「それはやばいですね」
ハロハロとはミニストップで売っているかき氷デザート。タガログ語で「混ぜこぜ」という意味の、フィリピンのスイーツらしい。
僕は大昔に一回食べたきり食べていない。通りかかってハロハロの垂れ幕を見るたびに「ハロハロっていつかもう一回食べてみたいよな…」と思うが、タイミングが合わない。
だってミニストップが近くにないのだ。そういう人、多いのではないだろうか。
なぜならミニストップの店舗数は全国で4位。上位3チェーン(セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソン)と比べると大きな開きがある。桁違い*。
*【2024年版】コンビニエンスストアの店舗数ランキング より
しかしそんなことを言い訳にしていたら卒業できない。遠くても行けばいいのだ。足があるんだから。
30分歩いた
30分歩くと街の空気が2、3回変わる。路地の突き当たりに来てしまって慌てて引き返したりもした。蒸し暑い。
途中でセブン・イレブンやファミリーマートを何軒も見たが、見えないふりをする。今日だけ、最寄りのコンビニは少し遠くのミニストップなのだ。
ハロハロを頼んで少し待つと店員さんがレジから出てきて手渡してくれた。
三角コーンが写り込んでいるここはミニストップのイートインである。すぐに食べられてありがたかった。
下の層までスプーンをさし、すくって口に入れる。
かき氷、ゼリー、ソフトクリームが層になっていて色んな味がするはずだが、真っ先にパチパチキャンディの刺激が来た。
はっきりパチパチと音が聞こえるし、食べ終わってもしばらく小さい線香花火が口の中に残っていた。ずっと口が半開きになる。
色んな味がするし、かき氷がちょっと溶けた感じも甘くておいしいので長く楽しめる。
ミニストップが近くにある人は、日常的にこれを食べるのかもしれないな。橋田さんもきっとそうなんだろう。パチパチに強い人になるだろうな。
別のミニストップでもう1種類食べよう
自宅からミニストップは少し遠かった。同じようにミニストップから別のミニストップも少し遠い。
もう1種類食べてみたいと思ったので、また15分歩いて別のミニストップに来た。「少し遠いこと」を体感してハロハロを食べる。今日はそういう日。
垂れ幕にあった「果実氷 すいか」を頼んだ。イートインが埋まっていたのでテイクアウトにしてもらって外に出たところで雨が降ってきた。
近くにあった駅の軒先で食べた。果実氷とは、本物の果物を使った氷のことだった。スイカの甘味だけじゃない、瑞々しさとか食感をすごく感じた。
雨の匂いと一緒に立って食べるスイカはノスタルジックだった。
3店舗目は遠い
ここから1時間歩いて別のミニストップに来た。2店舗目から別のミニストップを探したがここしかなかった。いいだろう。
3回目ともなると、別のコンビニは見えないふりなどしなくとも見えていない。雨と汗でびちょびちょになって早くハロハロが食べたかった。
今思うとメロンクリームソーダに似ている。練乳あずきとか抹茶にすれば良かったのに。疲労で自分に正直になりすぎていた。メロンクリームソーダのおかわりを頼む感覚である。
3つ目も大満足だった。やっぱりパチパチが強いし色んな味がする。溶けてきたかき氷がおいしくて、敢えてちょっと待ってみたりもした。ハロハロを食べ慣れてきているのだ。
最寄りのコンビニで人生観が変わる
ハロハロのことを分かった気になれたので、またたくさん歩いて家に帰った。
まだパチパチキャンディの刺激を思い出せる。あれが最寄りのコンビニにあって日常的に食べていたら、人生観が変わっていそうである。
「ミニストップが最寄りのコンビニ」と繰り返し自分に言い聞かせてハロハロを食べ、そのもう一つの人生に思いを馳せました。