広告企画 2023年4月22日

ハイテクが生んだヘボの新境地~ヘボコン・アドバンス・レポート

心に残った4試合

さて実際にどんな試合が繰り広げられたのか、特に見どころの多かった4試合をご紹介しよう。
ルールはロボット相撲。場外に出たり転倒したら負けである。

ストイックバーガーマシン(ストイックバーガー渋谷店)
vs
魔改造!大人のバービータンク(良い子のみんなは見ちゃダメよ)(ちあきーず)


おもしろいコンセプトのマシン同士の対決となった試合。

ストイックバーガーマシンは、

かつて道玄坂にあったバーガーショップの元スタッフによるマシン

道玄坂にちなんで正面が坂になっており、相手を建物内に仕込んだポテトの匂いでおびき寄せる。
坂は電動でさらに傾斜させることができ、ドライブスルーしにきた相手の転倒を狙う。

ユニフォームまでトータルで作り込まれていて最高

対戦相手の大人のバービータンクは

バービー人形と水鉄砲を合体させたマシン。

バービー人形は本物を使うつもりが、うまくくっつける工作能力が足りず、ラミネートでの実装となった。
正面についている超音波センサがどこにもつながっていない点にも注目してほしい。

ちなみにこれ、バービーの脚のあいだから水鉄砲で黄色い水が出る…と説明を聞くとけっこうえげつない下ネタなのだが、造形の拙さゆえにそれが全然伝わってこないのが秀逸である。

試合の様子も見ていただこう


 

まずはバービータンクが店頭に黄色い水を発射。メインウェポンとしてはあまりに少量!
すでに攻撃手段を失ったバービータンクを「来店してください」と懇願しながらストイックバーガーマシンが追い詰めていく
坂に乗った瞬間、「いらっしゃいませ!」のコールとともに押しきって場外に

渋谷のバーガーショップvsギャルの客の対決となったこの勝負、バーガーショップが勝利。負けた、ちあきーずチームの「途中で線が抜けてしまって水が出なくなったのが敗因ではないか」とのコメントに「違います!」の総ツッコミが入った。

 

ハヤカワタクミくん(チームお浜さん)
vs
ミノフスキー太郎(タナカアキオ)

技術的に非常に高度ながらも、とてもヘボコンらしかったのがこの試合。

まずはハヤカワタクミくんの雄姿からご覧いただきたい。

「足の速い小学生にいそうな名前」としてハヤカワタクミくんと名付けられた
全貌はこんな。クランク機構で足が動く!

前進と一緒に脚が動く機構がすごい。

しかもコントローラーが、プレステ2用のゲーム「ダンスダンスレボリューション」のマット。上で人が走るとタクミくんも走るのだ。ロボットと人間の一体感が得られる素晴らしいコンセプト。しかし「ロボットよりかなり多く走らないと進みません」とのこと。

対戦相手はミノフスキー太郎。

正面にチョウチンアンコウのようにぶら下がっているのが武器の電磁石。

電磁石を回転させて攻撃するが、回転すると配線が絡んでしまい切れる。そんなめちゃくちゃに詰めの甘い設計ながら、なんと機体まるごと自動運転である。不揃いなところがチャーミングなマシンだ。

試合の様子がこちら。

 

二人の子供たちの全速力で、じわじわ進んでいくタクミくん。この見事な脚の動きを見てほしい
自動運転中のミノフスキー太郎の回転電磁石がちゃんと発動!一切効いてはないし配線も絡まっているが、動いてるだけで感動!
ここでタクミくんの操作をお父さんにチェンジ。大人の全速力にミノフスキー太郎撃沈…!

タクミくんは、よくできたメカ機構と家族の一致団結が魅力的なマシンだった。一方のミノフスキー太郎も、ヨチヨチ歩き感のある自動運転はどことなく開発者とロボットの親子の絆を感じさせるところがあり、手に汗握りつつもほのぼのさせられた試合であった。

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リモコンが面白い

さて、ここで試合紹介はいったん休憩、今回の大会でのもう一つの注目点を紹介したい。コントローラーだ。いつもより技術的に高度&本体側の重量制限があることもあって、リモコン操作のロボットが多かった。そのデザインが三者三様で面白かったのだ。

器用にキッチリとレイアウトしているパターン
タッパーに詰めていると妙な玄人感が出る(電子工作のケースにタッパーは使われがちである)
いろんなコントローラーを集めて配置したコンソール
アタッシェケースを開くとコンソール
衣装まで完璧なコーディネートである
キッチンシートの箱。雑な空き箱!とおもいきや…
タコ焼き型ロボの上に載せたかつお節もキッチンシートで、まさかのコーディネートであった/かつお節踊る!HOTたこ焼き号(烏賊逆(いかさか))
缶に詰めたリモコンは一見無造作だが、線に全部メモ書きがしてあり不意に抜けてもOKになっている
中にはタミヤ純正コントローラーの姿も(コンピューターの使用をあきらめたため)

ハイテクを使ってもぜんぜんシュッとせず、むしろむき出しのDIYが露出。しかも制作者の性格もよく表れていて、グッと来た。

試合に戻ろう。

⏩ 試合の様子② 衝撃の変貌をとげる森の妖精

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