アイスの棒をウイスキーに漬ける
ゆっくり引っ張ると中のバニラが付いてきてしまうので、勢いをつけて引くのが大事だった。
その勢いで机が揺れて写真がブレた。
このまま1時間。
果物のウイスキー漬けってある。そして木との相性も良さそうだ。こんなフワッとした理由でウイスキーにしてみた。アイスも相性が良さそうなチョコとバニラ。パルム。
ウイスキーの量とか漬ける時間とか、正解が何も分からないので探り探りである。
アイスを冷凍庫にしまって、棒が熟成するのを待った。
1時間後
すごく気になったが、棒を嗅いだりはしなかった。食べる時に初めて香りや味を感じたい。
一口目から、普通に食べるよりまったりして濃厚に感じた。でも絶対に気のせいだ。棒を「育てた」感覚があるので、愛着が湧いておいしく感じているのかもしれない。
ウイスキーの匂いが強すぎたら嫌だな、と思っていたが全然そんなことはない。棒が出てきたらどうなるのかな。
特に変わった感じがしない。アイスの味や香りの方が強くて分からないのかもしれない。
とにかくアイスがおいしい。気のせいだと思うんだけど。
棒をくわえる時間に
しかし食べ終わって棒をくわえていると。
ウイスキーの香りと味がした。良い…! この、アイスの味は邪魔せずほのかに香る感じがすごく良い。分かっとるな。よく分かっとる棒だな。
更に、木の香りが深く特徴的になった。檜っぽい良い匂いがするのだ。これは気のせいじゃないと思う。
嬉しいのでくわえたまま家の中をウロウロして他の用事を色々済ませた。
噛むと味がしすぎるので、棒を横にして唇だけでくわえている時もあった。こうすれば香りだけ楽しめる。
結局1時間そうして、やっと棒を捨てた。棒がなくなった後もしばらくは余韻で香っていた。
棒を育ててから食べるアイス、期待とレスポンスがちょっとずつ加わって楽しくておいしい。

