10周年特別ゲスト
ところで、実は会場にいたのはヘボいロボットだけではない。10周年大会ということで、技術力の高いロボットをゲストにお呼びしていたのだ。

今回のゴールドスポンサーであるセメダイン株式会社は、高専ロボコン(NHKで年末に放送してるあれ!)のスポンサーでもある。そのスポンサー協賛企画として、高専ロボコンの出場機をもとにしたロボットによるデモンストレーションが実現した。


もととなったのは高専ロボコン2022の出場機、「∞∞∞(トリニティ)」。この年の競技は、紙飛行機を飛ばしまくるド派手なバトルだった。その射出機構を再利用したミニロボットだ。

ゼロ!


そのスピード、毎秒5機、総数は150機!
なおこの紙飛行機はアタリ付きで、あたりの飛行機を拾ったお客さんは無料ドリンクをゲットできた。おめでとう!

盛り上がるべきではない決勝戦
さて、ヘボコンは技術力の低い人たちのお祭りである。最も栄誉ある賞は投票で決まる「最ヘボ賞」であり、トーナメントの優勝や準優勝は価値のない賞とされ雑に扱われている。
また、試合としてもいろんなロボットが次々披露される1回戦がイベントのメインであり、準決勝や決勝はもはや消化試合といわれている。
しかし、10年目にして、起きてしまったのだ。アツすぎる決勝戦が。


前者は昨年の優勝者であり、後者は準優勝者。
どちらのロボットも高馬力の足まわりで、ヘボコンをなんだと思ってるんだというレベルで強い。
ここで話は少し寄り道するが、ヘボコンは10年続いたことによりトライ&エラーが積み重なっており、もはや必勝法が確立したといわれている。「滑り止め付きのキャタピラを履き、重量を制限ギリギリまで重くする」ことでだいたい勝てるのである。
事実、昨年の決勝戦でも元おもちゃドクター氏のキャタピラのロボが、チャーリー浜岡GP氏のタイヤのロボを破って優勝した。
で、今年も大人げなくマジになってやってきたこの二人。両者、2回戦の4体バトルロイヤルでは、敵を一機一機順番に処理していく圧倒的強さを見せつけた。


チャーリー浜岡GP氏は試合前に毎回、相手にお菓子のワイロを渡すのだが、そのうえで実力で圧勝するという勝ち方で決勝までやってきた。
一方の元おもちゃドクター氏は誰もが知る優勝候補なので会場のヘイトを一気に買い、特に準決勝では「元おもちゃドクター負けろ!」という気持ちで会場が一丸になった。
両者まったく危うげのない戦いぶりで、昨年と同じ組み合わせの2人が、今回も決勝戦で対決することになった。

その試合の様子を見てほしい。


キャタピラ装備の場合、傾けられた時点で床面とキャタピラの摩擦が小さくなり、負ける。しかしノアをはこぶふねの足回りはゴムタイヤだ。一切その馬力を落とすことなく押し合う。


キャタピラ4連装を、タイヤ駆動のマシンが倒した!記念すべきこの10周年の舞台で、必勝法が打ち破られたのだ。
勝った瞬間、「超気持ちいい~~」と思わず叫んだチャーリー浜岡GP氏。そして「くやしいな~、ほんとくやしいな~」と何度も繰り返す元おもちゃドクター氏。
これまでで最高にアツい決勝戦となった。
だが、思い出してほしい。ここは技術力の低い人のための底辺を競う大会、ヘボコンである。勝手にドラマを作らないでほしい。
次のページは、受賞ロボットの発表と、未紹介ロボットの全機紹介!
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