浪江がいい!
浪江に行ってよかった。食事も美味しいし、ポケモンで遊べたし。海産物も美味しいのだけれど、この日は浪江に着いた時間が遅くて、道の駅の海鮮丼的なのは全て売り切れていた。また行かなければならない。またラッキーに会いたいし。いや、巨大ラッキーに。私のラッキーも上がった気がする。とにかく楽しかったのだ。全ての写真に私が写っているのはテンションの高さからだ。
ラッキーというポケモンがいる。幸せをもたらすポケモンでお腹にはたまごを抱えている。高さは1.1mで、重さは34.6kgだ。初登場はポケットモンスター赤・緑なので、ゲーム第一作目から登場しているポケモンということになる。
このラッキーが巨大な遊具になった公園が福島県の浪江にオープンした。2021年12月のことでラッキー公園はいくつかあるのだけれど、浪江のものが第一園目ということになる。ぜひそれを見に行こうと思う。
ポケモンを通ってきた人々はおそらく誰もが「ラッキー」の存在を知っている。アニメのポケモンではいくつかの地方で、ポケモンセンターの看護師役を務めていた。現在放送中のポケモンのアニメでもモリーのポケモンとして登場している。
私はポケモンを初代からプレイしている。ポケットモンスター赤・緑からやっているのだ。そして、今もしている。2022年に発売されたポケットモンスター スカーレット・バイオレットも発売日に買った。大好きなのだ。
同時に私は大きなものが好きだ。本当のラッキーは、高さ1.1mで、重さ34.6kgとあまり大きくない。狭い家にいたら存在感を感じるサイズではあるけれど、そこまで大きくはない。でも、大きなラッキーも存在するのだ。
福島の浪江に2021年12月に「ラッキー公園 in なみえまち」がオープンした。その公園のラッキーは高さが約6mもあるのだ。本当のラッキーの約6倍。もはや狭い家でなくても、どんな家でもそれなりに存在感を感じずにはいられないサイズだ。
浪江にラッキー公園ができたのは知っていたけれど、今まで行くことはなかった。しかし、頭にはずっと巨大なラッキーがこびりついていた。だって普通のラッキーより、巨大なラッキーの方が見た時にラッキーな気がするからだ。
問題は浪江が遠いことだ。私の住んでいる街からは4時間ほどかかる。ただ最近はアンラッキーなことも増えているので、ラッキーを求めるべきだと思ったのだ。しかも巨大なラッキーを。だから私はいま、浪江に向かっているのだ。
特急ひたちに乗った。これに乗っていれば浪江駅に着くのだ。千葉を通り、茨城を通りと絶妙に時間がかかるのだけれど、巨大なラッキーを見るためならば、全然いいように思えた。だって、巨大なんだぜ。
今になって思うと、巨大なラッキーを見ることが楽しみすぎたのだろう、全ての写真に私が写り込んでいる。楽しみすぎるとこのような写真になるのだ。だからよくわからないと思うけれど、外は雨だ。
やがて高いビルが並ぶ街を抜け、やがて緑が増え、やがて家々が並び、やがて水田が広がる景色の中を特急ひたちは走った。雨は強くなり、電車の窓には水滴ではなく、小さな水流すら作った。
雨の様子がわかる写真があればいいのだけれど、全部上記のような写真だ。全ては巨大なラッキーが楽しみだからだ。人類は巨大なラッキーを見に行く際は、このような写真になるのだ、きっと。ラッキーのように優しい気持ちでこの写真を見ていただければと思う。
浪江駅に着いた。道中は雨が降り続いていたのでアンラッキーと思っていたけれど、浪江に着くと雨はやんだ。ラッキーなのだ。巨大ラッキーなのだ。だって私は思い切って、傘を持ってきていないのだ。
浪江は東日本大震災で揺れや津波、福島第一原子力発電所事故で大きな被害を受けた街。帰還困難地域だった。今も震災前と同じ生活には戻ってはいないけれど、人々の営みが再開されている。
震災前と比べるとまだ20%ほどだけれど、水田も再開されている。綺麗な道の駅も整備され、無印良品も入っている。そんな街にラッキーがいるのはとてもいいように思える。しかも普通のラッキーではないのだ。巨大なラッキーなのだ。
道の駅でまずは食事をすることにした。野生のラッキーは逃げ出すこともあるけれど、この街の巨大なラッキーは逃げないのだ。まずは食事だ。何を食べるか迷ったけれど、とりあえず「なみえ焼そば」を注文した。
極太麺にオリジナルソースの「なみえ焼そば」。食べてみるとこれが美味しい。どう美味しいのかというと濃いのだ。私は巨大なことと、濃いことを好む。味が濃いなみえ焼そばは完璧な焼きそばだった。
道の駅にはパン屋さんも入っていて、そこの「チーズの大将」というパンがすこぶる美味しかった。チーズが濃いのだ。最高なのだ。そもそも私はチーズが大好きで、そのチーズが濃い。完璧なのだ。浪江は素晴らしい街だ。だって巨大なラッキーもあるんだぜ。
ここまでの写真は全てに私が写っていた。でも安心して欲しい、これからの写真も全て私が写っている。全ては先に書いたように、巨大ラッキーに会えるテンションからなのだ。楽しみで仕方がない。
「ラッキー公園 in なみえまち」は道の駅の裏側にある。そのため、駅から向かった私は巨大ラッキーだけれど、遠くから見えるということはなかった。ただ公園に行くとやはり巨大だった。約6mもあるわけだから。
この巨大ラッキーは遊具である。どのような遊具なのかは、正面から見てもわからない。しかし、裏に回ればわかる。正面は我々がよく知るラッキーだけれど、裏側は違うのだ。ラッキーの裏の顔は違うのだ。
螺旋階段があって上がれるようになっている。そこから滑り台で下に降りることができる。正直に言って楽しい。巨大な上に遊べるのだ。他に何を求めればいいのだ。さらにこの公園には他のポケモンもいるのだ。
ポケモンが好きなので嬉しい。しかも触れ合えるのだ。ポケモンと遊べるのだ。いや、日本語的にはポケモンで遊べる、が正しいかもしれないけれど、とにかく嬉しい。何より巨大なことが素晴らしい。
浪江に行ってよかった。食事も美味しいし、ポケモンで遊べたし。海産物も美味しいのだけれど、この日は浪江に着いた時間が遅くて、道の駅の海鮮丼的なのは全て売り切れていた。また行かなければならない。またラッキーに会いたいし。いや、巨大ラッキーに。私のラッキーも上がった気がする。とにかく楽しかったのだ。全ての写真に私が写っているのはテンションの高さからだ。
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