ヘボは人に宿る
イベント前、ヘボコン・アドバンスの話を他人にすると、「技術が高くなったらヘボくなくなっちゃうんじゃない?」ということをよく言われた。しかし実際やってみると、そこにあったのはいままで以上にバリエーションに富んだヘボの数々。むしろハイテクという武器を得てよりヘボが強化された感すらあった。
ヘボは技術に宿るのではない、ヘボは人に宿るのである。
ここからは、各賞の受賞マシンの発表だ。
まずはヘボコンにおいては無価値とされている。優勝と準優勝。
ここから名誉ある賞。審査員賞とスポンサー賞
そして、ヘボコンにおける最も名誉ある賞はこちら!
このマシン、上に乗っているのは話しかけるとその声を録音してオウム返しするぬいぐるみのようなのだが、会場に音が多いせいかマシンガンのごとくめちゃくちゃに敵を煽りまくるロボと化していた。煽りの音声があまりはっきり録れていなくて恐縮だが、こちらの動画で雰囲気だけは味わっていただける。
さてそんなこんなで盛況に終わったヘボコン・アドバンス、今回は一組の高校生チームが参加していた。「宮城県志津川高校 情報ビジネス科 3年」チームである。
今回のスポンサーであるARCさんが連携協定を結び、授業の提供などを行っている学校だ。
イベント終了後に、初参戦の感想を聞いた。
――お二人はどういった分担で作業を?
山内「俺は物を作ったりするのが得意でパーツの準備をやって…そこあたりで忙しくなってあまり参加できなくなってしまって、動かすところはプログラミングが得意な須藤に任せました。」
――その段階で引き継ぐのはどうでしたか?
須藤「引継ぎのメモを読み解くところから始めて。(山内は)何考えてたんだろうなと思って(笑)」
――作るのに苦労したところは?
須藤「タコの頭は、発泡スチロールを2日くらいかかって削ったんです。薄いやつを何層にも重ねて。」
あまりのなめらかさに、当然球体の発泡スチロールを買って使ったものだと思っていた。まさか手づくりとは…!
須藤「あとで考えたら球体のを買えばよかったなと思って(笑)」
――山内さんは完成品を見てどう思いました?
山内「ちゃんとタコになっててすごい!って。あとセンサーがついてる!って思いました。設計にはなかったから。」
――回路的には他にどんなものがついてますか?
須藤「モーターはキャタピラと足の回転で2つ、ブザーが鳴るスピーカーです。センサーで距離を読んで、20cm以内に敵が入ったらキャタピラを止めて、足が回るように」
山内「なんで足8本あったのに4本になったの?」
須藤「多くて回らなくて。口も最初あったんですけど、つっかえて回らなくなっちゃったので外しました。あと、本当はタコ、逆さだったんです。」
須藤「上に頭、下に足にしたくて。でもモーターをその位置に置けなくて、逆さになりました。」
――キャタピラの動きが特徴的でした。
山内「これは足用に買った吸盤をなんとなくキャタピラにつけてみたら面白い動きをしたので。土俵にくっつけば押されても踏ん張れる予定でした。」
山内「吸盤は押されたときは地面にくっつくけど、進むときはキャタピラで持ち上げるからうまくはがれるんです。でも本番の土俵はちょっとくっつきが弱かった。」
――実際会場に来てみてどうでした?
須藤「思うようにはいかなかったですね。」
山内「配線が絡まったりね。ちゃんとテープで固定しておけばよかったです」
須藤「そういうのを会場でいまさら気づいて(笑)。来る前も、「新幹線で外れる!」って思って、前日に慌ててはんだ付けしたりしたんですけど」
山内「だからみんなテープでまとめてたんだ、って思いました。」
うまくいったところもいかなかったところも、終始興奮気味に語ってくれた。
来年度からは宮城県南三陸高等学校に校名が変更になるため、志津川高校チームとしては最初で最後のヘボコン出場となる。いい思い出になってくれたら嬉しい。
最後に、ここまでに登場しなかったロボットを紹介してこのレポートはおしまいにしよう。
イベント前、ヘボコン・アドバンスの話を他人にすると、「技術が高くなったらヘボくなくなっちゃうんじゃない?」ということをよく言われた。しかし実際やってみると、そこにあったのはいままで以上にバリエーションに富んだヘボの数々。むしろハイテクという武器を得てよりヘボが強化された感すらあった。
ヘボは技術に宿るのではない、ヘボは人に宿るのである。
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