広告企画 2019年3月25日

入社してはじめてのプレゼンテーション!自信を持って乗り切るために必要なこと

入社1年目の社員がはじめてのプレゼンに挑みます。

人前で話をするというのは緊張するものである。

どんなに慣れた人でもまったく緊張しないというのはうそだろう。それが社会人1年目の新人さんによる初めてのプレゼンテーションであればなおさらである。

今回はそんな悩みを抱えるある社員のために、いろいろ考えました。

 

※この記事は東京ガスコミュニケーションズの広告企画です。記事中で社会人1年目の芳沢さんが作ったバナーは、この記事の公開に合わせて実際にデイリーのトップに出稿されています。

行く先々で「うちの会社にはいないタイプだよね」と言われるが、本人はそんなこともないと思っている。愛知県出身。むかない安藤。(動画インタビュー)

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> 個人サイト むかない安藤 Twitter

社会人1年目の成果

芳沢さん(本名)は東京ガスコミュニケーションズに入社して1年目の社員である。

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芳沢さん(赤)。先輩社員の宮川さん(白)。

芳沢さんは東京ガスコミュニケーションズにデザイナーとして入社して1年目。この1年ですでに新聞やウェブサイト、キャンペーンなど、大きな仕事のクリエイティブ(作り物)を任されてきたという。

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芳沢さんの手がけた「仕事」を見せてもらった。

いま社会人の人は自分の1年目の頃を思い出してほしい。ほとんど研修期間だった人もいるんじゃないだろうか。僕は1年目の夏に新人寮の廊下をはだかでうろついて寮長さんに写真撮られ、会社に送られたことがある。

いま学生をしている人は自分の未来を思い描いてほしい。就職して最初の年、バリバリ働く即戦力となっている自分が想像できるだろうか。

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芳沢さんは1年目からバリバリやった。

これはきっと社風だとか部署の都合だとか、芳沢さんの能力や資質などの他にも要因があるのだろうとは思う。それにしても、である。入社1年目の社員にこれだけの成果を作りださせたのはちょっとすごいことではないか。

そんな芳沢さんが今抱えている案件がある。次に入ってくる後輩に向けての採用サイトのプロモーションだ。そのためのバナーをいくつか考えて、今週上司にプレゼンすることになっているらしい。ちなみに芳沢さんにとってプレゼンテーションの大舞台は初めてのこと。

今回、芳沢さんの上司である宮川さんから「後輩の芳沢が作ったバナーを見てほしいんです」という相談を受けた。

僕たちはデザインの素養がないので見てもわからないかもしれないですよ、と言いながらも、面白そうなので見せてもらうことにしたのだ。

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そしたら自信なさそうなんだこれが。

これまで自信満々に説明していた芳沢さんが、なんだか急に誰もがイメージする「1年目の社員」に戻ってしまった。どうした、芳沢。

芳沢「いくつか案を考えたんですが、考えすぎて面白いのかどうかわからなくなってしまって」

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なるほどー。

わかる。面白いことって考えすぎると行く先々に壁が現れて、そこから出られなくなってしまうのだ。そういうときの対処法も実はあるにはあるのだけれど、そういう小手先の対処法を新人さんに教えるのもよくないように思う。

ということで僕たちなりのアドバイスをさせてもらった。

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「フォントは明朝とかじゃなくてもっとバカみたいなやつがいいですよ。」「なるほどー」

とはいえ僕たちにできることなんてしょせんその場を和ませることくらいである。あとはとんちでプレゼンを乗り切る、とかしか…

「とんちで!(宮川・芳沢)」

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「それだ!」

それか?

というわけで、僕たちからはとんちを駆使して新入社員の芳沢さんのはじめてのプレゼンテーションをサポートさせてもらうことになった。これは責任重大である。

 

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※記事中のバナーはすべて芳沢さんが作りました。
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プレゼン会場は東京カルチャーカルチャーを押さえた。われらのホームグラウンドである。

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しかしいざ舞台から客席を見ると、これは結構緊張するな。会議室でよかったのかもしれない。

僕たちは何度もここでイベントをやったりしているので、今ではそれほど緊張感なく舞台を踏んでいるのだけれど、初めての人にとってはこの景色ですら大いなる脅威なのではないか。

しかし今回は、プレゼンテーションの直前まで芳沢さんに自信をつけてもらうため、さまざまなとんちグッズを用意してきたので安心してほしい。

まずはリラックス

まずは肩の力を抜いてリラックスして本番に備えてもらおう、ということでプロの指圧師を呼んだ。

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ふしぎ指圧」の斎藤さんである。

斎藤さんはライターであり漫画家でもあるが、本職は指圧師である。国家資格も持っているし治療院だって開業している本格派だ。僕も前に冗談半分で肩を治してもらったことがあるが、斎藤さんにマッサージしてもらった後のあの錆が落ちたような感じはいまでも忘れられない。

では斎藤さん、1年目芳沢さんをお願いします。

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「まかせてください!」
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「痛い痛い痛い」
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宮川「芳沢さん、どうなっちゃうんだろう…」

「これはだいぶ凝ってますね。広背筋をほぐすだけでもかなり良くなると思いますよ。時間もないので手っ取り早いところから治しますね」

そういいながら斎藤さんはテキパキと芳沢さんの肩こりを治していく。聞くと芳沢さん、昨日は遅くまで今日のプレゼンテーションの準備をしていたという。ついでに目も覚ましてもらおう。

(しばし続く施術)

どうでしょう芳沢さん、ちょっとは良くなりましたか?

