広告企画 2023年4月22日

ハイテクが生んだヘボの新境地~ヘボコン・アドバンス・レポート


受賞ロボット発表

ここからは、各賞の受賞マシンの発表だ。

まずはヘボコンにおいては無価値とされている。優勝と準優勝。

優勝:DUCK GUN(おもちゃドクター)

 

準優勝:ハヤカワタクミくん(チームお浜さん)

ここから名誉ある賞。審査員賞とスポンサー賞

よしだともふみ賞:ビンタ de アニサキス(せんこうしゃ)
淺野義弘賞:IQ84(人工無脳)
ARC賞:おかえりオポチュニティ(NASAA)
LPI賞:ラビちゃん(ラズパイ・ビークル)(はてなけんきうしょ)

そして、ヘボコンにおける最も名誉ある賞はこちら!

なんかあんまり小さくなくてほどよくかわいいやつ(いずい)

このマシン、上に乗っているのは話しかけるとその声を録音してオウム返しするぬいぐるみのようなのだが、会場に音が多いせいかマシンガンのごとくめちゃくちゃに敵を煽りまくるロボと化していた。煽りの音声があまりはっきり録れていなくて恐縮だが、こちらの動画で雰囲気だけは味わっていただける。

 

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出場者インタビュー

さてそんなこんなで盛況に終わったヘボコン・アドバンス、今回は一組の高校生チームが参加していた。「宮城県志津川高校 情報ビジネス科 3年」チームである。

ロボットの名前は「オクタンク」
優勝機「DUCK GUN」との対決の様子

今回のスポンサーであるARCさんが連携協定を結び、授業の提供などを行っている学校だ。
イベント終了後に、初参戦の感想を聞いた。

宮城県志津川高校 情報ビジネス科 3年 制作を担当した須藤さん(左)、設計を担当した山内さん(右)

――お二人はどういった分担で作業を?

山内「俺は物を作ったりするのが得意でパーツの準備をやって…そこあたりで忙しくなってあまり参加できなくなってしまって、動かすところはプログラミングが得意な須藤に任せました。」

――その段階で引き継ぐのはどうでしたか?

須藤「引継ぎのメモを読み解くところから始めて。(山内は)何考えてたんだろうなと思って(笑)」

――作るのに苦労したところは?

須藤「タコの頭は、発泡スチロールを2日くらいかかって削ったんです。薄いやつを何層にも重ねて。」

ここから
ここまで、まっ白になりながら削った須藤さん。

あまりのなめらかさに、当然球体の発泡スチロールを買って使ったものだと思っていた。まさか手づくりとは…!

須藤「あとで考えたら球体のを買えばよかったなと思って(笑)」

――山内さんは完成品を見てどう思いました?

山内「ちゃんとタコになっててすごい!って。あとセンサーがついてる!って思いました。設計にはなかったから。」

――回路的には他にどんなものがついてますか?

須藤「モーターはキャタピラと足の回転で2つ、ブザーが鳴るスピーカーです。センサーで距離を読んで、20cm以内に敵が入ったらキャタピラを止めて、足が回るように」

センサー部分。最終的にセロハンテープで貼っているのがいい

山内「なんで足8本あったのに4本になったの?」

須藤「多くて回らなくて。口も最初あったんですけど、つっかえて回らなくなっちゃったので外しました。あと、本当はタコ、逆さだったんです。」

そういえばこのタコ、上に足がある

須藤「上に頭、下に足にしたくて。でもモーターをその位置に置けなくて、逆さになりました。」

――キャタピラの動きが特徴的でした。

山内「これは足用に買った吸盤をなんとなくキャタピラにつけてみたら面白い動きをしたので。土俵にくっつけば押されても踏ん張れる予定でした。」

不規則な動きをするのが軟体動物っぽくて面白かった

山内「吸盤は押されたときは地面にくっつくけど、進むときはキャタピラで持ち上げるからうまくはがれるんです。でも本番の土俵はちょっとくっつきが弱かった。」

――実際会場に来てみてどうでした?

須藤「思うようにはいかなかったですね。」

山内「配線が絡まったりね。ちゃんとテープで固定しておけばよかったです」

須藤「そういうのを会場でいまさら気づいて(笑)。来る前も、「新幹線で外れる!」って思って、前日に慌ててはんだ付けしたりしたんですけど」

山内「だからみんなテープでまとめてたんだ、って思いました。」

うまくいったところもいかなかったところも、終始興奮気味に語ってくれた。

来年度からは宮城県南三陸高等学校に校名が変更になるため、志津川高校チームとしては最初で最後のヘボコン出場となる。いい思い出になってくれたら嬉しい。

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さらなるロボットたち

最後に、ここまでに登場しなかったロボットを紹介してこのレポートはおしまいにしよう。

おにぎり5号(うずらを保護する会)。おにぎりの中から鮭が飛び出してくる。鮭を発射すると副作用で前進もできなくなる。

 

いぬかわいい(みの)。目を光らせようと思ったが犬の写真の目に穴を開けるのが嫌で鼻を光らせた。首を傾げているのは部品の長さが足りず上に伸ばせなかったため。
dancing DJ(モード・ヘボコンアドバンス)(RtoD)。ロボットのスピーカーから流すため「ヘボコン・アドバンスのテーマ」を作曲。それが会場BGMに採用されるも、当日肝心のロボットからは音が出なかった。
鉄砲玉 東君(ギーチとばぼ)。二体分離型ロボット。片方が本体、片方が飛び道具(矢や球と同じ)という設定で土俵外に出ても良いことになっていたが、いま考えたらそれは詭弁ではないか。
ツインズ(仮面ライダーマン)。かわいい。試合前に吠えて相手を恐怖に陥れるが、前進と音声を一緒に使える実装ができなかったため、試合中は吠えない。
対ネコ型ロボット(LONG-STAY)。前方に付いた測距センサで敵との距離を測るも、自分のパンチが干渉し正確な距離が測れていない。
ベリーちゃん(武将猛牛)。重量制限に対応するため、大会直前に部品を一気に減らした。負けることで「過度なダイエットは控えましょう」という教訓を観衆に伝える。

ヘボは人に宿る

イベント前、ヘボコン・アドバンスの話を他人にすると、「技術が高くなったらヘボくなくなっちゃうんじゃない?」ということをよく言われた。しかし実際やってみると、そこにあったのはいままで以上にバリエーションに富んだヘボの数々。むしろハイテクという武器を得てよりヘボが強化された感すらあった。
ヘボは技術に宿るのではない、ヘボは人に宿るのである。

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