各賞紹介
というわけで、各賞の受賞機紹介。
まずは最も栄誉ある賞。会場投票で決まる、「もっとも技術力の低かった人賞」。
Mota Tsuki no Ishi(Hallederiz)
受賞チームは、ヘボコンのためにわざわざトルコから来てくれたTolga Özuygur氏。チャンネル登録者数117万人の人気YouTuberだ。(一昨年も来てくれて、一緒に秋葉原にケバブを食べに行った)
中央がTolga氏
このロボットは、彼が来日してそのへんの道端にで拾った石で作ったもの。 一見武骨だが、動いているところを見ると予想外にかわいい。
カエルのようにぴょんぴょん跳ねるような動き
会場投票ということで真の受賞理由はみんなの心の中だが、とはいえこのキュートな動きも人気の一因だったのではないだろうか。
続いて、審査員賞。多摩美術大学教授、久保田晃弘先生による賞です。
BDになれなくて(ハワイアン)
準決勝ではつくしちゃん搭載アタッシェケースと土俵際の攻防戦を繰り広げたこのマシン。腰みので車輪が隠れることにより土俵外に出たかどうかがわからないという絶妙なごまかしギミックも見せた。
判定不能
続いて過去大会における最ヘボ賞3連覇のレジェンド、こやしゅんさんによる賞。 先ほども紹介したつくしちゃん(譲渡前)が受賞。
つくしちゃん93号!(九州産業高校 課題研究班)
続いては僕ともう一人の司会者・ギャル電のチョイスによるデイリーポータルZ賞。冒頭で紹介した、原初すぎるロボットに贈呈した。
四天王帝釈天(たいいくの時間)
そしてゴールドスポンサー、セメダイン株式会社によるセメダイン賞。こちらも先ほど紹介した、ヤベ先生のヤベロボ。
ヤベロボ(コスモス)
以降はヘボコンにおいて価値がないとされている賞です。優勝は、つくしちゃんを引き継いだのをいいことにヘイトをすり替え続けた例のアタッシェケース。
Attach Case(TECH☆TECH from NID)
そして準優勝はハンマーのギミックが秀逸だったこちらのマシン。
破城槌2025(おぎおぎ)
戦闘シーンの一幕を見ていただこう。
ヤベ先生の横っ面にゴムハンマーをお見舞いする破城槌2025
この試合、最終的にはキャタピラの馬力で押し切ったため、「ヤベ先生はなぜ殴られたのか」と腑に落ちない気持ちが客席を包んだ。
出場ロボット全機紹介
最後に、ここまでに紹介しきれなかった出場ロボットを紹介し、記事を締めくくるとしよう。
走る植木鉢(カメさんぽ)
「SDGsとかエコとかが響きが良いので」と雑な気持ちでグリーンを搭載、ただしSDGsでもエコでもないフェイクグリーン。車のおもちゃを乾電池式からソーラーパネルに換装していたが、結局配線がもげて当日は乾電池で出場。
これいいね好きだよ号(低空研究所)
自分の好きなキャラクターやおもちゃをとにかく全部搭載したというロボット。後ろのポンプを手で押すことにより腕がちょっと動く。絶妙にちょっと動く。
ジェームズとよたろう(ミカヅキモ)
プリンタを分解して取り出したモーターを搭載、上半身が回転する。リモコンを作り忘れていたので前日ガムテープで慌てて作ったそうだが、慌ててたにしてももっと他のテープあるだろ。Nhはニホニウム。
逃げろ(たしくん)
近づきたくない要素を満載し、相手を逃げたくさせることで場外に追いやるというコンセプト。出場時はさらに荷台にジェンガを搭載、あまりの不安定さに実際かなり近づきたくなかった。
四天王帝釈天との試合後の光景がいかにも「残骸」という感じで良かった。
歩行器 Pro Max(チーム牧野ネオン)
「攻撃的な戦いはしたくなかったので、赤ちゃんと歩行器なら敵が避けてくれるのではないかと思った」という動機によるロボット。しかし赤ちゃん役のクマには見せる用の脚と別に歩く用のがっしりした脚がついておりなんか不穏。あとイカがけっこう良い動きをする。
触腕の良い動き
電車で五!(三河コンピューターサービス)
漢字の五の形になっている。右上の紫の新幹線の位置を動かすことで五の向きを逆さにできるというマッチ棒クイズみたいなギミックを持つ。新規事業開拓の一環でロボット事業へ乗り出すための第一歩としたいと語っていたが、絶対やめた方がいい。
百機夜行(タビロボ社)
こき使われたロボットがうさ晴らしに百鬼夜行をする、というコンセプトのマシン。体が張り子でできており造形の完成度が非常に高いが、動かすと右足から異音がする。
ケケケ改(ケケケ)
アームが動くがそれで特段何かできるというわけではない。試合中、よく耳を澄ますととても小さな音で「エリーゼのために」が鳴っている。謎の情緒。
トントン相撲ロボ(佐藤成行)
