特集 2020年11月5日

レミオロメン「粉雪」の「こなーー!!」をグラフにする

カラオケに行くと、サビで声を張り上げることがある。「粉雪」の「こなー!」とかが有名だ。

そこで、曲ごとに最低音から最高音までどれくらいの音が分布しているのかをグラフにするのはどうかと思った。この曲は自分に歌えそうなのか、この歌手の音域はどのくらいなのか、曲や歌手ごとの差はどれくらいなのか。分かったりしないだろうか。

1976年茨城県生まれ。地図好き。好きな川跡は藍染川です。(動画インタビュー)

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まず実例から示したほうがいいと思う。「かえるの歌」でやってみよう。

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「かえるのうた」

かえるのうたがきこえてくるよ、という歌だ。ドレミファミレドーという音階だったのを覚えているだろうか。あの歌の「ド」や「レ」といった音がそれぞれ何回出てくるを数えてグラフにしたものがこれだ。

緑で示したのがいわゆる「まんなかのド」を含むオクターブで、子どもや女性にとって歌いやすい音域だ(と思う)。その左に青で示したのは、大人の男性にとって歌いやすい音域。

それを踏まえてみると、かえるのうたはこどもや女性に向いている音域ということになる。男性の場合は、自然と1オクターブ下で歌うことになると思う。元の音階のまま歌い始める人がいたら、その人は声が高い。スピッツか、B'zの稲葉さんかもしれない(例えが古くてごめんよ)。

 

「粉雪」レミオロメン

ということを踏まえてどんどんやっていこう。まずはレミオロメンの「粉雪」だ。カラオケでは「こなーー!」のところで男性が声を張り上げるのが恒例行事と言っていいが、あの音の高さはどれくらいだろうか。

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「粉雪」レミオロメン

こんなふうになった。真ん中の「ラ」が最高音になっているが、これが「こなーーー!」の「な」だ。声変わり前の子どもにとっては「かえるのうた」程度のたやすさだが、大人の男性にとっては悶絶することになる。

せっかくなので、サビとそれ以外に分けたグラフもみてみよう。

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「粉雪」のサビを赤くした版

赤がサビで、青がそれ以外だ。サビに入ると急に音が高くなる、というのはあらゆる曲でみんなが実感していると思う。グラフでもそれが示された感じだ。サビでは男性の歌いやすい音域よりも1オクターブ高い。

「pretender」official髭男dism

official髭男dismの「pretender」である。こりゃまたとんでもない高い声だなと思いながら聞いていた。

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「pretender」official髭男dism

先ほどと同じくサビを赤くしてある。最高音は男性の歌いやすい音域の2オクターブ上のレ♭である。ボーカルの藤原さんはここを裏声で歌っているが、他の曲でこれ以上の高さを地声で歌っているのを聞いたことがあるので、ふつうに出せるのであろう。すごい。

サビ以外(Aメロなど)も、軒並みまんなかのドより高い音になっている。なにしろ歌い出しがすでにそうなのだ。ビビる。ふつうの男性の高い方の音域は、声を張り上げて真ん中の「ソ」という感じなので、カラオケで歌おうと思うと半音8つ分下げないといけないだろう。子ども、もしくは女性が歌いやすい曲である。

 

「Ultra Soul」B'z

声の高い人選手権みたいになっているので、もうちょっと前の世代でもやってみよう。2001年の「Ultra Soul」という曲は、B'z というバンドで最も売れた曲だそうだ。あれもひたすら声が高い印象がある。グラフにしてみよう。

試みに「粉雪」と比べてみよう。まずは粉雪から。

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「粉雪」からの、
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「Ultra Soul」B'z

くらべてみると、全体的に Ultra Soul のほうが右に寄っている。つまり高音側に寄っている。

Ultra Soul のほうは、いわゆるAメロさえもふつうの男性にとってはつらいことがわかる。まんなかの「ミ」はそこそこ声を張らないと出ない(あくまでぼくの場合)。

そして最高音は pretender と同じで、真ん中の1オクターブ上のド#だ。pretender のときはレ♭と書いたけれども、これは調の違いだけで音としては同じだ。(それは平均律の場合だけだが今回はそういう話ではない)

稲葉さんも藤原さんもすげーなという話である。

なお、もっと遡ると「大都会」とかを思い出す人もいると思うが、あれの「あーあー!!!」はまんなかの「シ」である。

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「愛をこめて花束を」Superfly

女性の場合はどうだろうか。

女性がカラオケで声を張り上げてそう、という印象だけなのだが、2011年のヒット曲「愛をこめて花束を」でやってみよう。

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「愛をこめて花束を」Superfly

なかなか(男であるぼくにとっては)面白い結果になった。まず、サビとそれ以外で音域が結構重なっている。もちろんサビのほうが高音に寄っているのだが、男性ほどの激しい差はない。

そして最高音はまんなかの1オクターブの上の「レ」だ。これは稲葉さんや藤原さんの半音上なだけだ(厳密には後半にサビが半音あがってレ#も出している)。ただこれは、稲葉さんたちがなにか普通じゃないということを示しているのだろう。

記事の最初のほうで、緑の部分は女性にとって歌いやすいと書いたが、この結果を見るとそんなことはなくて、歌いやすい範囲はもう何音か左にずれるのだろう。失礼しました。

「マリーゴールド」あいみょん

2019年の「マリーゴールド」をみてみよう。おじさんよく知らないくせにヒット曲というだけで出してる感じが出て申し訳ない。

で、また例に出して恐縮だが「粉雪」と比べてみよう。

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「粉雪」からの、
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「マリーゴールド」あいみょん

この曲をあいみょんをかなりリラックスして歌っているように見える。男性が青筋を立てる「粉雪」よりも全体的に高い音を、女性は楽々と出せるんだなーと改めて思う。(当たり前のことを言ってごめんなさい)

 

 

 

「Whole new world」映画「アラジン」

最後はデュエットをやってみよう。有名なやつとして、映画「アラジンの」の主題歌を選んでみた。

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「Whole New World」映画「アラジン」

さっきまでと違い、女声を赤で、男声を青にしてみた。見事に重ならないようになっている。

Aメロというべきメロディがあるのだが、最初に男性がそれを歌ったあと、女性の番では転調してちょっと高いメロディーを歌うように工夫されている。

ただ、これはなんというかバージョンによって違いがあるようだ。今回参考にしたのとは違うバージョンでは、男性の声がもっと高いものもあったように思う。いろいろ工夫しているということなのだろう。


こなー! のレベルが分かった

粉雪といえば青筋というイメージがあるが、他と比較することである程度ぜんたいの中での位置というかレベルが分かったような気がする。それは面白い。

あと女性の声についてはもうちょっと調べた方がよさそうだなと思う。

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