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「生まれ変わったみたいです!」

まさかこんなに効くとは思っていなかったようだが、施術を終えた後は表情からして別人である。リラックスしたというよりもそれを通り過ぎて自信すら身につけているように見えた。それとも内に秘めた自信が体をほぐすことで表に出てきたのか。

お次はハイテクグッズ

でもまだ始まったばかりである。次はハイテクを駆使したVR(バーチャルリアリティ=仮想現実)を用意したのでどうぞ。

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このVRグラスをかけてください。「え?なんですかこれは」
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「え!」
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「え、あ、どうも」
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「あ、そうですか、ありがとうございます。」

VRグラスをかけたとたん、芳沢さんがうれしそうに周囲にぺこぺこしはじめた。お礼も言っている。自分で作っておいてなんだが、VRってやっている人を外から見るとおかしいな。

いま芳沢さんが見ている映像はわれわれが作った「はげましVR」である。下の動画が360度で見えているはずだ。

 

はげましVRはデイリーポータルZのライターが集まって作った。まずは褒める言葉を書き出していく。

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「僕のこと褒められてるみたいで照れる!」と書記のライターいまいずみさん。
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いやいまいずみさんに言ってるわけじゃないからな。

ここで撮影した360度ほめられ動画をVRグラスで見ると、まさにこの中心に立ってみんなから褒められているような気分になれるのだ。これは自信がつくに違いない。

どうでしょう芳沢さん!

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「すごい!なんかまだふわふわしています!」それはたぶんVR酔いですね。

 

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※これも芳沢さん作。
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次は食事で応援

続いては編集部古賀から、自信のつく食べ物のプレゼントである。

ところで僕らからすると芳沢さんは娘でもおかしくないくらいなので、企画を忘れてほとんど親心で応援しはじめている。

古賀さん、それはなんですか。

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「これ食べて!」

舞台で緊張したときとか、よく「手のひらに「人」を書いて飲み込んじゃえ」って言うだろう。それを実写化したのだという。

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顔のクッキー。古賀さんいわく、これを食べると間接的に「人」をのみこんじゃうことになるので大丈夫!ということだけれど、本当だろうか。

定番のカツ丼も用意した。カツ(勝つ)丼、ということで受験生が受験前日食べたい食事ナンバーワンである。芳沢さんもこれを食べれば勝利間違いなしだろう。

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「いただきます!」

次は姿勢

時間も誌面も限られているので次々行こう。

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「これはすごいよ!」それはなんですか古賀さん。

自信満々の古賀さんが持ってきたものは何かというと。

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姿勢矯正ベルト~(ドラえもんの声で再生してください)。

続いて

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「高ゲタ~」

説明するのも野暮だが、よい姿勢は視線が前を向くために自信が持て、さらにその視線自体を高ゲタで高い所から覗かせることでさらに効果を倍増させようというのだ。ほんとかよとも思うが、自信たっぷりの古賀さんに言われるとそうなのかなという気分になる。

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男塾みたいになった。

SPも付けた

隣にいるライターのトルーがスーツを着ているのにもワケがある。今日は舞台でプレゼンテーションを行う芳沢さんのSP(ボディーガード)役をお願いしてあるのだ。必要かどうかは別として、これは安心感がある。

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もう一人は編集部藤原くんです。

さらに実はもう一つ、とっておきの装置があるのだけれど、これは本番まで取っておくことにする。

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こちらはヘボコン石川さんに作ってもらいました。

僕たちにできることは全部やった。あとは芳沢さんに本来の力を発揮してもらうだけだ。

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芳沢さん、お願いします!がんばって!

いよいよ芳沢さんの初プレゼンテーションがはじまる。

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伝わるだろうか、この緊張感。

 

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※これにいたっては出演も芳沢さんです。
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なんと取締役が来た

今回は芳沢さんのプレゼンテーションを見てもらうため、直属の上司に来てもらった。

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宮川さんと生野さんである。

宮川さんは入社当初から芳沢さんと一緒に仕事をしてきた直属の先輩である。そして生野さんは二人の上司なのだけれど、名刺を交換したらなんと取締役と書かれていた。上司すぎだ。

しかしもう待ったなしである。

それでは芳沢さん、1年の成果と新しいバナーについてのプレゼンテーションをよろしくお願いします。

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ばーん!

