ホルンの巻き方がかっこいい
トランペットやトロンボーンなど、金属製のマウスピースで音を出す楽器を金管楽器という。
1本の管をぐるぐる巻いたような形をしているのだが、中でもその管が長くて複雑に巻いてあるのがホルンである。
かっこいい。こんな風に長い物を巻きたいと思った。
本物のホルン
そんな話を企画会議で出したら、本物をレンタルする許可をもらった。本物を観察して、ホルンの巻き方を学んでいいというのだ。
なんて贅沢な、模型とかでよかったのに。そう思ったが本物を見ると遠慮していた気持ちは吹き飛んでしまった。本物のホルンかっこいい。
ケーブルをホルンのように巻きたい
そして、有無を言わさぬ本物を前に何をするかというと、この形にケーブルを巻いてみたいと思うのだ。
長いケーブルがホルンのように巻いてあったらかっこいいだろう。
撮影現場の経験がある方は長いケーブルを上手にかっこよく巻くが、それとは別のベクトルでかっこよさを演出できる。
ホルン巻き。うまくいったら家のケーブル全部ホルンで巻こう。おしゃれだし実用的かもしれないし。
経験豊富な大人が4人、そして本物のホルン。盤石な体制である。さあ、巻こう。
暗雲
「ここどうやって巻いた?」「一人だけうまい!」などと言い合いながら楽しくやろうと思っていた。そう、実際楽しい雰囲気のまま作業ができた。「会社の研修で流行るかも」などという意見すら出た。
…楽しく、楽しくやろうと思っていた。実際楽しかったのだが、成果物が思っていたのと違う。これはアレだ。ヘタだ。
一度はっきり言っておこう。ヘタだ。僕たちは。
「巻く」というテーマから遠ざかる捨て身の工夫。それでもなお、ヘタだ。
努力とは
作業中、僕は早々に気持ちが折れ、全然ホルンにならないケーブルを前に呆然としていた。
そう、発案者の僕がしょげていてはいけない。時間の限りひたむきに頑張らなくては。そう思って一生懸命作業をする林さんの手元を見るとこれがある。
ひどいキャプションを付けてしまった。しかし努力の先にあるものがこのホルンだとしたら僕たちは努力を続けるべきなのだろうか。
みんな自分のこととして考えてほしい。