一番おいしいのはアワライズ
どれもおいしいが、一番おいしいのはアワライズだ。ゆずの香りが気分をスッキリさせる。あと、子供は走るの早い。ふらふら走る自分の横を新幹線ぐらいのスピードで走り抜けていった。うらやましい。
エナジードリンクというものがある。飲むと疲れが吹っ飛び、やる気が満ちあふれてくる飲み物だ。
日本ではオロナミンCなどが有名だが、2005年にオーストリアからレッドブルが上陸するとそれから色々なエナジードリンクが発売されてきた。エナジードリンク戦国時代である。
よく飲むのだが、どれが一番おいしいのだろうか。一番おいしい状態で飲み比べしたい。
コンビニやスーパーなど手軽にエナジーが取れる時代になった。一時は爆発的に多くのメーカーから発売されたが、定着したもの、生産終了になったものなど色々とあるが、今回は家に帰るときに見つけたスーパーやコンビニで売っているものにした。
疲れたときほど飲み物はおいしいので走ってから一本飲んで、また走って飲んでを繰り返しながら計7本のエナジーを飲んでみることにした。
走る距離は500メートルである。短いと思われるかもしれないが、実際に走ってみると2キロぐらいの距離に感じるほど疲れるから走ってみてほしい。あと、カップルだらけの公園を走るのは42.195キロよりも気持ちが折れそうになる。
まずは1本目、モンスターエナジーである。モンスタービバレッジコーポレーションという会社(日本ではアサヒ飲料が独占販売をしている)が出しているエナジードリンクだ。他のエナジードリンクよりも量が多く、たっぷりとエナジーを取ることができるので良く買う。アメリカのマンガみたいなパッケージも好きだ。
普段、運動しないタイプであるが500メートルぐらいなら余裕だ。気持ちに余裕がある。ジョギングを趣味にでもしようかなと思いつつ走る。
モンスターエナジーはおいしい。ただ、息が上がってるので全然のどに入っていかない。口に入れる量と、飲み込める量がおかしくなってモンスターエナジーにおぼれそうになる。でも、すっぱさが心地よい。
わかりやすいようにもし、モンスターエナジーが女の子だったとしたら、週に4回ヴィレッジヴァンガードに行くサブカル系女子で、ぶっきらぼうな感じで自分には来るけど、実は自分のことを考えてくれて優しい、そんな味だ。
自動販売機で見つけた「スティング」というエナジードリンク。名前がかっこいい。マンガだったらかっこいい敵キャラの名前だ。
エナジードリンクを飲んだら超人的な力を発揮されて、息がきれずに走れるのでは、と少し思っていたが、夏場に散歩している犬ぐらい息が荒くなっている。最初の優雅さが消えた。
甘さがすごい。脳がフル回転するぐらい甘い。ただ、味にクセが無いためにごくごく飲める。
女の子だったら、かなりおせっかいだけど一番自分のことを考えてくれる、幼なじみみたいな感じだ。
最初は「力水」という商品名で販売されていたが、「帰ってきた力水」、「最強力水」、「今世紀最後の力水」と少年の心をグッとつかむ名前に変更しながら製造中止となる2011年まで販売されていた。2013年に復活し、キリンの自動販売機で販売されている。手軽に力が手に入る時代になった。修行いらずだ。
力水はエナジードリンクとは違うという意見もあるかもしれないが、力水なので大丈夫である。
ちなみにDHAは脳細胞が活性化するらしく、記憶力の維持にいいそうだ。
もうダメだ。息ってこんなに切れるのか。寝ころびながら飲んで息が途絶えそうになりながら残した感想がこちら。
「走った後に味の強いやつって、ダメだけど、これはほのかに力水特有の味がしてちょうどいい。なんの味なんだろ……なんの味……ポカリとかの甘くないときの味ってわかります?教室の隅にいる目立たないけど気持ちはしっかりと芯を持っている委員長みたいな人」
レッドブルのメーカーが出している農薬や化学肥料を使ってない食品で作られたジンジャーエールである。レッドブルなのでエナジードリンクだと思って買ったら違った。でも、しょうがは昔から体にいいものとして日本でも大事にされてきたので効果があるかもしれない。
走ろうとしたとき、「このまま走っても大変だと思うので同じ距離を全力疾走とスキップで走ったら2本飲んでいいことにしませんか?」と提案された。
よく「あなたが思っているよりも世間はあなたを見てないですよ」と言われる。たしかにそうだろう。しかし、人が多い公園でスキップをすると明らかに見てる。スキップしながら3人ぐらいと目があったし、「ワーオ」と外国人の人に言われた。「フー!」とも言われて、応援された。
走り終わって飲むジンジャーエールは、しょうがの味がのどに直撃する。それが疲れた体にまるでムチを打つかのような刺激を与えてくる。スパルタなマネージャーだ。
続けて飲むのがデカビタCである。ビンが販売中止になり、缶のみで販売されている。
少しとがったようなクセのある味、たぶんロイヤルゼリーの味が後味で気になる。でもその味が体に良さそうな気がする。
健康のためにヘルシーなメニューを作ってくれたり、トレーニングメニューを考えてくれる元気なインストラクターな女の子である。
コカ・コーラから出ているエナジードリンクである。味もコーラでとってもおいしい。おいしいコーラを飲めるだけでもありがたいのにエナジーが取れるなんて、一石二鳥である。
6本目のジョギングはもうクタクタである。でも大丈夫である。こっちはエナジーが満タンだから。エナジーは満タンだけど、もうダメだという気持ちです。世界は矛盾でできている。
コカ・コーラエナジーは普通のコーラと違って、北海道で有名なガラナの味がする。これがきっとエナジーなのだろう。そう思うと体の中から湧き出るものがある。あと、乳酸も出ているし、膝も笑っている。陽気な外国人も笑っている。今日もいい天気。
でも、運動のあとに飲むコーラはおいしい。甘さがちょうどいい。スッと体に入ってくる。
気配りのうまい(タオルとかレモンのはちみつ漬けとかを練習が終わったあとに配ってくれる)正統派のマネージャーだ。そういうマネージャーがいる部活に今入りたい。コーラような刺激的な恋、したいですね。
今回、一番おいしいかったのが、アワライズというドリンクである。最寄り駅に売っていたので買った。
パッケージには「アワライズは興奮と熱気の渦に包まれる阿波踊りで最高のパフォーマンスを発揮したい時のために開発しました。」と書いてあり、製造の阿波踊りの本場、徳島県で作られている。阿波踊りに本気になりたい人たちのためのドリンクである。
他のドリンクと違って、柑橘系のゆずが香る炭酸ドリンクである。その香りがなんともさわやかだ。それはまるでひと夏の思い出ぐらいさわやかである。一緒に花火大会に行ったり、ケンカもしたけど今ではいい思い出です。イメージとしては女子弓道部の部長と付き合ってます。
どれもおいしいが、一番おいしいのはアワライズだ。ゆずの香りが気分をスッキリさせる。あと、子供は走るの早い。ふらふら走る自分の横を新幹線ぐらいのスピードで走り抜けていった。うらやましい。
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