準備中に流れていたBGMが消え、代わりにステージ上の芳沢さんにスポットが当たる。瞬時に会場の空気がキーンと音がするほど張り詰めていくのがわかる。

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「1年目の芳沢です」
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「本日はお時間いただきありがとうございます」
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SPからの目線。

この状況、さすがに緊張するだろう。見ているだけで息が詰まる。

持ち時間の15分のうち、芳沢さんは最初の5分でこれまでの成果を発表するパートを終えた。いい感じである。

出だしはすごくいいのだけれど、なにしろ会場が広いうえに正面には取締役が座っているので油断はできない(こちらが仕込んだんだけど)。

プレゼンテーションの最中はだれも口を挟まない。そのため、芳沢さんが少しでも黙ると会場の静けさが重みを持って潰しにかかってくる。大丈夫だろうか。ここで芳沢さんの視線にかすかな不安が宿るのが見えた。

オーケー、とっておきの道具を投入である。

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パラメトリック・スピーカー(ドラえもんの声、ふたたび)!

パラメトリック・スピーカーはものすごく狭い範囲にだけ音を届けることができる非常に指向性の高いスピーカーである。さっきヘボコン石川に作ってもらったと言っていたアイテムだ。

緊張という魔物は、この静けさの中に潜んでいると思うのだ。芳沢さんにだけ音を届けることができれば、リラックスして実力を発揮できるはずである。

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音は先ほどの「はげましVR」より抽出しました。

上司の宮川さん、生野さんはじめ、会場は相変わらずの静けさが占めているが、パラメトリック・スピーカーのおかげで芳沢さんにだけはみんなからのはげましが聞こえているはずだ。

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僕たちには静けさしか感じないが、芳沢さんにだけははげましが聞こえているはずです。

ここで芳沢さんのトーンが少し変わったように感じた。明らかにこの「場」を自分のものにしてきている。

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上司の安心そうな表情からもそれがわかる。
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芳沢「TGCOM(東京ガスコミュニケーションズ)のいいところをバナーに込めて新人さんたちに伝えたいんです」

言霊というものがあるだろう。ひらたく言えば言葉の力である。魂のやどった言葉は、それを受けた人に影響を与える。

この瞬間、上司の宮川さん、生野さんだけでなく、会場にいたスタッフ全員がいつの間にか芳沢さんに注目していた。

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芳沢さんが完全にこの場をものにしたな、と思った。

プレゼンテーションは滞りなく終わった。

最後は「この場を設けてくれてありがとうございました」と、芳沢さんは僕たちにも感謝の言葉をくれた。なかなかそこまで言えないぜ普通。

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本人はゲタ履いてるけど。

すばらしい。

これは芳沢さんを褒めていると同時に、さまざまなとんちグッズで応援したわれわれチームへの賛美でもある。よくやった芳沢さん、よくやったおれたち。

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プレゼンテーションのあとは自然と拍手が起きました。

芳沢さんの初プレゼンテーションを聞いて、上司のお二人からコメントをもらった。

生野さん

--芳沢さんのプレゼンテーションどうでしたか?

「バナーの提案がしたい、としか聞いてこなかったので、いろいろな意味で想像を超えていましたね。バナーについてもコンセプトがしっかりしていたのでわかりやすかったです。」

--1年目から実戦に投入するというのはそういう方針なんですか?

「正直なところデザイナーとして新卒を採用するのが初めてだったので、教育プログラムみたいなものがなかったんですよね。そんなタイミングで仕事が決まったので芳沢さんに振ってみたら見事にやってのけちゃった。変な言い方ですが、いい新人さんが来てくれたなって思っていますよ。」

--これからの芳沢さんに一言お願いします。

「芳沢さんは毎回作ってくるものが違うんですよね。いい意味で「らしさ」が前に出てこない。でもそれが逆に彼女の強みだと思うので、これからもその調子でやってもらいたいですね。僕らも彼女のやる気に対応できるよう、成長していかなきゃいけないと思っています。」

先輩社員の宮川さん

「一年目とは思えないプレゼンテーションでした。彼女はいつも生き生きと仕事してくれるんですよね。自分が一年目の時にどうだったかなと思い出すと、驚くし尊敬しちゃいます。これからも楽しく仕事してもらえるとうれしいですね。応援します!」

僕たちもいい経験をさせてもらいました。芳沢さん、お疲れさまでした。


チームプレーで乗り切ろう

今回の企画では芳沢さんをはげますためにたくさんの人たちに協力してもらった。いわばチームプレーの結果である。

プレゼンテーションで緊張しそうなときは、それに関わってきた人たちを背中に感じながらやってみると自信が持てるかもしれません。今回登場したグッズと共に、ぜひ参考にしてみてください。それから高ゲタを履くときは足をくじかないように気をつけて。

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実はプレゼンがはじまる前に楽屋で上司含め3人で円陣を組んで気合を入れていた。いいチームなのである。
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※芳沢さん作。
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