俺の足は短い!
スマホに限らず、カメラのレンズはいろいろな特性を持っている。それを生かすことで、様々な写真を撮ることができるわけだ。結果、足を自然に長く見えていという夢もかなった。そういう写真を撮りすぎて自分の足が長いのでは、と錯覚するレベルだ。実際は長くない、残念ながら、とても残念ながら。
足の長さというものがある。そのままの意味で足の長さだ。モデルは多くの場合、足が長くスタイルがいい。ファッションにもよるけれど、足が長い方が似合う服が多いように思える。「足が長いね」なんていうのは、完全なる褒め言葉だ。
しかし、足が長くない人はたくさんいる。せめて写真では足を長く見せて、自分の足は長いんだよ、とアピールしたい。ただ写真を加工しては負けだ。自然な形で足を長く見せなければ、それは嘘だ。その嘘のない方法を紹介したい。
今や写真の加工は当たり前の時代。スマホで撮った写真をスマホで加工する。簡単にできてしまい、肌をツルツルにしたり、輪郭を細くしたり、全身が写った写真の場合は、等身を変えたりなど、簡単にできてしまう。
ただ私はこのような写真の加工は嘘であると思っている。写真では嘘をつきたくないのだ。真実を写真に収めたいのだ。しかし、足を長く見せたいという願望はある。本当の私の足は長くないけれど、写真では足を長く見せたいのだ。
加工すれば簡単だけれど、それは嘘である。でも、足は長い方がいいじゃない。でも実際は長くない。でも長く見せたい。でも嘘はつきたくない。私の心の乙女は空中ブランコくらい揺れ動いている。
足が長くなったのがお分かりだろうか。自然に、とても自然に、国立公園くらい自然溢れる感じで、足が長くなっている。アプリなどでの加工は一切していない。スマホで撮っただけのものだ。それなのに、私の足は長くなっている。
加工せずとも足を長くすることに成功した。それはスマホの中でも「iPhone」を利用した方法だ。超広角の機能があるiPhoneなら、誰でも加工せずに足を長くすることができるのだ。加工はしていないので、嘘はない。
今回使用したのは「iPhone12 Pro」で、背面に3つのカメラがあり、それぞれ望遠、広角、超広角という役割がある。超広角は35mm換算では14mmほどなので、簡単に言えば、とても広い範囲が写るということだ。そして、この超広角で撮れば足が長く写る。
超広角は、縦にスマホを持ち写真を撮った場合、上下が歪むという特性がある。一般的には歪むのはよくないとされるけれど、私としてはレンズの特徴の一つと捉えて、それをどう生かせばいいかと考えていた。
その結果、無加工で足を長くすることに成功したのだ。ちなみにほぼ無加工というのは、トリミングはしているからだ。この方法で写真を撮ると、頭の上にぽっかりスペースが空くので、そこはトリミングしてなかったものにする。
レンズの特性がわかれば、もう簡単。つまり足を画面の下の方に持ってくれば、歪んでくれて足が長く見えるわけだ。加工はしていないのだ。そういうレンズだから撮れてしまうだけなのだ。
ポイントとして、靴は絶対に入れないことだ。入れると靴が歪み「この写真なんか変だぞ」となるのだ。冒険家のマゼランは足の大きな先住民を見て「パタゴン」と名付けた。その状況に近い写真になってしまうことは避けなければならない。
また姿勢良く撮るとのけぞったようにも見えてしまう。のけぞっていないのに、のけぞって写るのだ。そのため上記の写真たちは基本的に前屈みで撮っている。自然な写真にしたいので、不自然に前屈みで撮るのだ。
まとめよう。「超広角で写真を撮る」「靴を画面に入れない」「前屈みの姿勢を作る」「上のスペースが不自然な時はトリミングする」。この4つで足の長い写真が撮れてしまうのだ。トリミングは不自然な時だけなので、実際は3つ。超簡単なのだ。
こんな感じで、どこかに出かけた時の写真も簡単に足を長くすることができる。普通に撮るだけなのに、私の足は長く、とても長く見えるのだ。加工しているんでしょ? と言われても、自信を持って「いいえ、していません!」と言える。だってしていないのだから。
基礎編は上記までだ。このレンズの特性を生かすことで、写真に躍動感が生まれ、普通(広角)に撮るよりもいい写真になることもある。もちろん足なども長くなる。
躍動感を見てほしい。素晴らしい躍動感だ。かつ足が長く見える。躍動感と足の長さで、ナチュラルな感じがする。彼は自然体で足が長いんだ、スタイルがいいんだ、となるのだ。いい写真ではないか。
パンチも超広角で撮るとスタイリッシュな感じがする。スピード感があるのだ。横向きで写真を撮る場合は左右が歪むので、そこに長くしたいもの、今回だとパンチしている手を持って行くことで、手が長い感じになるのだ。
これは足が長く見える写真ではあるが、ポイントは上部の空。本来は上側も歪み、トリミングを必要とするわけだけど、空は歪んでいる感じがあまりわからないので、トリミングが必要なく、全くの加工をせずに、足の長い写真になるわけだ。
写真に広がりを感じる。手が長くなることで、迫力が生まれている。全ては超広角のおかげ。レンズの特性を活かせば、迫力も、足の長さも、自由自在なのだ。
スマホに限らず、カメラのレンズはいろいろな特性を持っている。それを生かすことで、様々な写真を撮ることができるわけだ。結果、足を自然に長く見えていという夢もかなった。そういう写真を撮りすぎて自分の足が長いのでは、と錯覚するレベルだ。実際は長くない、残念ながら、とても残念ながら。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |