デジタルリマスター 2023年4月3日

偉い人は遠くを見ている?(デジタルリマスター)

野口英世 (上野公園)

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未来を思う目線の角度: 約マイナス8度

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試験管を見つめる博士。かっこいい。

アフリカで黄熱病の研究をしていたら自分もその病気にかかって亡くなってしまった。まさに命がけの仕事である。お医者さんはえらいなあと純粋に思う。

考えられるいろんなパターンをひたすら調べて病原体を見つけていたらしい。フィラメントの種類をひたすら試して電球をつくったエジソンみたいなものか。

若いころから並外れた秀才だったらしいが、秀才がそれだけ努力をするんだから、凡才が努力しなかったらそりゃ叶うわけないよなと思う。

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離れてみると意外にずんぐり。

野口さんの視線の角度は約マイナス8度。そりゃそうだ。なにせ手元の試験管をみているのだから。そもそも遠くをみてない。

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太田道灌 (上野公園)

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未来を思う目線の角度: 約0度

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狩に行くところのようだ。視線はまっすぐ。

江戸城をつくった人。

こどもの頃にこんな問題を出されたことはありませんでしたか。「江戸城をつくったのは誰でしょう」「徳川家康?」「ブブー、太田道灌。」

ぼくも、だからその人が江戸城を作ったということは知っていても、それ以上のことはさっぱり知らなかった。だけど調べてみるとかなり面白い人のようだ。

早熟の天才で、こんな逸話がのこっている。父親に、「まっすぐに生きろ、障子もまっすぐだから立っている」といわれて、「屏風のように曲がっているからこそ立つものもある」と言い返したらしい(※)。一休さん並みである。

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看板を持っていた男性は、悪いとおもったのかよけてくれた。すみません。

まあ、それはいいや。ぼくがいま住んでいる東京の原型となった江戸の町の、さらに原型をつくった人。その目線の角度は0度だが、もはやそんなのはどうでもいいということがだんだん分かってきました。

※「銅像めぐり旅」(祥伝社刊、清水義範著)より


まとめ

・銅像は思ったほど上を向いてない
・でも遠くを見ているようには見える。
・なぜならぼくたちが見上げるから。

視線の角度のグラフでも書いて、もっとも未来を見据えているで賞みたいなことをしようと思っていたのだけど、ぜんぜんだめだった。

碑文を読んでいると、すばらしい業績が書いてある。銅像になるような人には、それなりの理由があるんだなあということを改めて思った。世の中にはすごい人もいるけれど、やっぱり飛びぬけてすごいよ。

まとめ: 銅像になるような人はやっぱり偉い。

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むしろこういう芸術的な像のほうが無邪気に見上げていたのだった

 

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