で10kg近く太る。

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おいしそうな地名

わたしの住む静岡県浜松市には、「小豆餅(あずきもち)」と「銭取(ぜにとり)」という地名の場所がある。

小豆餅は、徳川家康が三方ヶ原の合戦で敗れて浜松城へ逃げ帰る途中、店で小豆餅を食べたことから小豆餅と名付けられたそうだ。

しかし、武田軍の追手が来て家康が小豆餅の代金を払わず慌てて逃げたため、店のおばあさんが追いかけて代金を回収した。そう、その代金回収に成功した場所こそが銭取だ。

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浜松市ホームページに掲載されていた資料によると、三方ヶ原の合戦はいまだに場所が特定されていない不思議な合戦とのことで、利便性のいい三方原スマートICの写真を載せておきます

戦に敗れて逃げている途中に小豆餅を食べる家康のメンタルもさすがだし、家康に追いついたおばあさんの体力と脚力もすごい。

実は以前近所に住んでいたことがあり、その時は「おいしそうな地名だなぁ」くらいにしか思わなかったのだが、家康とおばあさんのエピソードを知ってから自分もその距離を実際に走って体験してみたくなった。

昔と道や環境こそ違うものの、家康を追いかけるおばあさんの気持ちになって走ってみた。

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小豆餅神社から銭取まんじゅう跡までを走る

家康がどの店で小豆餅を食べたのか、また店が小豆餅のどのあたりにあったのかまでは定かではないため、今回はスタート地点を「小豆餅神社」という神社に設定した。

想像するだけで小豆餅の甘い香りが漂ってきそうな神社である。

そしてゴールは「銭取まんじゅう跡」と書かれた標柱があるようなので、そこを目指すことにした。

Google mapの経路案内ではその距離2.2km、徒歩31分。まぁまぁあるな。

車通りの多い道から1本入ると、スタート地点の小豆餅神社があった。

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大きくはないが、きれいに整備されている神社だ
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小豆餅という字を見ただけでおいしそうよね、神社だけど

小豆餅神社の隣には小豆餅公民館があった。会合や行事の際は、小豆餅の人々がここに会するのだろう。

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外壁のタイルが小豆っぽい!
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公民館の横には、小豆餅町名設定記念の石碑が

そして石碑の近くには、今回の企画の元となる家康とおばあさんのエピソードが記された看板も立っていた。 

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表題部分のあづきもちは「づ」、本文内のあずきもちは「ず」。しかもよく見ると、表題の「づ」はわざわざ貼り直されている。どちらが正解か気になる

この看板には、おばあさんは道端で小豆餅を売っていたと書いてある。調べてもどの店か、またどのあたりにあった店か情報が出てこない理由は、店自体がそもそもなかったからかもしれない。

時代劇に出てくるような田舎の東屋で家康が小豆餅を頬張る画を勝手に想像していたが、先入観だった。

無事銭取まで完走できるよう神社にお参りして、16時50分に小豆餅をスタート。

小豆餅食い逃げしたな!!!家康、待てー--!!!

⏩ 西日を浴びながら走り出す

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