特集 2022年12月9日

海の中でホットコーヒーを飲む方法! 果たして味は?

コーヒーというものがある。黒くて苦い世界中で飲まれている飲み物だ。豆や淹れ方で味は変わるけれど、飲む場所でもコーヒーの味は変わる。山頂で飲むコーヒーは美味しいという話も聞く。美しき景色はコーヒーを美味しくするのだ。

では、海中で飲んだらどうだろうか。海中もやはり美しい。また我々人類は陸上で生活しているから、海中という非日常はコーヒーの味を高めてくれるはずだ。では、どうやって我々は海中でコーヒーを飲めばいいのだろうか。

1985年福岡生まれ。思い立ったが吉日で行動しています。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。(動画インタビュー)

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> 個人サイト Web独り者 彼女がいる風の地主恵亮

冬の日のコーヒー

いつものようにコーヒーを飲む。美味しいと思う。夏の暑い日のアイスコーヒーも美味しいし、冬の寒い日に飲むホットコーヒーも美味しい。特に今はもうすっかり寒いからホットコーヒーを飲むと体も心も温めてくれる。 

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ホットコーヒー、
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美味しいよね!

コーヒーに限らずだけれど、飲む環境で味は変わる。たとえば、好きな人と飲むコーヒーはとても美味しい。酸味をより強く感じる。その酸味が思い出になる。また飲む場所でも変わる。冬の日にあえてベランダでホットコーヒーを飲む。より美味しく感じるのだ。

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さらに美味しいよね!

そこで思った。海の中で飲んだら美味しいのではないだろうか、と。別に突飛なことを言っているのではない。この時期の海は寒い。ということは、ホットコーヒーは美味しいはずだ。さらに海中なので体は芯から冷えている。さらにさらに海中は美しい。そんな環境で飲むホットコーヒーは最高だと思うのだ。

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ということで、海に来ました!
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海で飲むコーヒー

海は冷たい風が吹いていた。もう夏ではないのだ。私の体を芯から冷やすので、ホットコーヒーはいつもより美味しいはずだ。水筒に入れてきたホットコーヒーを飲んでみる。やっぱり美味しい。暖かい部屋で飲むコーヒーより情緒もある。 

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水筒に入れてきたホットコーヒー
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美味しいね!

この状態でもう家に帰ってもいい。コーヒーはどこまでも美味しかったから。でも我々は常にその向こう側を目指さなければならない。立ち止まっていては、進歩というものは始まらない。その先にある美味しさを求める。海中で飲むのだ。

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海に入って飲んでみる
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コケた(コケる気がしたのでゴーグルつけとてよかった)
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驚くほど寒かった
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海中でコーヒーを飲む方法

大きな問題がある。コーヒーカップは上部に蓋がない。これを海中に持って行くとコーヒーは海水と混じり合ってしまう。つまり海中でホットコーヒー飲むことは不可能ということだ。もちろんそんなことは私も知っている。大卒なのだ。 

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チューブを準備しました!

コーヒーカップを海に持って入るからダメなのだ。彼なのか、彼女なのかわからないけれど、彼を陸上に置いて、そこにチューブを設置して、私だけが海に入ればいいのだ。そうすればコーヒーカップからホットコーヒーを海水と混じらずに飲むことができる。

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見かけはともかく完璧だ!
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飲むぞ!
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いま海中で飲んでいます!
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寒い!

このシステムは誰が見ても素晴らしいものだと思う。しかし、実際に行った私は、このシステムの問題点を明確に知ることができた。動けない、ということだ。チューブの長さに限りがあって、海中を自由に動けないのだ。あと、めっちゃ吸わないとコーヒーが来ない。

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海中での私。とても楽しそうには見える!
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寒くて逆に笑っているだけなんだけどね!
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カップじゃなくすればいい

コーヒーカップからコーヒーを飲むという凝り固まった考えに私は支配されていた。コーヒーカップ以外からコーヒーを飲んでもいいのだ。私はそんな事実に気がついた。正直に言えば、そうだろうと私は気がついていた。経験からわかる、37歳なのだ。 

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このようなボトルを準備しまして、
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蓋に穴を開けまして、
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チューブを通しまして、
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海水が入らないようにしまして、
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完成です!

「どこでもホットコーヒー」とこのシステムを命名した。この水筒をお腹に巻きつけて、ホットコーヒーを注ぐ。すると両手をフリーに使え、私がチューブを吸えばホットコーヒーが飲めるのだ。天才なのかもしれないと自分が怖くなった。

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このように体に水筒を巻きつけて、
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ホットコーヒーを注ぎます!
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ちょっと待った!

巻きつけた紐を急いで切った。ホットコーヒーはホットなのだ。海に入るので薄いTシャツ一枚だったのだけれど、水筒が密着するお腹の部分が転げ回りたいほどに熱かった。今日は寒かったり、熱かったりで忙しい。本質的には寒いのだけれど、部分的には耐え難い熱さなのだ。

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チューブを切りました!

「どこでもホットコーヒー改」という新システムを作った。コーヒーカップもよく考えなくても手で持って使う。何も両手をフリーにする必要はないのだ。手でこの水筒を持てばいいのだ。このゴールに行き着くまでが長かった。これで我々は海中でホットコーヒーが飲めるのだ。

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いざコーヒータイムin海中
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いま飲んでいます!
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アツ!

やっぱり忙しい。コーヒーは確かに飲めた。ただホットコーヒーをストローで今まで飲んだことがなくて、吸う勢いを理解していなかった。いきなり熱い液体が口にやってきて驚くのだ。体は冷えていて口の中だけが熱い。大忙しなのだ。

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ちなみに海中での様子!

先に海中は美しい、と散々書いたと思う。でもね、この日はもう全然。何も見えない。濁りがすごいのだ。景色がいいとか一切ない。暗く冷たい水の中でホットコーヒーを飲んでいるだけ。あとホットコーヒーの体を温める力より、海水の体を冷やす力の方があきらかに強いからずっと寒かった。

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それでもホットコーヒーは美味しいね!

飲めたのは飲めた

話を整理すると私は海中でコーヒーを飲む方法を探ったのだ。美味しさはともかく、海中でホットコーヒーを飲むことはできた。目標は達成したし、新たな発見として、海中で飲むより、陸上で飲んだ方がホットコーヒーは美味しいということもわかった。このような発見が世界を新しくしていくのだ、たぶん、おそらく、きっと。

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陸上がベスト!

 

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