特集 2018年11月5日

ゴマの姿がよくわからないので、育ててみた

ゴマってこんなふうに育つのか!という驚きを貴方に。

ある日、サッポロ一番しおラーメンを食べていたら、調味料と一緒についているゴマの存在が気になった。

ゴマって、なんだっけ。

きっとなにかの種なんだろうなというのはわかる。ではどんな植物の、どんな実の種なのかと言われると、身近な食材なのにまったくのハテナ。

今後、ゴマを食べる度に気になるのも気持ち悪いので、ゴマを育てて確認することにした。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。

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5月3日、ゴマの種を撒く

ゴマの種ってその辺で売っているものなのかなと首をひねりつつ近所のホームセンターにいってみると、あっさりと見つかった。

その名も金胡麻。白でもなく、黒でもなく、金である。かっこいい。

そして種の入ったパッケージをみて、ゴマの種はゴマであるという、ある意味当たり前のことに気が付く。

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そうか、ゴマはやっぱり種なのか。

説明書きを読むと、60センチのうねを作れとか、20センチの株間にするとか書かれているので、狭い場所で育てるようなものではないようだが、じっくりと観察したいのでベランダのプランターで育ててみることにした。

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よく読むと草丈1メートルって書いてあるな。でも簡単に栽培できるって書いてあるから大丈夫!

大量に収穫しようと思わなければ、プランターでもきっとどうにかなるだろう。成長の過程が観察できて、ちょっと試食できればOKだ。

もし実がうまくならなかったら、最悪この種を試食してやる。

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ゴマの種ってゴマなんですね。

5月26日、ゴマの芽が出た

ベランダに置いたゴマを植えたプランター、洗濯物を干す時に水をやっていると、そのうち芽がでてくれた。

去年から使い回しの土なので、なにか別な植物の芽という可能性も捨てきれないが、ゴマだと信じて育てていこう。

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これがゴマの芽のようだ。

6月16日、葉っぱを食べてみる

ゴマの芽はスクスクと育っている。それに混ざって去年ここに植えていたバジルも勝手に生えてきた。期せずして寄せ植えだ。

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右上のプックリした葉っぱはバジルだな。


蒔いていないバジルが生えてくるということは、これが蒔いたゴマであるという確証が持てない。

そこでゴマであることを確認するために、葉っぱをちょっと食べてみることにした。もしこれがゴマであれば、その葉っぱはエゴマに近い味がするのではという方程式である。

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ムシャムシャ。いろいろ理屈を書いてみたが、本当は食べてみたかっただけ。

腹ペコな青虫になった気分で食べてみたところ、うーん、エゴマと遠からず近からず。そんなにまずくはないが、わざわざ食べないかなという味。キムチや天麩羅にしたらおいしいかも。

ちょっと調べてみたところ、ゴマがシソ目ゴマ科で、エゴマがシソ目シソ科とそんなに近くない親戚なので、この遠からず近からずという味は、ある意味正解のような気がする。

なんてモグモグやっていたのだが、よく見ればつぼみのようなものができているではないか。

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なかなかの産毛だ。

そうか、ゴマが種であるならば、それが入った実がなる訳で、その前に花が咲くのは当然か。

ゴマの花、まったく想像ができないぞ。これはなかなか楽しみだ。

6月22日、ゴマの花が咲いた

気が付けばゴマの花が咲いていた。咲きたては黄緑色で、しっかり開くとラッパ型の淡いピンクになるようだ。

これは予想外のかわいらしさ。萌えという言葉がよく似合う花だ。ゴマなのに。

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プランターだと丈は大きくならないが、それでも花を咲かせてくれた。

小学生が授業で育てる植物といえばアサガオとかヒマワリが定番だが、このゴマとかカンピョウとかサフランとか、食べ物としては知っているけれど、その姿をよく知らないものを育てればいいのにな。

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この可憐な花から、一体どういう実がなるんだろう。

7月2日、ゴマの実がなった

7月に入ると、花が咲いていた場所にラグビーボール形の実がなっていた。

おおお、これがゴマの実なのか。実というよりもサヤと呼ぶべきか。

ゴマの大きさから察すると、菜の花やエンドウマメのサヤみたいに種が一列で並んでいるのではなく、オクラのように複数列で入っているのだろう。

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このサヤがどのくらい大きくなるのかな。

7月14日、サヤが立派になった

もう誰も覚えちゃいないだろうけど、今年の夏はものすごい猛暑だった。

毎日せっせと水をあげてはいるが、ゴマもすっかりバテ気味である。

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朝に水をやっても、午後にはしんなりしている。

それでもサヤはどんどんと成長して、青いパパイヤを思わせる膨らみっぷりである。

さて残された問題は、これをどのタイミングで収穫すると、あのゴマになるのかということだ。

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サヤの中身はゴマでいっぱいのはず。

サヤごと食べる野菜なら今が収穫時期だろうけれど、必要なのは完熟した種。とりあえず、もう少し様子を見てみようか。

7/27、ゴマが枯れてしまった

旅行で3日ほど家を空けていたら、収獲を前にしたゴマがすっかり萎れてしまった。

特にサヤが一番大きくなっていた出世頭の枯れっぷりがひどい。わー、これは私の大失態である。せっかくここまで育てたのに。

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一番サヤが育っていたゴマが枯れてしまった。

ごめんよーと枯れたそいつを手に取ったところで、ワーッと声をあげてしまった。

ゴ、ゴ、ゴ、ゴマができている!

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サヤがパッカンと割れて、ゴマのベイビーがこんにちは。

そうか、ゴマはサヤが成長しきると自動的に枯れて、そのサヤの中から成熟したゴマの種が飛び出るシステムなのか。

こういう姿を目の当たりにして、ようやくゴマというのが種であるという事実を実感できる。

種がこぼれないよう慎重にサヤを収獲。ぷっくりと膨らんだ良質のゴマだ。当たり前だが種として蒔いたゴマとそっくりである。世代交代しても変化なし。

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サヤの中にみっちりとゴマが入っていた。

ゴマを食べてみる

早速だがサヤから取り出したばかりのゴマを試食してみよう。

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口の中でゴマを歯と歯の間に押し込むようにして噛む。


うーん、とったそのままだと、なにを食べてるのかよくわからないな。湿気ったピーナツのカスみたいで、特に美味しいという感じではない。

味はよくわからないが、何度も噛んでいると口の中にうっすらと藁のような香りが広がってきた。おや、ゴマってもう少しポジティブな香ばしさがあったはずなのだが。

そうか、ゴマは煎らないとダメか。そうだそうだということで、フライパンで優しく乾煎りをする。

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ものすごく寂しい量ですね。

ゴマがパチリと一はぜしたところで火を止めて、火傷しない程度に冷めたところで食べてみると、これがクルミみたいに油っ気があってうまいんだ。これぞゴマ油の原料である。

香ばしいとはこういうことだと、小さなゴマ粒が訴えてくる。煎りたてのゴマはもはや香ばしさ界の第一人者、トップランナーだ。

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ぷっくりと膨らんだゴマ。炙ることで味がここまで変わるのかという驚き。

 

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