今大会きってのコンセプチュアルなマシン。相撲の試合中にもう一つの相撲を展開するというメタ構造になっている。ロボットの移動のための振動がトントン相撲の動力を兼ねているという構造もエレガント。しかしトントン相撲の決着がつく前に押し出された。
「愛」(修士号持ってます)
ウサギがめちゃめちゃに改造されていて一見かわいそうな見た目なのだが、実際動かしてみると真円でない車輪がいい感じのよちよち感を作り出していてかわいい。前に倒れると四輪化し第二形態となる。
ウサギのかわいい動きとトントン相撲を一緒にどうぞ
第2形態。背中にいたシルバニアがパイロットに。
茶運びロボット茶太郎(元おもちゃドクター)
昨年の準優勝者による、からくり人形をモチーフにしたロボット。お盆に湯飲みを乗せてスタートするが、試合開始後すぐ落とす。 またスペアの頭部が4つ用意されており換装可能。
ただしどれをつけても体に対して小さすぎて、さらし首感が否めない
虚空投~極~(JUST AIDEA)
前面の板にいる紙製のロボットがいるが、これは

ヘボコンのルール説明ページにある画像がモチーフ。
この板は90度回転した土俵を表しており、これに正面から接触した敵機は、土俵に正面から接触=転倒と同じ状態になる……という屁理屈で構成されたロボットである。
しかも事前に運営へ「上記のような、腕などの普段は接地していないパーツがベニヤに触れた場合は負けになりますか?」(ベニヤ=土俵とは言ってない)という質問をして周到に裏取りまで行っていた。
運営側として「QA対応は慎重にせねば」と気を引き締めるきっかけとなった。
人生のメリーゴーランド(めかぶ2025)
手作りモーター、100均の洗濯機、ゴムで電池を回す、位置エネルギーエンジン(ヘボコンにおいては坂の上を転がすことをそう呼んでいる)と4つの動力を備えるが、どれも使い物にならない。この頼りなさといい、つかみどころのない形状といい、場が場なら最ヘボ賞を狙える器だったが今回は強敵が多かった。
いちエネルギーロボットいちいちごう(チャーリー浜岡GP)
昨年優勝者。先ほど説明した位置(いち)エネルギーエンジンの存在を前提に、高い位置から数字の「1」を落として相手を攻撃、機体は「1」、そしていちごも搭載、というダジャレに振り切ったロボット。
だがそこまで一度すべて実装し終えたのち、「重心が高すぎて倒れやすかったので」としてメインパーツを外し、ただの動く箱として戦った。
序盤に紹介した黒ひげを飛ばしたのはこのマシン
ハイテク海鮮丼(ピコピコファクトリー)
360度撮影できるGoPro、寿司を回すためにtoio(ソニーの教育用ロボット)、パイロットにモフリン(ペットロボット)と、ハイテクをこれでもかと詰め込んだマシン。
コックピットにかわいいモフリンを力づくでグイグイ詰め込む様子が印象的だった。
休憩所の出会い(チームT)
静岡から車でやってきた遠征チーム。途中でサービスエリアに立ち寄るたびにお土産を購入、それを合成することで作成されたマシン。おみくじ機能や、富士山の貴重な土を使用した富士山等を搭載するが、自走機能はない。
以上、出場機全機紹介でした!
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ヘボの中にラブがあるとは
というわけで、今年のヘボコンのレポートは以上だ。
いろいろ書いたけど、今年のヘボコンで印象的だったのはなんといってもラブの存在だった。部活の顧問の先生へのラブ、地元のゆるキャラへのラブ、そして緊急搬送された友人へのラブ。ロボットという工学的なものの中にも、ヘボという価値のなさそうなのものの中にも、ラブは宿る。そしてそんなラブをヘイト除けの口実に使うヘボコンの人でなしっぷり。
「それがいいことなのかどうかは全然わからないけど少なくともここでしか見られない」がめちゃくちゃ詰まったイベント、それがヘボコンだなと思った。
記念写真。ありがとうございました!
記事中で扱ったのはイベントで起きたことの1/100くらいのものだ。すべて見たい方はこちらのライブ配信アーカイブを見てほしい。
次回のヘボコン2026はまた来年、6~9月くらいに開催予定。だいたい2か月前に出場者募集が始まるので、デイリーポータルZをまめにチェックするか、ヘボコンの公式アカウントをフォローしておいてほしい。
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参加者によるレポート記事
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